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地盤の液状化と長周期振動への理解を深めよう!対策はできる?

地盤の液状化が起こると、家や電柱が傾いたり、地盤の亀裂が起こったり、さまざまな問題が起こります。
現在、そうした液状化現象への対策が進んでいます。

本記事では、建設業界の技術革新の1つとして、地盤リスクとその対策についてご紹介します。

地盤の液状化

液状化とは、地震の際に地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象です。
通常、地盤は固体として振る舞うものですが、地震の際には地盤の一部が水分と空隙の割合が高い状態になり、その地盤が液体のように振る舞うことがあります。
液状化が起こると地盤の支持力が急激に低下し、建物や構造物が沈下、傾斜、崩壊する危険性が生じます。
液状化は特に、地震時の振動が地盤の液状化を引き起こすことで起こりやすくなります。

液状化への対策

液状化の対策として挙げられるのが、地盤改良工事です。
ただし、地盤改良工事は建物が建っている状態では、工事が困難という問題があります。

そのため、以下の工法がとられることがあります。

硬質ウレタン注入工法
建物の基礎下にウレタン樹脂を圧入する工法です。

アンダーピニング工法
地盤に杭を打ち込んで建物の基礎からジャッキアップする工法です。

出典:東京都都市整備局市街地建築部「建物を液状化被害から守ろう。

長周期振動への理解

長周期振動は、地震や他の振動源によって引き起こされる低周波数の振動を指します。
通常、地震によって引き起こされる高周波振動とは異なり、長周期振動は数秒から数十秒以上の周期を持ちます。
地震計の発展とともにその存在と性質が研究されるようになり、特に高層建築物が増えた近年は防災の観点からも対策が重要となっています。
長周期振動は、高層建築物に大きな被害を与えることがあります。
高層建築物は、低い建物に比べて固有周期が長いため、長周期振動の影響を受けやすいのです。
長周期振動により、高層建築物は大きく揺れ、倒壊する危険性があります。

長周期振動による被害を軽減するためには、建物の構造を強化したり、制震装置を設置したりなどの対策が必要です。
また、長周期振動の発生を予測し、避難計画を策定することも重要です。
地震リスクの高い地域では、地震時の長周期振動を評価するための地震動規模や地盤特性の調査も大切です。
区分所有マンションでは、対策工事の合意形成を円滑できるように国の支援制度があります。

液状化現象と長周期振動を理解しよう

液状化とは、地震などの振動エネルギーによって地盤中の土砂が液体のように振る舞う現象です。
また、地震による被害は液状化だけでなく、長周期振動も挙げられます。
特に高層建築物が増えた近年は、防災の観点からも対策が重要となっています。
どちらの危険性についても理解し、適切な対策を行うことが大切です。