Menu

建設機械業界と経済。どのような関係にある?

建設機械業界は、地域ごとに市場の大きさやポテンシャルが異なります。
また、経済とも大きな関係があるとされています。

本記事では、建設機械の市況と景気の関係、新型コロナウイルスの影響についご紹介します。

建設機械と経済の関係

建設機械の市況は、マクロ経済動向に連動しているとされます。
景気後退時には建設の公共投資が増えることもありますが、世界的に見ると民間投資の割合が高まっています。
株価指数と名目GDPの動きは一致しないこともありますが、ほとんどの場面で一致しています。
このため、景気に連動するとされています。

建設機械の出荷金額と資源価格

国内の建設機械メーカーの出荷金額は、資源価格と大きな関係があるとされています。
資源価格が上がっている時は、鉱山開発業者にとって売上を増加させるチャンスです。
採掘が活発になることから、建設機械の需要も高まります。

「世界経済の体温計」と呼ばれている銅価格は、ロンドン金属取引所(LME)の先物価格で確認すると、2020年の3ヶ月先物が6,173US$/tと2017年の水準まで戻っています。
また、2019年から世界的な金融緩和が行われており、資金が商品市場に向かい始めたため、銅の方が建設機械よりも回復が早いとされています。
今後は脱炭素化により石炭の需要は減少しますが、鉱山機械の需要は堅いと予想されます。

建設機械と新型コロナウイルス

建設機械は、新型コロナウイルスの影響は比較的軽微だったといわれています。
日本建設機械工業会によると、国内メーカーの出荷額の約35%が油圧ショベル、約14%がミニショベルであり、2つの製品で約半分を占めます。
生産金額は油圧ショベルが1台当たり約1,000万円、ミニショベルが約250万円です。
生産台数時代はミニショベルが増加傾向にあり、約1.5倍となっています。

2020年に新型コロナウイルスが感染拡大しましたが、国内向けの油圧ショベルやミニショベルはあまり影響を受けなかったとされます。
出荷台数は前年度比で微増となりましたが、海外向けは落ち込みました。
2021年度は国内向けの油圧ショベルが約27,600台、海外向けが約108,100台となっています。
ミニショベルは、国内向けが約30,200台、海外向けが約113,600台と増加が予想されています。

出典:一般社団法人「日本建設機械工業会

建設投資との関係

建設投資は、新型コロナウイルスの感染拡大の悪影響を受けた分野とされます。
建設投資とは、有形固定資産のうち、建物や建築物に対する投資のことです。
2010年度をピークに減少傾向でしたが、東日本大震災からの復興によって回復傾向にあります。
また、今後も国土強靭化、都市再開発、リニア中央新幹線などがあり、需要が見込まれています。

建設機械業界と経済には大きな関りがある

建設機械業界はマクロ経済動向と連動しているとされ、景気に影響されます。
2020年からは新型コロナウイルスの感染拡大という予想しがたい事態が起こりましたが、建設機械業界では影響は比較的軽微だったとされます。
今後も建設機械業界は、経済に大きな影響を受けると考えられているので、注目していきましょう。