建設業は長年アナログな作業が中心で、DXが遅れている業界の一つです。
DXを導入することで、人手不足や技能継承、安全性、コストなどの課題を解決できる可能性がありますが、いくつかの課題があります。
本記事では、建設DXの導入や活用における課題や有効性、建設DXプラットフォームなどをご紹介します。
建設DX導入における課題
建設DX導入における課題は、以下のとおりです。
高コスト
DXの導入には、コストがかかります。
特にDXの事例は、大規模な現場を前提としていたり特殊な技術の習得が必要だったりというようにゼネコンなどの大企業向けのものが多くなっています。
そのため、手を出しにくいと感じる中小企業もいます。
建設会社はDXの導入によるコスト削減効果と投資対効果を慎重に検討する必要があります。
法規制
建設業は、法規制が厳しい産業です。
建設工事は、人々の生活に直結する重要なインフラを整備するものであり、安全性が確保されることが重要です。
そのため、建設工事を行う際には多くの法規制を遵守する必要があります。
それに伴い、DXを導入する際にもこれらの法規制を遵守しなくてはいけません。
セキュリティ
建設工事現場では、機密情報や個人情報が扱われることが多く、サイバー攻撃のリスクがあります。
また、スマホやアプリなどを使った共有プラットフォームを使う場合、業者が同じアプリにログインしなくてはいけません。
そのため、関係者全員にITスキルとITリテラシーが求められます。
DXを導入する際には、これらのセキュリティリスクを適切に管理しなくてはいけません。
活用における課題
建設DXは、活用時にも課題があります。
その一つが、ブラックボックス化しやすいことです。
建設DX導入を進めると今までと仕事のやり方が変わってくるため、業務の仕組みが分からなくなることも考えられます。
また、手動で行っていた業務を自動化することで、自分で考えずに答えが出ることが当たり前になってしまいます。
特に始めからDX環境で仕事を始めた人は、「その業務には何の意味があるのか」「何を成すためにその仕組みがあるのか」といった理由が分からなくなる可能性があります。
中小建設企業にも建設DXの導入は有効
上記のような課題があるため、未だに建設DXの導入が進んでいない中小建設企業が多くあります。
しかし、一方で、建設DXを導入すれば大きく生産性を上げる可能性を秘めています。
導入時には、まずは自社の課題と、その解決策を明確にしましょう。
たとえば、以下のような課題と解決策が挙げられます。
コストの問題
建設DXを導入するには、ICT機器やシステムなどの導入費用がかかります。
また、人材育成にもコストがかかります。
そのため、まずは自社だけでも導入できるものを検討しましょう。
人材の問題
建設DXを導入するためには、ICT機器やシステムを操作できる人材が必要です。
また、新しい技術やシステムを学ぶための人材育成も行わなくてはいけません。
そのため、導入時の技術習得が容易なものを選ぶことが大切です。
文化の問題
建設業は、伝統的な産業であり、新しい技術やシステムに抵抗を感じる人もいます。
そのため、建設DXを導入するには、社内の文化を変えていく必要があります。
導入を悩んでいる中小建設会社は、まず導入しやすい建設DXから始めることが推奨されています。
建設DXを導入することで、中小建設企業でも生産性向上やコスト削減を実現することができます。
建設DX プラットフォームの活用
建設業界では現場のデータを集約して分析し、次の工程に活かす「DXプラットフォーム」が活用されています。
工程ごとの部分的なデータを全体的につなげることにより、生産性を大幅に向上できます。
Landlog
Landlogは、建設業界の課題を解決するためのオープンIoTプラットフォームです。
建設現場から収集される様々なデータを一元管理し、分析することで建設現場の安全性、生産性、効率性の向上に貢献しています。
また、建設業界の様々な企業がデータやサービスを共有・連携できるプラットフォームとして、建設業界全体のデジタル化を推進しています。
これまで、ICT建機などを活用することで施工スピードを上げることはできました。
しかし、建設プロセス全体を最適化するには、重機以外の稼働データも必要です。
そのため、様々な企業が参加できるオープンなプラットフォームが構築されたのです。
Landlogの主な機能は以下のとおりです。
- 建設現場から収集される様々なデータを一元管理
- データの分析による建設現場の安全性、生産性、効率性の向上
- 建設業界の様々な企業がデータやサービスを共有・連携できるプラットフォーム
パートナー会員には大手ゼネコン、建機メーカー、アプリのベンダー、保険会社などが参加しています。
Landlogを通じて保険に加入することも可能です。
建設DXに注目しよう
建設業DXは、建設業界の課題を解決し、生産性向上やコスト削減を実現する可能性を秘めています。
ただし、多くの課題を克服する必要があることも知っておきましょう。