S造建築の床は、木造の構造躯体と床下地材、床仕上げ材によって構成されています。
本記事では、S造(鉄骨造)のデッキプレート、コンクリートの打設、床仕上げなどについてご紹介します。
S造(鉄骨造)のデッキプレートとは
S造(鉄骨造)のデッキプレートは、床を構成する部材のひとつです。
鋼板を波形状に加工した板で、コンクリートスラブの型枠としても使用されます。
デッキプレートには、主に以下の2つの役割があります。
デッキプレートは、鋼板で作られているため、鉄骨と同じように強度に優れています。
そのため、床の強度を高める役割を果たします。
また、デッキプレートは波形状に加工されているため、コンクリートスラブを支える役割も果たします。
デッキプレートは、S造建築の床に広く採用されています。
コンクリートスラブの施工を効率化できるため、コスト削減や工期短縮につながります。
デッキプレートの種類
デッキプレートには、主に以下の種類があります。
合成スラブ用デッキプレート
コンクリートスラブの型枠と床下地材を兼ねたデッキプレートです。
コンクリートスラブの強度と遮音性を高める役割を果たします。
U型デッキプレート
一方向に荷重を支えるデッキプレートで、コストを抑えたい場合に使用されます。
フラットデッキプレート
型枠専用のデッキプレートです。
作業通路や資材置き場など、コンクリートを打設しない場所に使用されます。
配筋付デッキプレート
配筋付デッキプレートは、デッキプレートに鉄筋が組み込まれているデッキプレートです。
コンクリートの打設と同時に鉄筋工事を行うことができるため、工期の短縮につながります。
デッキプレートとキーストンプレートの違い
デッキプレートとキーストンプレートは、どちらもS造建築の床に使用される鋼板製の型枠です。
しかし、両者にはいくつかの違いがあります。
形状
デッキプレートは、波形状に加工された板状の型枠ですが、キーストンプレートは波形状の凹凸が小さい型枠です。
強度
デッキプレートは、キーストンプレートよりも強度に優れています。
これは、デッキプレートの波形状の凹凸が大きく、コンクリートスラブをよりしっかりと支えることができるためです。
用途
デッキプレートは、梁間が長い建物や、大型の荷重を支える必要がある建物に適しています。
一方、キーストンプレートは梁間が短い建物や、軽い荷重を支える必要がある建物に適しています。
価格
デッキプレートは、キーストンプレートよりも高価です。
これは、デッキプレートの方が強度が高く、製造コストがかかるためといわれています。
コンクリートの打設
デッキプレートを敷いたあと、ワイヤメッシュが鉄筋をデッキプレートから浮かせて敷き、コンクリートを打つのが一般的です。
デッキプレートは、コンクリートスラブを支える役割を果たしています。
そのため、デッキプレートがないとコンクリートスラブは強度が不十分で、耐荷重に耐えることができません。
また、デッキプレートはコンクリートスラブの型枠としても使用されているため、デッキプレートがなければコンクリートスラブの形状を整えることができません。
さらに、デッキプレートは、コンクリートスラブの強度を高める役割も果たしています。
デッキプレートは、鋼板で作られているため、強度に優れています。
そのため、デッキプレートとコンクリートスラブを一体化させることで、コンクリートスラブの強度を高めることができます。
スタッドボルトの意味
コンクリートの打設におけるスタッドボルトには、以下の意味があります。
デッキプレートや型枠の固定
スタッドボルトは、鉄製の棒状の部材です。
デッキプレートや型枠に穴を開け、スタッドボルトを挿入してナットで固定することで、デッキプレートや型枠を固定できます。
コンクリートスラブとデッキプレートの一体化
コンクリートスラブとデッキプレートを一体化させる役割も果たします。
コンクリート打設時に、スタッドボルトの周囲にコンクリートが流入し、スタッドボルトとデッキプレートが一体化します。
コンクリートスラブに配管や配線を固定
スタッドボルトは、コンクリートスラブに配管や配線を固定する役割も果たします。
コンクリート打設前に、スタッドボルトに配管や配線を固定しておくことで、コンクリート打設後に配管や配線を固定できます。
床仕上げ
デッキプレートは、床仕上げの下地となるとされています。
デッキプレート上にコンクリートスラブを打設し、その上に床仕上げを施します。
そのため、デッキプレーットの形状や厚みによって、床仕上げに影響を与えます。
たとえば、デッキプレートの波形状の凹凸が大きいと床仕上げの厚みが増す可能性があります。
また、デッキプレートの厚みが薄いと床仕上げの強度が低下する可能性もあります。
デッキプレートと床仕上げの組み合わせ
デッキプレートと床仕上げの組み合わせには、以下のような種類が挙げられます。
- デッキプレート+コンクリートスラブ+フローリング
- デッキプレート+コンクリートスラブ+カーペット
- デッキプレート+コンクリートスラブ+タイル
フローリングやカーペット、タイルは、デッキプレート上にコンクリートスラブを打設したあとに施工します。
デッキプレートの形状や厚みに合わせて、床仕上げの厚みや強度を調整する必要があります。
また、デッキプレートには、床仕上げの施工を容易にする機能が備わっているものもあります。
たとえば、デッキプレートに配管や配線を固定するための穴が開いているものがあります。
加えて、床仕上げの水平度を調整するための機能が備わっているものもあります。
S造建築の床にはさまざまな部材が使用されている
部材はそれぞれ異なる役割を果たしており、それらの組み合わせにより、床の性能や仕上がりが異なります。
S造建築の床を設計する際には、これらの部材の役割や組み合わせを理解した上で、用途やデザインに合わせて最適な部材を選ぶことが重要です。
