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給水に重要な水圧とゾーニング。配管や継手の特徴を併せて知っておこう

給水器具や給水装置を適切に稼働させるには、必要な水圧の確保が必要です。
また、過大な圧力が加わらないよう、ゾーニングを行う必要もあります。

本記事では給水設備の知識として、給水のための水圧とゾーニング、給水配管・継手についてご紹介します。

給水に必要な水圧

給水には、適正な水圧をかける必要があります。
給水栓、シャワー、洗浄弁、ガス湯沸かし器などの給水器具や装置が機能を果たすには、以下の圧力が必要です。

  • 大便器洗浄弁 70kPa
  • 小便器洗浄弁 70kPa
  • タンクレス便器 30kPa
  • 一般水栓 30kPa
  • 自動水栓 50kPa
  • ポールタップ 30kPa
  • シャワー 70kPa
  • ガス瞬間湯沸かし器4~5号 40kPa
  • ガス瞬間湯沸かし器7~16号 50kPa
  • ガス瞬間湯沸かし器22~30号 80kPa

給水圧力が必要圧力より高すぎると、使用勝手に支障をきたし、給水菅内の流速が早くなってしまいます。
すると、ウォータハンマ(水撃作用)が生じ、配管の騒音や振動の発生、継手部のゆるみや抜けによる漏水につながる可能性があります。
このため、給水圧力は集合住宅、ホテル、病室などでは300kPa以下、事務所建物のなどの一般建物では400~500kPa以下が望ましいとされています。

給水のゾーニング方法

ゾーニングとは、給水系統を区分することです。
高層や超階層の建物では一系統で給水すると、下層階で給水圧力が過大になります。
これが、器具類の機能障害やウォータハンマなどの発生原因になります。
このため、高層建築のケースでは、適切な給水圧力にするとともに、給水系統を盾方向に2系統以上に分けたゾーニングが行われます。

ゾーニングには主に、以下の種類があります。

中間水槽によるゾーニング
中間水槽を設置し、高層系統と低層系統に配管を分けて給水する方法です。

減圧弁によるゾーニング
給水配管の途中に減圧弁を設置し、減圧弁以降の給水圧力を下げる方法です。
一段減圧の場合、ダイヤフラムなどが故障したとき、主弁が開状態になるものを選びましょう。

ポンプ直送方式によるゾーニング
給水配管の途中に減圧弁を設置し、給水する方法です。

給水設備の配管・継手

給水設備で用いる配管と継手には、給水配管に必要な性能規定や管種ごとに特徴や接続方法などが異なります。
給水設備の配管材料は、建設基準法施工令129条の2の5第2項3号によって以下のように規定されています。

  • 当該配管設備から漏水しないもの
  • 当該配管設備から溶出する物質によって汚染されないもの

また、水道管に直接接続された給水配管や直結する給水栓などの給水用具は、水道法によって給水装置として適用されます。
ただし、給水装置の材質は「水が汚染され、又は漏れるおそれがないものであること」と規定されています。

合成樹脂ライニング銅管

合成樹脂ライニング銅管は、「配管用炭素鋼鋼管(SGP)」を原菅としており、その内面に合成樹脂をライニングして鋼管の強度路合成樹脂の耐食性を持っています。
「水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管」や「水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管」などが挙げられます。

地中埋設管は、外面からの腐食を防ぐため、外面も合成樹脂でライニングされた「内外面ライニング鋼管」と「外面樹脂被覆継手」が使用されます。
合成樹脂ライニング鋼管の接合には、管端部が水に触れて腐食しないように、ねじ接合の場合には、管端防食継手を必ず使用します。
大口径間で使用するフランジ付樹脂ライニング鋼管では、配下用炭素鋼鋼管にフランジを溶接加工した上で、鋼管内面とグランジ面に合成樹脂をライニングする前に、水が接する部分にまでライニングします。

管端防食継手を使う際には、以下の点に注意が必要です。

  • 防食部が破損する可能性があるため、継手を過大なトルクで締め込まない
  • 継手は直管と同一メーカーのものを使用する
  • 管端防食継手の再使用は避ける

水圧とゾーニングについて理解を深めよう

適切な給水を行うためには、設備ごとに適した水圧にする必要があります。
そのため、設備ごとに必要な水圧を必ず確認しておきましょう。
また、給水管の特徴についても基本をおさえておくとよいでしょう。