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日本国内の大多数を占めるのが石油アスファルト!製造工程について知っておこう

アスファルトは、道路舗装や屋根材、防水材など、さまざまな用途に用いられる材料です。
日本国内においては、石油アスファルトが大多数を占めています。

本記事では、アスファルトの特徴や石油アスファルトの製造工程などについてご紹介します。

アスファルトの特徴

アスファルトは、原油から得られる黒色の粘性物質です。
主成分は炭化水素でそのほかに窒素、酸素、硫黄などの元素も含まれています。

主な種類には以下が挙げられます。

  • 石油アスファルト
  • 天然アスファルト
  • ストレートアスファルト

石油アスファルト
石油アスファルトは、原油を精製して作られるアスファルトです。
原油の組成は炭化水素が主成分ですが、そのほかに窒素、酸素、硫黄などの元素も含まれています。

天然アスファルト
天然アスファルトは、地中から産出されるアスファルトです。
地表に滲出してきた原油が長年月のうちに軽質分を失い、風雨にさらされ、酸化されてできたものです。
天然アスファルトは、その耐久性や粘着力などの特性から道路舗装や屋根材、防水材など、さまざまな用途に用いられてきました。

ストレートアスファルト
ストレートアスファルトは、石油アスファルトの製造工程で得られるアスファルトです。
低温では固形化し、常温でも粘度が高く、施工が困難です。
そのため、一般的には溶剤抽出や空気酸化などの処理や希釈混合などが行われるとされます。
粘着性や防水性が高く、道路舗装などに用いられることが多いです。

石油アスファルトの製造工程

石油アスファルト

石油アスファルトの製造工程は、蒸留法などが挙げられます。
原油を加熱して重質留分を分離し、さらに減圧してアスファルトを得ます。
原油は、まず脱塩装置で不純物を除去します。

その後、常圧蒸留装置で沸点の差を利用し、ガソリン、灯油、軽油、常圧重質油などに分離します。
常圧重質油は、減圧蒸留装置で減圧してアスファルトを得ます。
減圧することで、アスファルトの粘度を低下させることができます。
原油は産出場ごとに成分などが異なるため、原油の性質によって原油精油の設備、装置の構成を変えます。
一般的に、重質な原油ほど抽出率が高くなるといわれています。

さらに、プロパン、ブタンなどの溶剤を用いた装置を使用し、溶剤脱れきアスファルトが作られます。
溶剤脱れきアスファルトは、ストレートアスファルトに混ぜたり、重油の原料として使用したりされます。

アスファルトはJIS規格で区分されている

アスファルトは、原油の産地や石油の精製方法などにより、性質が異なります。
また、温度の変化によっても特性値が変わってきます。
そのため、建設材料として安定的な品質を確保するため、アスファルトの性質を特定する必要があります。
この特定のために試験が行われ、その結果に基づいて規格されます。

この規格は、JIS規格によって区分されています。
JIS K 2207「石油アスファルト」では、アスファルトの品質を粘度、針入度、軟化点、酸価、硫黄分、水分、沈降物量、粒度分布など、さまざまな項目で規定しています。
日本の舗装用石油アスファルトの規格は、道路用に適した等級に設定されています。
これは、日本道路協会の「舗装設計施工指針」に記載されているといわれています。

日本最古級のアスファルト

現存している日本最古級のアスファルトは、東京・明治神宮外苑の聖徳記念絵画館前通りにあるアスファルト舗装といわれています。
大正15年(1926年)に完成したこのアスファルト舗装は、秋田県産のアスファルトが使用されています。
このアスファルト舗装は、ワービット工法と呼ばれる工法で施工されました。
15cmの粗粒度アスファルトの上に5cmのモルタルを敷きならし、2層を同時に転圧されています。
保存のため、表面をインターロッキングブロック舗装で覆っています。

当時としては最新の技術を用いて施工されたものであり、現在でも良好な状態を保っています。
また、現在では一部を展示用に露出しており、当時の舗装を見ることが可能です。

石油アスファルトは生活に欠かせない材料

石油アスファルトはその耐久性や粘着力などの特性から、さまざまな用途に用いられています。
今後も私たちの生活に欠かせない材料として、その需要は高まっていくでしょう。