近年、スマートハウスへの注目が高まっています。
スマートハウスとは、IoTやAIなどの技術を活用し、住宅の設備や機器を遠隔操作や自動制御することにより、快適性や省エネ性を向上させた住宅のことです。
本記事では、スマートハウスへのBIMの活用についてご紹介します。
スマートハウスの電力管理
スマートハウスの電力管理とは、IoTやAIなどの技術を活用して住宅内の電力使用量を見える化し、省エネを図るための取り組みです。
スマートハウスの電力管理には、主に以下の要素があります。
エネルギー使用量の可視化
住宅内の各設備機器のエネルギー使用量を、グラフや表などで可視化します。
これにより、エネルギー使用量の多い設備や場所を特定し、省エネ対策を効果的に行うことができます。
設備機器の制御
エアコンや照明などの設備機器の稼働状況を自動で制御します。
たとえば、室内の温度や照度に合わせて、空調や照明の運転を制御することで、エネルギー使用量を削減することができます。
エネルギー使用量を削減することでCO2排出量を削減し、環境に貢献することができるでしょう。
また、エネルギーコストの削減にもつながります。
再生可能エネルギーの活用
太陽光発電システムや蓄電池などの再生可能エネルギーを活用することで、自家発電やピークシフトを実現し、エネルギーコストの削減につなげることができます。
スマートハウスで使われる技術
スマートハウスの電力管理で主に使われているのが、「HEMS」です。
HEMSとは、「Home Energy Management System」の略です。
IT技術で、太陽光発電などのエネルギー設備や蓄電池などの蓄エネルギー設備とスマート家電などをネットワークでつなぐことができます。
これにより、使用状況をモニターでの確認やパソコンでリアルタイムに表示できるようになります。
また、スマート家電の自動制御も可能です。
HEMSを導入することで、エネルギー使用量の見える化や設備機器の制御を行うことができます。
スマートハウスへのBIMの活用方法
スマートハウス設計でのBIMの役割は、以下のとおりです。
設計の効率化
BIMモデルを活用することで、設備や機器の配置、配線を検討したり、施工の順序をシミュレーションしたりすることができます。
これにより、配線の干渉などの問題を事前に検討し、設計の変更を最小限に抑え、設計の効率化を図ることが可能です。
省エネ効果の検証
BIMモデルを活用したシミュレーションにより、省エネ効果を検証することができます。
たとえば、太陽光発電システムの導入による省エネ効果や、照明や空調の自動制御による省エネ効果などを検証することができます。
太陽光による空調負荷をできるだけ抑え、自然光を活用できるように建物や窓の大きさを決めるなど、環境負荷に優れた住宅の設計ができるようになります。
施工の品質向上
BIMモデルを使えば、施工図面の作成や発注・検収などの業務を効率化することができます。
また、BIMモデルを活用した3Dバーチャルモデルを作成しますと、施工の品質向上が可能です。
たとえば、施工の順序をシミュレーションすることで、施工の効率化や安全性の向上につながります。
スマートハウスへのBIMの活用について知ろう
BIMを活用することで、スマートハウスの設計や施工を効率化することができます。
BIMモデルを活用したシミュレーションにより、省エネ効果を検証することも可能です。
また、施工図面の作成や発注・検収などの業務を効率化することで、施工の品質を向上できます。
今後、スマートハウスの普及とともに、BIMの活用はさらに進んでいくでしょう。