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建設業界でのデジタルツインとXR活用。どのようなメリットがある!?

国が推し進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、幅広い業種、事業規模が対象となっています。
もちろん建設業界も例外はなく、様々な企業が企画設計、施工、保守管理の様々な領域でデジタル技術の活用に取り組んでいます。

本記事では、建設業界におけるDXのなかでも特に注目されている「デジタルツイン」と「XR(クロスリアリティ)」について解説します。

建設業界における「デジタルツイン」とは

デジタルツインとは、現実と同じ環境や設備、製品を仮想空間で再現する技術です。
まるで双子のような環境で構築できます。
従来は現実でしか行えなかった設計や工事の進捗管理が、
リモートでもリアルタイムで可能になるため劇的な効率化することが期待できます。

デジタルツインとしばしば混同されるのが、3Dで作成したオブジェクトに情報を集約して企画設計から保守管理まで様々な工程で活用する「BIM(Building Information Modeling)」です。
BIMは備品の種類、価格、配置など多様な情報を集約できますが、
デジタルツインではリアルタイムの風向き、人員や機械の稼働状況なども把握できるのが強みです。

また、建設だけなく土木分野でもドローンの空撮で得た地形データをデジタルツインで再現し、
測量プロセスの効率化を図るなどの取り組みも既に行われています。
東京都ではデジタルツインで都内の地下道などを再現し、
リアルタイムの人の流れや交通導線などを計測して施策に役立てる取り組みも進んでいます。

建設、土木、事業者、発注者などでデジタルツインの活用が普及すれば、
工程全体の効率化はもちろん、より付加価値の高い構造物などの建設に役立てられるでしょう。

国土交通省が構築を進める「国土交通デジタルツイン」

国土交通省も「Project PLATEAU(プラトー)」を通じ、デジタルツインの促進を進めています。
防災・防犯やまちづくり、エネルギーなど計6分野で16社が参画してデジタルツインを用いたリアルな仮想空間を利用し、ビジネス活用(民間サービス創出)を図ります。

出典:国土交通省「PLATEAU

建設業界における「XR(クロスリアリティ)」

建設業界 XR

XR(クロスリアリティ)には正式な定義はありませんが、
一般的には「現実にデジタル情報を置き換える、不可する」という意味で使われます。
基本的にVR、MR、ARの総称と覚えておきましょう。

  • VR(virtual reality):「仮想現実」という意味。デジタル映像に入り込んだような体験が可能
  • MR(Mixed Reality):「複合現実」という意味。現実世界の中に仮想空間の情報がまるで本物のように見せる技術
  • AR(Augmented Reality):「拡張現実」という意味。スマートフォンやタブレットを通じて、現実世界にデジタル情報を投影する技術

XRを活用することで、屋内であってもまるで本物のような現場を再現できるため、
より質の高いトレーニングや研修をコストを抑えながら実施しやすくなると考えられます。
また、遠隔操作でロボットや機械を運転する時も、現場の環境を構築することで
より精度の高い工事を実施しやすくなるでしょう。

さらに施工前の建物のイメージも構築できるため、
現実では難しいシミュレーションを繰り返し行うことも可能です。
この場合、BIMや3Dデータと連携させることでより効率的かつ精度の高いシミュレーションを行えると考えられます。

自身のキャリアとデジタル技術を活用できるか考えよう

建設プロセスにおいてデジタル技術を活用できる機会は非常に多く、
施工管理や現場の人員でもツールなどを使用しなければならないシーンが訪れる可能性も考えられます。
また、建設での転職においてもデジタルスキルが有利に働くことも期待できるため、
日頃から自身のキャリアにおいてどのような技術が先行事例で使われるか、確認してみてはいかがでしょうか。