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盛土工事の施工方法や手順を解説!造成工事と併せて押さえよう

道路面よりも低い位置に住宅を建てたい場合や、農地を宅地に転用する場合などは
盛土工事が必要になります。
しかし、盛土がどのような工事なのか、土を盛るだけで済むのかなど、
詳しい内容について知りたい方も多いのではないでしょうか。

本記事では、土木施工管理職の方が知っておきたい「盛土工事」の特徴と役割などをご紹介します。

盛土工事とは

盛土工事とは、地面に土砂を盛り地表面を平らにしたり
その地表面を他の場所より高くしたりするための工事を指します。
構造物の荷重を支えたり、安全を確保したりするために行われます。
また河川工事など、治水目的で行われるケースもあります。
主に、山地、丘陵地、河川沿い、海沿いの土地など、平坦ではないさまざまな土地で行われます。
住宅地などの造成工事や道路工事、ダム建設工事などで、盛土工事をはじめに行うことも多いです。

切土工事との違い

盛土工事は地面に土砂を盛って平らにする工事のことですが、
切土工事とはもともとある地盤を切り取って、地表面を平らにする工事を指します。
切土工事は、山地や丘陵地など安定している土地を切り取るため、地盤は全体的に安定しています。
一方で盛土工事は、もともとある地盤の上に新たな土を盛るため、地盤が不安定になる可能性があります。
そのため、建設用の機械を用いて締固めなどの作業を行い、地盤を強固にする工事が必要です。

都道府県知事の許可が必要なケース

盛土工事は周囲に多大な影響を与える行為のため
条件によっては都道府県知事許可が必要な場合もあります。
これは「宅地造成等規制法」によって定められています。
許可が必要なケースには以下が挙げられます。

  • 切土で高さが2mを超える崖が生じる場合
  • 盛土で高さが1mを超える崖が生じる場合
  • 切土と盛土を同時に行う際には、盛土が1m以下でも切土とあわせて高さが2mを超える崖が生じる場合
  • 切土、盛土で生じる崖の高さに関係なく、宅地造成面積が500㎡を超える場合

この条件の「崖」とは、切土・盛土で生じた斜面が「30%以上」のもののことです。

盛土工事の施工手順

盛土工事

ここでは、一般的な盛土工事の施工手順をご紹介します。

STEP1:測量

その土地の形状を正確に把握し、適切な工事をするために行われるのが測量です。
また盛土工事を行うと、地盤が軟弱になる可能性があるため、測量と同時に地盤調査も行います。
そして測量と地盤調査の結果をもとに、工事計画を作成します。

STEP2:整地作業

土地の上に構造物がある場合、それを取り除いて土地を綺麗な状態にすることを指します。
たとえば、古い住宅などが建っている場合、解体作業を行い、コンクリート、木材、石などを撤去します。
また雑草や切り株が残っていた場合、それらを取り除く工事を行います。
切り株は地中深くまで掘らなくてはいけない場合もあるため、伐根処理が必要になるケースもあります。

そして、重機を用いて転圧を行います。
解体作業は一般的に専門の解体業者が行います。

STEP3:土砂の運搬

工事に使用する土砂の運搬を行います。
土砂の運搬時には、近隣住民への配慮を行いましょう。
施工現場が、住宅街など人通りが多い場合、ダンプトラックが頻繁に運行していると
騒音や安全問題などが生じてしまう可能性があります。
また土埃や道路が汚れるなどの問題も生じる場合があるので注意が必要です。

STEP4:敷均し・締固めを行う

最後に敷均しと締固めを行います。
敷均しとは、盛土工事の施工場所に盛られた土砂を決められた厚さにする作業です。
締固めは、締固め用の建設機械を用いて、敷均しした部分を締固めます。
この作業によって土が密な状態になり、安定した地盤になるとされています。

付随して必要になる「造成工事」

盛土工事に付随して行われることが多いのが、造成工事です。
造成工事とは、宅地として利用するため、土地を整備する工事を指します。
住居やオフィスなどを建築する、駐車場として活用するなど、土地には複数の用途がありますが
いずれも強固な土地が必要です。
その基礎となる重要な工事を行うのが造成工事です。

そのため、造成工事業者が盛土工事を行うこともあります。
造成工事は土地が変形している場合や土地の地盤が軟弱な場合、
傾斜がある場合、高低差がある場合に行われます。

盛土工事の施工方法や手順を知っておこう

盛土工事は、上部の構造物の荷重を支えたり、治水目的だったりと、とても重要な役割を果たす工事です。
日本は丘陵地が多いため、盛土工事は多くの工事現場で必要とされています。
しかし、盛土工事を行うと、どうしても元の地盤より軟弱になりやすいため、同時に地盤調査も必要です。
また盛土工事だけでなく、造成工事など他の工事が必要になるケースもあります。
さらに、条件によって都道府県知事に許可が必要な場合もあるので注意が必要です。
測量と地盤調査を行った上で、盛土工事の計画を立てることが重要なので
しっかり理解しておきましょう。