S造は、マンションやアパート、ビルなど比較的大きな建物に用いられることが多いですが、一戸建てでもS造のものが数多くあります。
本記事では、S造(鉄骨造)を支える柱と柱に関連するものについてご紹介します。
ベースプレートとは
ベースプレートとは、S造(鉄骨造)の柱脚を構成する部材です。
鉄骨柱の脚部分に溶接し、基礎に柱をつけるための鋼板です。
ベースプレートにはボルトを通すための穴があけられており、基礎と柱をボルトで接合します。
ベースプレートの主な役割は、以下のとおりです。
- 鉄骨柱と基礎を強固に接合する
- 鉄骨柱の荷重を基礎に伝える
- 地震や風などの外力から建物を守る
ベースプレートは鋼板の厚さや形状、アンカーボルトのサイズなどにより、強度や耐震性が異なります。
そのため、建物の規模や用途に合わせて適切なベースプレートを選ぶことが重要です。
リブプレート
リブプレートとは、鉄骨造の柱や梁を補強するために用いられる板状の部材です。
リブプレートは、柱や梁の表面に溶接され、柱や梁の剛性を高め、変形を抑える役割を担っています。
リブプレートの厚さやリブの形状、配置間隔などにより、柱や梁の剛性や耐震性は異なります。
そのため、建物の規模や用途に合わせて適切なリブプレートを選ぶことが重要です。
柱を基礎に留める方法
柱を基礎に留めるには、ベースプレートを使用する方法が最も一般的な方法といわれています。
ベースプレートは、アンカーボルトで固定されます。
アンカーボルトは、柱を留めるためのボルトのことです。
ベースプレートを使って基礎に留める方法は、以下のとおりです。
1.基礎にアンカーボルトを埋め込む
基礎の設計図に従って、アンカーボルトを埋め込みます。
アンカーボルトは、柱の荷重を支えるための重要な部材です。
そのため、アンカーボルトのサイズや本数は、設計図通りに正確に埋め込む必要があります。
2.ベースプレートをアンカーボルトに緊結する
ベースプレートの穴とアンカーボルトの位置を合わせ、ベースプレートをアンカーボルトに緊結します。
使用されるナットは通常、ダブルナットです。
二重にナットを締めることで、ゆるみにくくなります。
ベースプレートは柱の脚部分に溶接されるため、強固に緊結する必要があります。
3.柱をベースプレートに溶接する
ベースプレートの穴と柱の脚部分の穴を合わせ、柱をベースプレートに溶接します。
溶接は、専門の技術者が行う必要があります。
アンカーボルトの特徴
アンカーボルトの特徴は、以下のとおりです。
- コンクリートとの接合強度が高い
- さまざまな形状やサイズがある
- さまざまな用途に使用できる
アンカーボルトは、建物の安全性を高めるために重要な部材です。
そのため、アンカーボルトの選定や施工には、十分な注意が必要です。
S造工事のまんじゅう
S造工事のまんじゅうとは、鉄骨柱の基礎に設置される、まんじゅうのような形状をしたモルタルのことを指し、まんじゅうモルタルとも呼ばれます。
まんじゅうモルタルは、鉄骨柱と基礎をしっかりと接合し、地震や風などの外力から建物を守るために用いられます。
鉄骨柱の脚部分に溶接されたベースプレートの天端に合わせ、無収縮モルタル材で逆おわん状に施工されます。
無収縮モルタルで作られる
まんじゅうは、無収縮モルタルで作られます。
無収縮モルタルは、施工後に収縮しないモルタルのことです。
収縮しないため、まんじゅうが割れたりずれたりすることを防ぎます。
まんじゅうは、鉄骨工事の重要な工程の一つです。
まんじゅうの施工が不十分だと、鉄骨柱の強度や耐震性に影響を与える可能性があります。
そのため、まんじゅうの施工には十分な注意が必要です。
施工手順
施工手順は、以下のとおりです。
- 基礎の面を清掃する
- ベースプレートの天端に目印をつける
- まんじゅうをベースプレートの天端に合わせる
- まんじゅうを無収縮モルタルで固定する
注入座金とは
モルタルまんじゅうの周囲は無収縮モルタルで埋められますが、手作業で埋めるのは大変なため、充填用の金具があります。
それが、アンカーボルト用の注入座金です。
ベースプレートや基礎に埋め込まれたアンカーボルトに設置されます。
グラウト材を空隙部に充填することで、ベースプレートと基礎を密着させます。
グラウト材の注入座金は、ベースプレートや基礎にしっかりと固定する必要があります。
固定が不十分だとグラウト材が充填された際に座金がずれたり、抜けたりする可能性があります。
しっかりと施工することで、ベースプレートと基礎の密着性を高め、建物の安全性を向上できます。
柱は建物の重要な要素
S造の柱は、建物の重量や荷重を支える重要な役割を担っています。
そのため、柱の強度や耐震性を確保することは、S造の安全性にとって欠かせません。
柱だけでなく、構成する部材についても知っておきましょう。