Menu

稼働分析が可能なKOMTRAX。特徴について知ろう

「KOMTRAX」は、コマツが開発した仕組みです。
建設機械の稼働状況の確認だけでなく、故障診断や運転指導などのサービスの提供にも関係しています。

本記事では、建設機械の稼働分析ができる「KOMTRAX」をご紹介します。

KOMTRAXの特徴

KOMTRAX(コムトラックス)は、建設機械の稼働データを自社サーバに集めて分析する仕組みを指します。
1990年代後半、日本では盗んだ建設機械を使ってATMを破壊し、現金を盗む犯罪が多発しました。
さらに、盗まれた建設機械によって犯罪が発生すると、顧客が盗難に備え、保険料も高くなります。

この対策として開発されたのが「KOMTRAX」です。
建機にGPSを搭載し、位置情報やエンジンやポンプから情報を集めることができます。
たとえば、機械が稼働しているのか、燃料は残っているのかといった情報を得ることが可能です。
その結果、コマツの建設機械は窃盗すると使用できないため、盗難が劇的に減少しました。
さらに、コマツは売上を伸ばすことにも成功します。

ビジネスへの転換

KOMTRAXは、ビジネス面でも大きな転換をもたらしました。
KOMTRAXは、当初追加料金が必要なオプション機能でしたが、標準装備に切り替えることが可能です。
これは標準装備にすることで、自社サービスの効率化につながると判断されたからです。

そこで単に「機械」を提供するのではなく、「サービス」を提供するというビジネスに転換しました。
たとえば、オイルや消耗品などの交換時期が予測できれば、故障を未然に防げます。
さらに、メンテナンス費用も抑えることが可能になります。

また、使われていない機械や稼働頻度の少ない機械を顧客に報告することで、現場の効率化につながる提案もできるようになりました。
顧客が喜ぶサービスを提供できるようになり、世界各国での販売戦略の立案や新製品の開発にもつながっているのです。

KOMTRAXの活用メリット

建設機械は、一般的な自動車と比較すると耐久性が高く、耐用年数が長いものです。
そのため、部品の交換などが多く発生していました。
もし、危険が伴う場所で故障すると事故につながってしまいます。
また、工事現場が交通の便が悪い場所にあると、部品の到着まで時間がかかることもありました。

KOMTRAXなら車両の使用状況を細かに把握できるため、車両ごとに稼働時間の管理が可能です。
また、故障する前に部品を工事現場に届けることもできるようになりました。
KOMTRAXが故障個所や故障の状態、必要な交換部品などを知らせてくれるので、現場から連絡が入るよりも早く届けることが可能になったのです。
さらに、稼働状況をモニタリングすれば燃費向上も図れるため、ランニングコスト削減もできます。
コスト削減や作業効率化は顧客にとって大きなメリットになるため、売上向上にもつながるでしょう。
加えて、コマツも正確な需要予測と生産計画の策定が可能になりました。
現在では、世界中のコマツユーザーから集める膨大なデータがコマツの利益の元となっています。

KOMTRAXの特徴について知ろう

KOMTRAXはコマツが開発した仕組みです。
これによりコマツは「建設機械を販売するビジネス」から「建設機械を効率的に稼働させるためのサービスを提供するビジネス」へと転換しました。
IoTを活用したデジタルサービスへの転換を見事に果たしており、建設DXの見本となる事例といえます。
建設DXについて詳しく知りたい方は、ぜひKOMTRAXの概要や特徴について知っておきましょう。