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雨の日の建設現場について知っておきたいこと。どのような工事が影響する?

建設現場は外での作業が多いため、どうしても天候に左右されることが多いです。
作業中に雨が降ってくることも珍しくありません。
また、雨によって作業自体が中止になってしまう工事もあります。

本記事では、雨が影響する工事や雨の日の対処方法などをご紹介します。

雨が影響する工事

建設現場では少しの雨程度であれば作業を続行したり、雨でもできる作業をしたりするのが一般的です。
しかし、工事によっては雨で作業ができなくなる可能性もあります。
ここでは、雨が降ると基本的に中止となる工事についてご紹介します。

コンクリート打設工事

コンクリート打設中に雨が降ると完成品の品質に影響を及ぼす可能性があるため、中止になることが多いです。
生コンで重要なのが、水とセメントの比率とされています。
この比率によって強度が異なってくるため、雨が降ると水分量が多くなり計算が狂ってしまいます。
コンクリートの強度品質が保てなくなる可能性があるため、強い雨の日には中止となります。

塗装・左官工事

外壁の塗装工事や左官工事なども、強い雨が降ると中止になります。
雨が降ると仕上がりに影響が出てしまう可能性があるためです。
屋外での作業は中止になりますが、屋内の塗装・左官工事は雨でも作業が可能なため、そちらに切り替えるケースもあります。

掘削工事

掘削工事は、基礎工事の一つで穴を開ける作業を行います。
雨が降ると穴の中に雨水が溜まってしまい、作業が困難になります。
また地盤が緩くなり土砂災害の恐れがあったり、土をトラックで運ぶ際に道路が大きく汚れたりなども中止の理由です。

屋根工事

屋根工事の際に強い雨が降ると、作業員に危険が及ぶため中止になります。
濡れた場所での高所作業は滑りやすく、墜落などの危険性が高くなるとされています。

事前にできる雨対策

天気予報などで事前に雨が降ると予測できた場合、事前に対策をとることができます。
ここでは、工事段階ごとに行う雨対策についてご紹介します。

基礎工事中の対策

コンクリート打設前は、基本的に養生などの雨対策は不要とされています。
基礎部分に使う鉄筋が錆びる可能性がありますが、鉄筋が錆びてもコンクリートにより馴染むとされているため特に対策は必要ありません、
ただし、コンクリート打設後に強い雨が降った場合、アンカーボルトの錆び具合は確認しましょう。
基本的にアンカーボルトには錆び止め加工が施されていますが、長時間雨が続くと錆びが生じることがあるためです。

上棟前の対策

上棟前には、1階部分の床下が濡れないようにブルーシートで養生しましょう。
床下部分の床下地合板は雨が染み込みにくい仕組みですが、雨が乾燥したあと膨らんだり波打ったりする可能性があります。
念のため、雨のあとは床下地合板に変形がないか確認する必要があるでしょう。

上棟後の対策

上棟後は、基本的に雨対策が不要とされています。
ただし防水工事をしていなかったり、湿った状態が長期間続いたりすると、カビなどの原因となります。
そのため、工事再開時に木材の含水率を確認することがあります。
工事可能な含水率は20%以下とされているため、事前に確認しましょう。

外壁工事後の対策

外壁工事後は、基本的に雨の養生は不要とされています。
ただし、工事を再開する際に床下や室内に雨水の浸入がないか確認しましょう。
床下などに雨水が侵入していると、乾燥しにくく、カビの原因となってしまう可能性があります。

雨の日の養生が大事な理由

水に濡れたコンクリート

雨の日の養生が大切なのは、コンクリートの品質に影響を及ぼさないためです。
たとえば、土間コンクリートの打設中に雨が降った場合はどうなるのでしょうか。
土間コンクリート打設は、コンクリート打設後に施工した表面をきれいに均す作業です。
この作業中に雨が降ると、きれいに仕上げた表面に雨の跡がついてしまいます。
表面にボツボツした跡が残ってしまったり、白くなったりして見た目にも良くありません。
そのため、雨の日には養生が大切となります。

適度な水分は必要

雨の日の養生は大切ですが、コンクリートが乾燥するのを防ぐためにも適度な水分は大切とされています。
たとえば、夏の暑さでコンクリート中の水分が蒸発したり、冬に乾燥したりで水とセメントの比率が崩れてしまう可能性があります。
そうすると、コンクリートが思ったような強度にならないケースも出てくるのです。
そうならないためにも、コンクリート打設後に適度に散水などを行い、ブルーシートで養生するなどの作業を行います。
適度な雨が降ればこの散水作業が不要になるため、恵みの雨となる可能性があることを知っておきましょう。

雨が影響する工事について知っておこう

強い雨や風がない限り多くの工事は続行されますが、中には品質に影響してしまうためどうしても行えない工事もあります。
特にコンクリート打設中の強い雨は、コンクリートの含水率に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
天気予報などで事前に雨予報が分かれば、対策をしっかり行いましょう。