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東京と千葉をつなぐ東京湾アクアラインの誕生!構造や開通効果について知ろう

東京湾アクアラインは東京湾を横断する有料道路ですが、どのような構造になっているのでしょうか。
本記事では、東京湾アクアラインの構造や開通効果についてご紹介します。

東京湾アクアラインの構造

ここでは、東京湾アクアラインの構造についてご紹介します。

浮島換気所

浮島換気所は、東京湾アクアラインの海底トンネルの換気設備です。
換気所にはファンが設置されており、トンネル内の空気を排出しています。
シードル発信基地である立杭および換気塔とシードルトンネルが海底部につくまでの約700mの斜路盛土部から構成されています。

トンネル

頻繁に船が通る川崎側は、約10kmの海底トンネルで構成されています。
最も深い部分は海面下約60mといわれています。
トンネルの直径は約13.9mで、広い路肩や車道床版下道路などの防災システムで完備されています。

風の塔

風の塔は、東京湾アクアラインの海底トンネルの換気設備です。
トンネル内の空気を排気するための大塔と外から空気を送気するための小塔がそびえ立っています。
船舶からの視認性に優れた青と白のストライプが特徴です。
サンドコンパクションパイル工法などによって地盤改良が行われ、その後で土留めや護岸、足場になる鋼製ジャケットなどが設置されました。
その鋼製ジャケットの間に地中連続壁が施工され、内側に人工島本体のコンクリート構造物が造られています。

海ほたる

東京湾アクアラインの海上部に位置するパーキングエリアです。
道路がトンネルから橋に移り変わるために造られました。
海ほたるにはレストラン、ショップ、展望台、展望ホール、展望デッキなどがあり、東京湾の美しい景色を楽しむことができます。
シールドトンネルが海底につくまでの斜路盛土および立坑と橋梁部までの平坦部盛土から構成されます。

橋梁

東京湾アクアラインは、世界最長の海上吊り橋と海底トンネルの複合構造の道路です。
沖合部橋梁の下部工は鋼製橋梁を海上で輸送し、クレーン船を用いて設置されました。
浅瀬にある橋梁の下部工は、鉄筋コンクリート製となっています。
上部工は鋼床版箱桁形式であり、工場で組み立てた後で水深に応じた異なる施工方法が特徴です。
さらに、耐震性と走行性の向上を考慮し、多径間連続化を図るために9~11径間という大規模な連続桁構造で構成されています。

出典:国土交通省「平成22年度 全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)一般交通量調査 集計表

東京湾アクアラインの開通効果

この20年間で東京湾アクアラインを約1.8億台、6億人が利用したといわれています。
そして、東京湾アクアラインの開通により東京・神奈川~千葉間の走行距離が大きく短縮されました。
木更津JCT~羽田空港の所要時間は、湾岸ルートが約86km・約65分なのに対し、アクアラインルートは約26km・約29分と約68%短縮されています。
また、高速バスの発着地点が大きく拡大したことから、高速バスの便数が約4倍に増加しました。
東京アクアラインの千葉側出口付近である木更津市では、都心への通勤圏が拡大したこともあり、人口が増加して小学校が33年ぶりに新設されました。
さらに、災害時などに複数ルートの選択が可能になることから、首都圏の高速道路ネットワークの機能強化にもつながっています。

東京湾アクアラインについて知ろう

東京湾アクアラインは東京と千葉を結んでおり、首都高速湾岸線と館山自動車道を接続しています。
その建設には、最先端の技術が駆使されました。
日本における土木工事の一大プロジェクトであり、日本の技術力の高さを世界に示すことができました。
土木施工管理職として働いていれば、このようなプロジェクトに携わる機会が巡ってくるかもしれません。