橋やダム、堤防などのインフラ施設が本来の役割を果たすためには、
水圧に抵抗し、構造物に作用する外力に十分に抵抗しなくてはいけません。
そのためには、構造物がどんな抵抗をするのか、知る必要があります。
本記事では、インフラ施設に働く力への理解として、構造力学の基本や力の要素などをご紹介します。
構造物に働く「構造力学」
構造物にはさまざまな力が働きます。
力を受けた構造物の内部では抵抗する力が発生し、基礎を通じて力を伝達することで
安定した状態が保たれます。
橋やトンネルなどの形ある構造物をつくる場合は、
そのモノにどんな力が発生しどのような変形をするのか知らなくてはいけません。
これに応えてくれるのが、構造力学です。
構造力学は建築、機械、土木の分野において共通する学問体系で、材料力学や応用力学とも呼ばれます。
構造物と「力」の関係
「力」は直接目にすることはできませんが、モノに力が働けばモノ自体がさまざまに変化します。
たとえば、机の上にあるペンを持ち上げればペンは指と共に移動します。
この時、ペンは移動という変化により「力」が働いていることが分かります。
また、消しゴムなどのやわらかいものは、力を入れるとつぶれたように変化します。
これば「力」を働かせることで、収縮という形の変化が発生しているのです。
モノを移動させたり、形を変化させたりする原因が「力」ということです。
力の表現方法
こうした「力」を説明するには、どうしたらいいのでしょうか。
同じ大きさの力でも、どこに作用するかで変わるため、大きさ以外にも必要な要素があります。
たとえば、リュックを背負う際に、背負い方によって負担が異なることも多いです。
また、同じ重量でも、リュックの形によって負担が変わることもあります。
このため、「力」がどのようなものであるのか説明するには、以下の点が重要です。
- 力の大きさ(大きさ)
- 力が作用した場所(作用点)
- 力が作用する方向(方向)
この3つを決めることで、「力」がどのようなものであるかが確定します。
力の大きさ、作用点、方向の3つの要素は、「力の3要素」と呼ばれます。
図で示すには、作用点を決めておき、始点として作用線を引きます。
力の大きさは作用線の長さで表現できます。
構造力学の基礎知識について知ろう
構造物にはさまざまな力が作用しています。
構造物にどのような力が発生し、どんな変形を知るためには、構造力学が大切です。
構造力学の基礎となる「力」は、理解しやすいので、知っておいてはいかがでしょうか。