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木造建築に多く使用されるラス下地とは!?確認しておきたいこと

建設現場で従事する方でもなければ、ラス下地という言葉に聞き馴染みのある方は少ないでしょう。
しかし、建設物を建てる上で、ラス下地は重要な役割を担っています。

本記事では、ラス下地の概要から、種類、活用における注意点を紹介していきます。

ラス下地とは

ラス下地とは、左官工事の際に用いられるメッシュ状の下地を指します。
左官工事とは、建築物の壁にモルタルや壁土を塗り固めていく作業を指します。
この時、むき出しの壁に直接モルタルや壁土を塗り付けても引っ付かず、
時間がたつと徐々に剥がれてしまいます。
そこで元の壁にラス下地を張り、その上からモルタルや壁土を塗装していくと
時間がたっても剥がれ落ちず壁に固定されます。

ラスの種類

ラス下地は左官工事の際に用いられ、モルタルや壁土を固定する役割があります。
また、ラスにはいくつかの種類があり、それぞれの特徴に沿って使い分けられます。

種類①:メタルラス

メタルラスとは、薄い亜鉛メッキの銅板に一定間隔で切り込みを入れ引き延ばすことで
網目状にしたラスを指します。

また、メタルラスにも細かい形状ごとに区別され、
平ラス、こぶラス、波形ラス、リブラスの4種類が挙げられます。
形状が違うだけと思われますが、それぞれに細かい違いもあり
平ラスは耐火性や耐震性に優れ壁在以外にも利用されています。
モルタルや壁土を壁に取り付けるメタルラスですが、施工の際に塗り厚が薄くなってしまうと
メタルラスが空気に触れる面積が多くなり錆が発生する恐れがあります。
メタルラスが錆びてしまうと、モルタル・壁土が剥がれ落ちる原因となるため注意が必要です。

種類②:ワイヤーラス

ワイヤーラスは、針金を編んで作成した金網上のラスを指します。
素材は金属であり、形状も金網であることからメタルラスと区別しづらいかもしれません。

メタルラスが薄い鉄板を引き延ばしたものであるのに対し
ワイヤーラスは針金を網目状に編んでいるものであり、ワイヤーラスの方が厚みを持っています。
これにより、ラスの上からモルタルや壁土を塗装した際に、塗り厚が大きくなるという特徴があります。

また、ワイヤーラスも編み方によって細かく区別されており
「ひし形ラス」「亀甲形ラス」「丸形ラス」の3種類が挙げられます。

種類③:ラスカット

メタルラスやワイヤーラスが金属を網目状に形成したものであるのに対し、
ラスカットは合板にモルタルが塗装された製品を指します。
壁にラスカットを貼り付けるだけで、他のラス下地同様、
その上からモルタルや壁土を塗装できるようになります。

メタルラスやワイヤーラスを用いた場合に比べ、左官工事における工程を省略化できる
というメリットがあります。
これにより、工期全体の短縮も実現可能です。

ラスカットはメタルラスやワイヤーラスに比べても高価ですが、
工期短縮に伴う工費削減により全体のコスト削減につながります。

ラス下地の使用前に確認したいこと

ラス下地

ラス下地を使用する際には、あらかじめ念入りに左官工事の仕様書を確認しておきましょう。
一口にラス下地と言っても、紹介してきたように複数の種類があり、
それぞれの特徴も建築物に与える効果も異なります。

そのため、仕様書に記載された内容に基づく工事を行っていなければ、建築後に大きく影響を与えます。
具体的には、下地に使用するラスの間違いや接合方法の誤りがあると
塗装したモルタルや壁土が剥がれ落ちる原因となるでしょう。

ラス下地は左官工事をする上で必要

建築物において、壁面に壁土やモルタルを塗装する左官工事は壁の耐久性を高める上で非常に重要です。
そして、左官工事を施工する上でラス下地は欠かせない道具といえるでしょう。
しかし、ラス下地にも複数の種類があるため、適切に活用しなければ意味がありません。
ラス下地を活用する場合は必ず仕様書を確認し、問題のなく施工できるよう注意しましょう。