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消防施設工事の種類を紹介!他の専門工事との違いも併せて覚えよう

消防施設工事は、29種類ある建設業の1つです。
消防設備は、火災などが起こった際に必要となる重要な設備です。

本記事では、消防施設工事に携わりたい方のために、消防施設工事の概要や種類、他の工事との違いについてご紹介します。
また消防施設工事の建設業許可を取得するために必要な要件のうち、「管理責任者」および「専任技術者」になるための条件についても併せてご紹介します。

消防施設工事とは

消防施設工事とは、火災警報設備や消火設備、避難設備もしくは消火活動に必要な設備を設置・取り付けする工事です。
以下のような工事が、該当します。

  • 屋内消火栓設置工事
  • スプリンクラー設置工事
  • 水噴霧/泡/不燃性ガス/蒸発性液体または粉末による消火設備工事
  • 屋外消火栓設置工事
  • 動力消防ポンプ設置工事
  • 火災報知設備工事
  • 漏電火災警報器設置工事
  • 非常警報設備工事
  • 金属製避難はしご/救助袋/緩降機/避難橋または排煙設備の設置工事

「金属製避難はしご」は火災時などの緊急時に、使用する組み立て式のはしごです。
こちらは、ビルの外壁に取り付ける避難階段などは該当しません。
固定された避難階段などを設置する工事は、「建築一式工事」または「鋼構造物工事」となります。

出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)

消防施設工事の種類

消防施設工事

消防施設工事の種類について、以下で詳しく紹介していきます。

屋内消火栓設置工事
建物の屋内に、消火栓を設置する工事です。

スプリンクラー設置工事
建物などへスプリンクラー設備を設置する工事です。

水噴霧/泡/不燃性ガス/蒸発性液体または粉末による消火設備工事
水噴霧/泡/不燃性ガス/蒸発性液体または粉末で、消火を行う設備を設置する工事です。
また、二酸化炭素噴射設備を取り付ける工事も該当します。

屋外消火栓設置工事
建物の屋外に、消火栓を取り付ける工事です。

動力消防ポンプ設置工事
建物の屋外に、動力消防ポンプを取り付ける工事です。

火災報知設備工事
建物に、火災報知設備を取り付ける工事です。

漏電火災警報器設置工事
建物に、漏電火災警報器を取り付ける工事です。

非常警報設備工事
建物に非常ベルや自動サイレン、非常包装設備などの非常警報設備を取り付ける工事です。

金属製避難はしご/救助袋/緩降機/避難橋または排煙設備の設置工事
建物の火災時に使用する金属製組み立て式のはしごや救助袋、緩衝機、避難橋または排煙設備など、避難するために必要な設備を取り付ける工事です。

管理責任者になる条件

消防施設工事を行うための「建設業許可」を取得するには、以下4つの要件を満たし、かつ欠格要因に該当しないことが条件です。

  • 経営業務の管理責任者等の設置(建設業法施行規則第7条第1号)
  • 専任技術者の設置(建設業法第7条第2号、同法第15条第2号)
  • 誠実性(法第7条第3号)
  • 財産的基礎等(法第7条第4号、同法第15条第3号)
  • 欠格要件(建設業法第8条、同法第17条(準用))

引用:国土交通省「許可の要件

ここで1つ目の「経営業務の管理責任者等の設置」における管理責任者とは、常勤役員のうちの一人が以下のどれか一つに当てはまっていることが条件です。

  • 建設業において経営業務の管理責任者として5年以上の経験がある
  • 建設業において経営業務の管理責任者としての職に就いており5年以上の経験がある
  • 建設業において経営業務の管理責任者としての職に就いている者を6年以上補助した経験がある
  • 建設業において役員等に2年以上就き、役員または役員に次ぐ立場として5年以上の業務経験を持っている、または役員等を補佐する業務を5年以上経験している
  • 他業種で5年以上の役員経験があり、かつ建設業において2年以上の役員経験がある

管理責任者となれるのは常勤の者に限ります。
該当する者を許可を得るためだけに一時的に就いてもらい、許可を得たと同時に在籍させなくすると、建設業法違反として罰則の対象になる場合があります。

専任技術者になる条件

消防施設工事を行うための「建設業許可」を得るために必要なことの一つに「専任技術者の設置」が挙げられます。
専任技術者になるためには、携わる消防施設工事が「一般建設業」か「特定建設業」により条件が異なります。

「一般建築業」の場合は、以下のどれかを満たせば専任技術者として認められます。

  • 高校で指定された学科を履修し卒業後5年以上または大卒後3年以上の実務経験がある
  • 指定の専門学校を卒業し5年以上の実務経験がある、または専門学校卒業後に3年以上の実務経験があり、専門士または高度専門士の資格を持っている
  • 許可を得る対象の工事の種類において10年以上の実務経験がある
  • 建設業法で定められた国家資格「甲種消防設備士」「乙種消防設備士」「登録消火設備基幹技能者」のどれかを所持している
  • 建設業法で定められた複数業種において実務経験がある

一方で「特定建設業」の場合は以下のどれかを満たせば専任技術者として認められます。

  • 建設業法で定められた「甲種消防設備士」「乙種消防設備士」「登録消火設備基幹技能者」のどれかを所持している
  • 指導監督的実務経験がある
  • 過去に特別認定講習を受けて合格した、または国土交通大臣が定める考査に合格した

管理責任者と同様に、専任技術者も申請元の営業所に常勤している必要があります。

出典:国土交通省「許可基準の見直しについて
出典:国土交通省「許可の要件
出典:国土交通省「建築業法に基づく適正な施工体制と配置技術者

消防施設工事は人命にも関わる工事

消防設備工事は、消火設備や警報設備、避難設備など、火災など万が一のことが起こっても被害が最小限になるような消火設備を取り付ける工事です。
人命や建築物を守るとても重要な工事のため、概要や内容、建築物に合った適切な消火設備を提案できるようにしておきましょう。