S造建築は鉄骨の柱と梁で構成される構造で、工期が短くコストが抑えられることから、多くの建築物で採用されています。
S造建築の屋根はその構造上、いくつかのポイントに注意する必要があります。

本記事では、S造建築の屋根についてご紹介します。

折板屋根とは

折板屋根とは、金属板を折り曲げて波形状にした屋根材を用いた屋根のことです。
主に工場や倉庫などの大型建築物で用いられています。

折板屋根の特徴は、以下のとおりです。

軽量で施工が容易

折板屋根は、金属板を折り曲げて作られているため、軽量で施工が容易です。
そのため、工期を短縮してコストを抑えることができます。

耐久性が高い

折板屋根は、金属板で作られているため、耐久性が高いです。
そのため、長期間使用することができます。

メンテナンス性に優れている

折板屋根は、メンテナンス性に優れています。
折り曲げ部分の継ぎ目がないため、雨漏りのリスクが低く、メンテナンスの頻度を抑えることができます。

折板屋根のデメリット

折板屋根のデメリットは、以下が挙げられます。

断熱性が低い
折板屋根は金属板で作られているため、断熱性が低いです。
そのため、夏は暑く、冬は寒くなりやすいです。

遮音性が低い
折板屋根は金属板で作られているため、遮音性が低いです。
そのため、雨音や外部の音が響きやすいです。

錆びやすい
折板屋根は金属板で作られているため、錆びやすいとされており、定期的な塗装メンテナンスが必要です。

折板屋根は耐久性やメンテナンス性に優れている反面、断熱性や遮音性が低いなどのデメリットがあります。
そのため、折板屋根を採用する際には、これらのデメリットを踏まえて検討する必要があります。

折板屋根のメンテナンス方法

折板屋根のメンテナンス方法は、一般的に以下を目安に行われます。

塗装
折板屋根は金属板で作られているため、錆びやすいとされています。
そのため、塗装によるメンテナンスが欠かせません。
塗装の塗り替えは、約10～15年を目安に行う必要があります。

点検
折板屋根は風や雪などの負荷を受けるため、定期的に点検が必要です。
穴あきや変形、ボルトなどの錆びなどをチェックします。

平らな屋根「陸屋根」

陸屋根とは、屋根勾配のない平らな屋根のことです。
平屋根とも呼ばれ、主にマンションや高層ビルなどのS造建築物に用いられています。

陸屋根のメリットは、以下のとおりです。

屋上を有効活用できる
陸屋根は屋根勾配がないため、屋上を有効活用することができます。
例えば、屋上庭園や駐車場、ソーラーパネルの設置などに利用することが可能です。

屋根メンテナンスが簡単・安価
陸屋根は屋根勾配がないため、雨漏りのリスクが低く、屋根メンテナンスが簡単・安価です。

天井高さを高くできる
陸屋根は屋根勾配がないため、天井高さを高くできます。

陸屋根のデメリット

ただし、陸屋根にはデメリットもあります。

水はけが悪い
陸屋根は屋根勾配がないため、水はけが悪いです。
そのため、雨水や雪が溜まりやすく、雨漏りのリスクが高くなります。

断熱性が低い
陸屋根は屋根勾配がないため、断熱性が低くなりやすいとされています。
そのため、夏は暑く、冬は寒くなりやすいです。

遮音性が低い
陸屋根は屋根勾配がないため、遮音性が低く、雨音や外部の音が響きやすいでしょう。

陸屋根の注意点

陸屋根を採用する際には、以下の点に注意する必要があります。

水はけ
排水勾配を十分に確保することで、水はけをよくすることができます。

断熱性
断熱材を併用することで、断熱性を高めることができます。

遮音性
遮音材を併用することで、遮音性を高めることができます。

S造で勾配屋根を作る方法

S造で勾配屋根を作るには、以下の工程が必要です。

1.屋根の形状を決める
屋根の形状は、勾配の角度や勾配の方向によって、さまざまな種類があります。
屋根の形状によって、屋根材の種類や施工方法が異なるため、事前に決めておく必要があります。

2.屋根の骨組みを作る
屋根の骨組みは、鉄骨の柱や梁で構成されます。
屋根の形状に合わせて、骨組みを設計・製作します。

3. 屋根材を葺く
屋根材は、さまざまな種類があります。
屋根材の種類によって、耐久性や断熱性、遮音性などが異なるため、用途や予算に合わせて選びます。

4.防水処理をする
屋根材の下には、防水層が必要です。
防水層は、雨漏りを防ぐ役割があります。

5.屋根の端部を処理する
屋根の端部は、雨水や雪が流れ落ちるように処理する必要があります。

勾配屋根を作る際の注意点

S造で勾配屋根を作る際の注意点には、以下が挙げられます。

屋根の強度を十分に確保する
屋根は、風や雪などの荷重を受けるため、十分な強度を確保する必要があります。

屋根の防水性を高める
屋根は雨漏りのリスクが高いため、防水性を高める必要があります。

屋根の勾配を適切にする
屋根の勾配は、雨水や雪が流れ落ちるように適切にする必要があります。

適切な屋根を選択する必要がある

屋根の耐久性や強度を高めるためには、柱や梁の配置や構造を適切に設計することが重要です。
また、屋根材の種類や施工方法も、屋根の性能に大きく影響します。
これらを踏まえて適切な屋根を選択する必要があることを知っておきましょう。