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建築の材料の基準などになる安全係数とは!?計算方法を知っておこう

安全係数は構造設計に関わる数値で「安全率」ともいいます。
建築材料の基準などで使用される数値です。

本記事では、安全係数の概要や計算方法、安全係数の例などをご紹介します。

安全係数とは

安全係数とは、使用材料の基準の強さと許容応力の比とされています。
安全率とも訳されています。
構造物は材質の経年劣化によっても安全係数が異なります。
通常は安全を考えて、余裕を持って計算されています。
安全係数は建設業界だけでなく、薬や機械設計などでも用いられます。

安全係数の計算方法

安全係数は計算によって算出されます。
条件が異なれば数値も変わってくるため、基準を明確にしておく必要があります。
基本的な安全係数の計算方法は、材料の基準の強度や想定される許容応力で割って求めます。
材料の基準の強度は、荷重の条件などによって決定します。
鉄骨構造は2.5~3が安全係数の一般例とされています。

安全係数の計算に必要な項目

安全係数の計算で使われる項目は強度や応力です。
計算の際に強度や応力の数値が変われば、安全係数も変わってきます。
安全係数を高めることができれば、それだけコストも上がります。
そのため、耐用年数や経年劣化、温度、水分、紫外線の影響なども考慮する必要があるでしょう。

安全係数を実際に使用する例

JISは製品ごとに安全係数が例示されています。

木材

木材の安全係数は静荷重が7、衝撃荷重は20が目安とされています。
安全係数は、使用目的や材料などで設定されています。
木材は材料によるばらつきが大きいため、安全係数のばらつきも大きくなります。

鋳鉄

鋳鉄の安全係数は静荷重が4、衝撃荷重は15が目安とされています。
鋳鉄は炭素とシリコンの量などによって特徴が変わるといわれています。
一般的な鋳鉄は炭素量が2.14%以上含まれた鉄を原料にしているため、鉄鋼とは異なり複雑な形を作ることができます。
厚みによって性質も変わるため、数値が変わることもあります。

軟鋼

軟鋼(なんこう)の安全係数は、静荷重が3、衝撃荷重は12が目安とされています。
軟鋼は、鉄鋼材料を分類する際の分け方です。
炭素の含有量が0.30%以下とされています。

銅の安全係数は静荷重が5、衝撃荷重15が目安とされています。
銅は炭素鋼よりも硬度や強度が低いですが、電気や熱を通しやすい特徴を持っています。
純度の違いによって、JIS規格も変わってきますので注意しましょう。

コンクリート

コンクリートの安全係数は、国土交通省によって4以上に定められています。
コンクリートの強度は、基本的に圧縮強度のことです。
引張強度や曲げ強度、せん断強度などが基準となります。

安全係数には余裕を持たせて計算する

工事現場の資材

安全係数に余裕があると、製品が安全に使用できるとされています。
設計する際には、想定した数値と実際の数値で誤差があると、荷重のかかり方が予測できなくなってしまいます。
使用する際に不確実性があると、製品を安心して使えなくなるため、余裕を持たせた方がいいとされているのです。
安全係数が大きいのが理想とされていますが、コスト面なども計算しないといけないため、許容応力を超えないようにすることが大切です。

また表記寸法と実寸は誤差があることを知っておきましょう。
設計した寸法で作り上げても、どうしても誤差が生じてしまいます。
そのため、安全係数に余裕を持たせて、安全に使用できるようにしておく必要があります。

安全係数の計算方法を知っておこう

安全係数は、構造物などの許容応力と破壊応力の比のことです。
許容応力はさまざまな条件によって異なるため、安全のために余裕を持って導き出されます。
安全係数を理解し、計算方法について理解しておきましょう。