中古車市場では、日本メーカーの建設機械は人気があるとされています。
しかし、近年では中国メーカーとの競争が激しくなっているといわれています。
本記事では、建設機械業界の事業環境として、中古建設機械の状況、建設機械のレンタル市場についてご紹介します。
中古建設機械の状況
2020年の油圧ショベルの輸出台数は、2010年と比較すると新車も中古車も減少しています。
特に中古車が大きく減少しました。
油圧ショベルの主な輸出先はアジアとなっています。
一方で、ミニショベルの輸出台数は2010年と比較すると、新車・中古車ともに増加しています。
ミニショベルも主な輸出先はアジアとなっています。
オークションの形式
中古建設機械のオークションでは、海外からのバイヤーも参加しています。
形式は主に以下の3つの形式があります。
パレードオークション
競りの間に最も高い金額を提示した参加者が落札する形式です。
会場で実際に動く機械を見ながら、参加者が番号札を上げて競います。
テンダーオークション
最低入札価格以上の金額を入札し、開催期間内の入札のうち、最も高い価格で入札した参加者が落札する形式です。
会場入札とオンライン入札ができます。
途中の入札価格は非公開となり、開催期間内に最高金額をつけた者が落札者となります。
パレードオークションと同時開催または単独開催されます。
インターネットオークション
競り上がりの状況が画面上に表示され、オークション終了までに最も高い金額を提示した参加者が落札する形式です。
リアルタイムで競りの動きを見られるため、値動きを見ながら入札できます。
2020年からは新型コロナウイルス感染拡大の影響などもあり、インターネットオークションが多く開催されています。
建設機械のレンタル市場
日本国内のレンタル市場は成長を続けていますが、大手4社による寡占化が進んでいるといわれています。
業界全体を見ると利益率自体は低下傾向にあり、今後は再編が続くと考えられます。
特定サービス産業動態統計調査によると、2020年のレンタル土木・建設機械の売上高は1兆1,634億円でした。
この数値は1990年から約2.4倍拡大しています。
また、欧米の先進国でもレンタル市場が拡大しているとされます。
新興国はまだそこまで大きな市場ではありませんが、日本の大手レンタル会社は2015年ごろから東南アジア、中国、オーストラリアなどに現地法人を設立しました。
また、日本の総合メーカーも国内外のレンタル事業に注目し始めています。
出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」
業界の競争が激化
レンタルは、ユーザーにとっては必要な時に必要な分だけ借りることが可能なので、費用を抑えられるのが大きなメリットです。
通常、機械を購入すると、購入代金に加えて税金や保険、保守・管理費用、保管場所代などが必要です。
しかし、レンタルであれば、こうした固定費は変動費へと変えることが可能です。
一方レンタル会社は、需要変動のリスクを負います。
国内の建設投資が伸び悩む中、数千社のプレーヤーがいるので、営業利益率の圧迫が懸念されます。
また、収益源となっていた中古車販売で、中国メーカーの新車や中古車が競合してきたことも懸念事項の1つといわれています。
これまでは、大手レンタル会社は地方の会社を傘下に入れることでシェアを拡大してきましたが、業界再編は続くと考えられてきました。
競争力をつけるためには、ラインナップの拡充や機械を長く保たせること、部品調達の効率化が求められています。
中古建設機械のレンタル市場を知ろう
近年、中古建設機械のレンタル需要は増えており、高い伸び率を維持しています。
ただし、競合が増えてきているため、レンタル会社は競争力をつけるのにラインナップの増加や部品調達を効率化するなど、他社との差別化が求められています。