アルコーブとは、ヨーロッパの建築に多く見られる技法です。
現在では、日本の建築用語としてもよく使われています。
アルコーブを用いる建築にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
本記事では、アルコーブの概要やメリット、注意点などをご紹介します。
アルコーブとは
アルコーブとは、通路や部屋など壁の一部を窪ませて独立したスペースとしている部分です。
もともとはヨーロッパの建築などで多く見られますが、日本では「床の間」などがアルコーブに該当します。
アルコーブは、一戸建てとマンションでそれぞれ違うスペースを指す言葉として用いられています。
一戸建て
部屋や廊下の一部に、おくまった窪みを設けるスペースのことです。
アルコーブがあることにより、間取りにアクセントを付けられます。
またスペースを有効活用しつつ、室内を洋風のイメージにできます。
マンション
廊下から少し窪ませて作った玄関前のスペースのことです。
廊下を窪ませた部分に玄関ドアを設置します。
玄関ポーチとは何が違う?
アルコーブと似ているスペースに、玄関ポーチがあります。
戸建て
戸建てにおけるアルコーブとは、玄関ドアの前に設けられたひさしのあるスペースを指します。
このスペースがあることで、雨に濡れずに鍵を取り出したり、
傘をさしたりできるといったメリットがあります。
マンション
玄関ポーチは、アルコーブよりも広く採られたスペースを指します。
門扉が設置されていることが多く、プライバシーが守りやすくなっています。
アルコーブのメリット
ここでは、アルコーブのメリットについてご紹介します。
メリット1:空間をおしゃれに演出できる
アルコーブを上手に活用しますと、空間をおしゃれに演出することができます。
例えば、壁を窪ませて作ったアルコーブにダウンライトなどを設置すれば壁の陰影を楽しめます。
また、棚を付けて趣味のものやインテリアを飾ることもできるでしょう。
メリット2:プライバシーを保てる
マンションの玄関ドア前にアルコーブがあれば、プライバシーを保つのに役立ちます。
アルコーブがない場合、廊下が直接玄関に面しているため
ドアを開けた際に室内が見えてしまう可能性があります。
アルコーブがあれば適度な目隠しとなるため、プライバシーを保つのに役立つでしょう。
アルコーブを使用する場合の注意点

ここでは、アルコーブを使用する場合の注意点をご紹介します。
注意点1:マンションでは共用部分の扱いになる
マンションのアルコーブは、基本的に共用部分の扱いとなります。
そのため私物を放置したり、汚れをそのままにしたりしないように注意が必要です。
注意点2:清掃時に注意が必要
共用部分は基本的にマンションの管理員などが清掃しますが、
汚れが気になり自分で清掃をしたい場合もあると思います。
通常の清掃の範囲では問題ないですが、水を使用した清掃には注意が必要です。
水を使用して清掃を行うと、廊下への漏水や設備の劣化につながってしまう可能性があります。
また、薬剤を使っての清掃は避けた方が無難です。
共用部分となるアルコーブの清掃は、乾いたタオルで汚れを拭いたり、汚れを掃いたり
といった程度の簡単なお手入れがおすすめです。
アルコーブについて知ろう
アルコーブは、戸建てにもマンションにもあるスペースのことです。
マンションの玄関前に設置されたアルコーブの場合、
プライバシー保護などのメリットが得られます。
戸建ての場合、室内に作ったスペースのことを指すことが多く、
飾り棚などさまざまな活用方法があります。
マンションと戸建てで違うスペースのことを指すことがありますので、
それぞれどんなスペースのことを指すか、また活用方法についても知っておきましょう。