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適切なアスファルト選定に必要なこと。試験法について理解しよう

アスファルトは、道路舗装や屋根材などに広く使用されている材料です。
適切なアスファルトを選定するために、その物理特性や性能を把握する必要があります。
そこで、アスファルトの試験法について理解することが重要です。

本記事では、アスファルト選定に必要な試験や混合物の構成と種類などについてご紹介します。

アスファルトの選定に必要な試験

アスファルトの選定に必要な試験は、アスファルトの用途や要求される性能によって異なります。
ここでは、主に行われる必要な試験についてご紹介します。

針入度試験

針入度試験は、アスファルトの硬さを表す試験です。
試験方法は、以下のとおりです。

  1. 試料を直径1.5cm、高さ1.5cmの円柱状に成形する
  2. 試料を25℃に保った恒温槽に入れる
  3. 規定の鋼製針を試料に垂直に押し込み、5秒後に針の貫入深さを測定する

針入度試験の結果は、1/10mm単位で表されます。
針入度が小さいほど、アスファルトが硬いことを意味します。
針入度試験は、アスファルトの選定や品質管理に広く用いられています。

軟化点試験

軟化点試験は、アスファルトの流動性を表す試験です。
試験方法は、以下のとおりです。

  1. 環球上にしたアスファルト上に鋼球を乗せる
  2. 一定の温度勾配で温度を上げる
  3. 所定の距離までアスファルトが垂れ下がる際の温度を測る

軟化点試験の結果は、℃単位で表されます。
軟化点が高いほど、舗装は流動化しにくい特性があります。

伸度試験

伸度試験は、アスファルトの可撓性を表す試験です。
試験方法は、以下のとおりです。

  1. 試料を直径1.5cm、高さ10cmの円柱状に成形する
  2. 試料を25℃に保った恒温槽に入れる
  3. 一定の速度で試料を引き伸ばし、切断されるまでの伸び量を測定する

伸度試験の結果は、%単位で表されます。
伸度が大きいほど、アスファルトは可撓性が高いことを意味します。

アスファルト乳剤と改質アスファルト

アスファルト乳剤と改質アスファルト

ここでは、アスファルト乳剤と改質アスファルトについてご紹介します。

アスファルト乳剤

アスファルト乳剤とは、アスファルトと水を乳化させたものです。
アスファルトは常温では固体ですが、水と乳化させることで液状または半液状の状態に加工できます。

アスファルト乳剤は、主に以下の用途で用いられます。

タックコート
タックコートとは、アスファルト舗装の下層と上層の接着力を高めるために、下層に散布する液体です。
アスファルト乳剤は、タックコートの材料として広く用いられています。

浸透改質
浸透改質とは、アスファルト舗装の下層にアスファルト乳剤を浸透させることで、強度や耐久性を向上させる技術です。

シール材
シール材とは、アスファルト舗装の表面に塗布し、ひび割れや排水性を防止する材料です。
アスファルト乳剤は、シール材の材料として用いられます。

アスファルト乳剤は、アスファルトの流動性を高める効果があります。
そのため、アスファルト舗装の施工性を向上させる効果も期待できます。

改質アスファルト

改質アスファルトとは、アスファルトに改質剤を添加して、物性や性能を向上させたものです。
改質アスファルトは、主に以下の用途で用いられます。

道路舗装
道路舗装の耐久性や耐摩耗性を向上させるために広く用いられています。

排水性舗装・透水性舗装
排水性舗装や透水性舗装の際に用いられることがあります。

改質アスファルトは、アスファルトの物性や性能を向上させる効果が期待できます。
そのため、アスファルトの用途や要求される性能に応じ、適切な改質剤を選択することが重要です。

アスファルト混合物の構成と種類

アスファルト混合物は、アスファルトと骨材を混合して作られた材料です。
骨材は、主に砕石や砂が用いられます。
アスファルト混合物は道路舗装の表層や基層、また屋根材やシール材などに広く用いられています。
主に「常温アスファルト混合物」と「加熱アスファルト混合物」に分けられます。

常温アスファルト混合物

常温アスファルト混合物とは、アスファルトと骨材を常温で混合して作られたアスファルト混合物です。
通常のアスファルト混合物は、アスファルトを加熱して流動性を高めた状態で施工します。
常温アスファルト混合物はアスファルトを常温で使用するため、加熱設備や加熱運搬車などの設備が不要で施工が容易です。

加熱アスファルト混合物

加熱アスファルト混合物とは、アスファルトと骨材を加熱して流動性を高めた状態で混合して作られたアスファルト混合物です。
通常のアスファルト混合物は、アスファルトを加熱して流動性を高めた状態で施工します。
加熱アスファルト混合物は、アスファルトの流動性を高めるために加熱する必要があるため、加熱設備や加熱運搬車などの設備が必要です。

アスファルトは適材適所であることが必要

アスファルトの試験法には、物理特性や性能を測定するさまざまな方法があります。
適切な試験法を選ぶためには、アスファルトの用途や要求される性能を明確にすることが大切です。
また、試験結果を正しく解釈するためにも試験法の原理や限界を理解しておくことが重要です。