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ゼネコンのBIMの活用例。知っておきたいポイント

ゼネコンでは、設計・施工の効率化や品質の向上などが期待されるBIMが活用されています。
一体どのような場面で活用されているのでしょうか。

本記事では、「ゼネコン」から見たBIMの活用方法と活用例について紹介します。

ゼネコンから見たBIM

ゼネコンでは、施工段階における幅広い業務でBIMが活用されています。
BIMを導入した際に最も業務改善につながるので、「手戻りの防止」と考えられています。
従来の2Dベースの図面では、意匠、構造、設備の設計を重ねた時にどこかの場所で干渉が起こることが多くありました。
そのため、施工中にコンクリートを削って調整したり、取り付けた設備を外してやり直したりといった手戻りが発生することがあったのです。

BIMを活用すれば、意匠、構造、設備を見直し、ソフト上で干渉チェックを行うことが可能です。
工事を行う前に問題点を発見できるので、手戻りを防止することができます。
さらに、3D空間でチェックできるので、2Dのような干渉の見落としが少なくなるのがメリットです。

鉄筋の配筋方法をチェック

BIMを活用すれば、3Dで鉄筋の配筋方法をチェックできます。

近年では、建物の耐震性や耐久性を向上させるため、以前より鉄筋量を増やした建物も多くあります。
しかし、設計段階では鉄筋の太さを考慮していないため、施工段階で鉄筋が密集している部分で鉄筋同士がぶつかったり、鉄筋同士の間隔が取れなかったりすることがあります。

BIMを活用すれば、鉄筋の太さや鉄筋同士の間隔を考慮した3Dでモデルを作成し、事前に干渉チェックできます。
事前に鉄筋がきちんと配筋できるかを確認できるため、手戻り防止や品質確保の面で役立つでしょう。

4Dシミュレーションで施工手順を確認する

3D空間に時間の軸が追加されたものが4Dです。
柱や梁などの部材や重機で組み立てる工程を4Dシミュレーションで確認できれば、問題なく部材が組み立てられるかの確認ができます。
さらに、BIMモデルの施工段階とプロジェクトマネジメントを連動させれば、工程管理も可能になります。
近年では、細かい金具類までモデル化し、他の部材と干渉せずに施工できるかなどの確認もされています。

ゼネコンの具体的なBIM活用例

大手ゼネコンでは、ある物流倉庫の施工管理のため、詳細なBIMモデルを作成しました。
着工時の仮想計画段階では、あまりBIMモデルの精度が高くなかったのですが、徐々に施工図レベルにまで精度を上げていました。
最終的には、ランプ部のコンクリート厚をミリ単位で墨出しする作業の活用にまで至りました。
実物の構造物と全く同様の精度を持った正確なBIMモデルが作成できたのです。

足場計画やクレーン作業にも活用される

BIMモデルは足場計画やクレーン作業のシミュレーションなどにも活用されます。
基礎躯体の施工図や外部足場の計画図を作成し、時系列順に4DでBIMモデルを立ち上げながら工程の確認などを行います。
さらに、基礎の配筋に干渉が起こっていないかの検討や、らせん状の斜路の収めるためのランプ棟の施工図作成なども行われたそうです。

単独での墨出しも可能に

高性能なBIMモデルと測量機を連携させることで、1人での墨出しも可能にしたそうです。
トプコンの墨出し用レーザー測量機と、タブレット端末用のシステムがランプ部のコンクリート厚をミリ単位の高さで墨出しする作業に使用されました。
タブレット上に現場のBIMモデルや測点を示すプリズムバーの現在位置を表示することで、1人での墨出しも可能になったのです。
従来では墨出し作業に3人必要だったため、かなりの生産向上につながったといえます。

ゼネコンはBIMを積極的に活用している

BIMは、建設業界の課題解決と競争力強化につながるデジタル技術です。
ゼネコンは、BIMを積極的に活用することで業務効率化や品質向上、安全性の向上、コスト削減を実現しています。
今後もこの流れは加速することでしょう。