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i-ConstructionとICT建機。期待されることとは!?

現在、建設現場ではi-Constructionが推進されるとともにICT建機の導入も進められています。
i-ConstructionとICT建機の導入よって、建設現場にはどのような変化が期待できるのでしょうか。

本記事では、建設機械施工管理職の方が知っておきたいi-ConstructionとICTの導入効果についてご紹介します。

i-Constructionとは

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、
「ICTの全面的な活用(ICT土木)」等の施策を建設現場に導入することにより、
建設生産システム全体の生産性向上を図り、もっと魅力ある建設現場を目指す取り組みのことを指します。
2016年には、国土交通省のi-Construction委員会が「i-Construction~建設現場の生産性革命」を発表しています。

その中で、i-Constructionには次に紹介する3つのトップランナー施策があります。
この施策の推進が重要であるとしています。

  • ICTの全面的な活用(ICT土工)
  • 全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)
  • 施工時期の平準化

ICTの全面的な活用

国土交通省では2008年から情報化施工を試行しており、その結果からICTを全面的に活用した場合、
根本的な生産性の向上が見込まれています。
ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術のことです。
また、ICTの全面活用をすると建機周りの計測作業が減るために作業員の安全性の向上も見込まれます。
さらに、精度の高い施工が可能になるため、経験の浅いオペレーターの早期活躍も期待できるでしょう。

全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)について

建築物は、1つの建設現場ごとに合わせた設計が行われています。
そのため、現場やサイズが変われば、その都度設計をし直す必要があります。
この現場ごとの最適化の考えを見直し、コンクリート工において全体を最適化する考えを導入すれば、
原材料や建材等の調達も効率化できるため、工事プロセス全体を最適化することができます。
さらに、建材の規格を標準化することで、コストの削減と一層の生産性の向上が可能になるでしょう。

施工時期の平準化

公共事業の場合、年度ごとの予算に則って工事が発注されます。
そのため、入札や契約の手続きの関係上、
4月から6月の第一四半期はその他の時期に比べ、工事量が少なくなっています。
人材不足の中、時期によって工事の量が変わると、人材を効率的に活用できません。
そこで、施工時期を平準化し、年間を通じた工事量の安定化を目指しています。
施工時期が平準化されれば、人材を効率的に活用できるほか
建設会社の経営の安定化や労働者の処遇の改善、建設会社の機材保有の促進にもつながります。

出典:国土交通省「i-Construction
出典:国土交通省「i-Construction~建設現場の生産性革命

ICT建機に期待されること

ICT建機

ICTシステムを搭載した建設機械であるICT建機が導入されれば、労働者にかかる負担が減り、
作業の効率化を図ること可能です。
そのため、ICT建機を導入すると次のような課題が解消できると期待されています。

  • 労働時間と工事日数の削減
  • 稼働日が減ることによる建機の燃料消費の削減

またICT建機は、建機周りでの作業を減らすことから労働者の安全性向上が可能です。
現状、建設現場の仕事は「きつい・汚い・危険」の3Kといわれています。
ICT建機の導入は建設現場における働き方の改善にもつながり、3Kの解消が期待されているのです。

建設DXの加速

DXはデジタルトランスフォーメーションのことで、直訳すると「デジタル変革」という意味です。
AIやIoTなどのデジタル技術を活用したビジネスモデルや組織、業務フロー、企業文化の変革などの実現を意味します。

建設業界でDX化が進まなかった背景

2018年から経済産業省はDXを推進しています。
しかしながら、建設業界におけるDX化はなかなか進みませんでした。
それというのも、建設業者の多くが中小・零細事業者であり、
企業規模が小さいことが建設DXが進まなかったことに関係していると推測されています。
中小・零細事業者は従業員も少ないため、デジタル化を担う人材が不足しており
建設業界のDX化を阻んでいたと考えられているのです。

今後は建設DXが加速する

今後はインフラも老朽化し、その維持や更新のための工事、自然災害による被害を軽減する工事など
難易度の高い工事が増えていくでしょう。
一方、建設技能者は高齢化が進んでおり、平成29年時点では建設技能者の約1/4は60歳以上です。
今後、高齢技能者の引退による技能者の人員不足が起き、少子高齢化から技術者も減少すると予想されています。
これらの状況から、生産性を向上させる建設DX化は今後、加速すると考えられます。

ICT建機の導入は労働者の労働環境改善にもつながる

i-constructionとは、ICT建機を活用することによって、
建設生産システム全体の生産性向上を図るという取り組みです。
ICT建機の導入は生産性を向上させ、労働者の労働時間の短縮や工事日数の削減などを実現し、
労働環境の改善にもつながると期待されています。