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BIMを組織で活用するポイント。SNSから情報を集めよう

BIMは建物のライフサイクル全体にわたり、建物に関するすべての情報を3次元のデジタルデータとして一元管理する手法です。
BIMを組織で活用することで、さまざまなメリットを得ることができます。

本記事では、BIMの導入方法としてBIMを組織で活用するコツ、SNSの活用方法、BIMパーツ集、BIMマネージャーになどについてご紹介します。

組織でのBIMの活用

BIMを使用して業務効率を上げるためには、まず体制作りが必要です。
ある設計事務所では、「標準化」「手順・ルール化」「教育・研修」などを行いました。

標準化
標準化はBIMモデルから図面の作成をするためのテンプレートやBIMパーツ集のライブラリといった標準仕様を社内で構築することです。

手順・ルール化
BIMモデルを作成するためのガイドラインの作成や社内製図基準を定めることです。

教育・研修
社員教育を通じ、BIMスキルを伸ばすためのテキストや能力評価などを行いました。

各社が独自に行うもの

「標準化」「手順・ルール化」「教育・研修」のうち「手順・ルール化」「教育・研修」については、各社が独自で行うものとされています。
ソフトのバージョンアップや新しいソフトの導入にともない、「教育・研修」を継続的に行うことが設計者個人のスキルアップにつながります。

さらに、「手順・ルール化」も自社に合ったものを構築する必要があります。
たとえば、図面を書く前の属性情報を誰がどの段階で入力する、テンプレートやライブラリを常に最新のものにしておくなど、業務分担を決めておく必要があるでしょう。
手順やルールがあるからこそ、BIM資産の再利用しやすくなり業務効率アップにつながります。

BIMパーツ種の活用も考えよう

BIMパーツ集とは、建物の構造や設備などの部品を3Dで表現したデータの集合のことです。
主に、BIMソフトで建築物の3Dモデルを作成するために使用されます。
BIMパーツ集には、柱・梁・壁・床・屋根・ドア・窓・階段・エレベーター・空調設備・衛生設備などの部品が含まれています。
市販されているものやメーカーや設計事務所が独自に作成したものがあります。
BIMパーツ集を使用することで、BIMソフトで簡単に建築物の3Dモデルを作成することができます。

また、建築物の構造や設備をより正確に把握することができるでしょう。
BIMパーツ集は、BIMソフトのメーカーや建築資材メーカーなどから提供されています。
価格は提供元によって異なりますが、数万円から数十万円程度です。

BIMマネージャーとは

BIMマネージャーとは、BIMの導入と活用を推進する責任者のことです。
BIMモデルの作成・管理・運用を担当し、プロジェクトの円滑な進行と品質の向上に貢献します。

BIMマネージャーは、建築・土木・エンジニアリング・建設などさまざまな分野の経験が必要です。
また、BIMソフトウェアの操作、BIMプロセスの管理、プロジェクトチームとのコミュニケーションなど幅広いスキルが求められます。

BIMマネージャーの主な仕事内容

主な仕事内容は、次のとおりです。

BIMを活用するための体制整備

  • BIMによるモデリングや作図などの社内標準の作成
  • BIMパーツやテクスチャー素材などのデータの整備
  • BIMユーザーの技術的サポート
  • 教育研修の企画、実行

社内でのBIMユーザーの習練度を高めることにより、BIMによるさらにスムーズなワークフローへの改善が求められます。

コラボレーション管理
プロジェクトにおけるコラボレーション管理も仕事の一つです。
建物の設計は、意匠・構造・設備の各担当者のコラボレーションによって行われます。
大規模な建物を設計する場合、各担当者が担当する部分の振り分けや構造、設備の設計の外注などを行う必要があります。

さらに、設計成果であるBIMモデルを統合して管理する仕事もあります。
異なるソフトで作ったデータを連携することもあるため、BIMデータ交換における標準の「IFC形式」などの知識も必要です。
また他社に外注する場合は、BIMモデルの属性情報の入力方式やレイヤー分けの管理なども行います。
他社が作成したBIMモデルの著作権の取り扱い方法や自社が提供したBIMパーツの使用制限など、契約面での確認も必要です。

BIMの情報はSNSから取得しよう

SNS

BIMは建築関連分野では、一番進化が激しいといわれています。
そこでおすすめなのが、SNSを使った情報収集や交流です。
BIMの使用者は、一般的に情報交換に積極的です。
大手建築設計事務所やゼネコン、少人数の設計事務所からBIMソフトのベンダー関係者まで、多くの人がSNSを使った発信を行っています。
Facebookなどは原則実名のため、どの企業に勤めているのかを公開している人がほとんどです。
そのため、責任を持った発言をしており、信ぴょう性があるといえます。

SNSごとの傾向

SNSの種類によって、情報交換方法は少し異なるといわれています。

Twitterは参加者が多いため、一般的に「浅く・広く」交換するのに適しているとされます。
さらに、建設実務者だけでなく、製造業、学校など建設業以外の人とも交流できるため、思わぬ情報を獲得できるかもしれません。

Facebookは、一般的に「深く・狭く」情報交換するのに適しています。
原則実名のため、リアルな世界での交流に近いでしょう。

BIMの活用方法に関して話し合ったり、BIMソフトベンダーとユーザーが立場を超えて話し合ったりすることで、普段は見えないお互いの業務が理解し合えるかもしれません。
また、業種を超えた「フロントローディング」のアイデアが生まれる可能性もあります。

BIMを活用して業務に活かそう

BIMは、建物のライフサイクル全体にわたって活用できる、非常に効果的な手法です。
BIMを組織で活用することでさらに良い建物をより安価に、より安全に、より環境に配慮して建設することができます。
また、SNSを活用してBIMの情報を取得しましょう。