電気通信工事施工管理技士職などは、電気設備の概算容量について知っておく必要があります。
これらは電気設備計画に必要なデータのため、意味を理解しておきたいところです。
本記事では、建築電気設備の実務計算前に知っておきたい、電気設備の概算容量についてご紹介します。
「建物用途別負荷容量の算定」と「電気関係諸室のスペース算定」
電気設備には、それぞれ概算容量が定められています。
ここでは、「建物用途別負荷容量の算定」と「電気関係諸室のスペース算定」について解説します。
建物用途別負荷容量の算定
以下の建物用途別負荷容量の算定を行います。
- 電灯コンセント/動力負荷概算容量の算定
- 延べ面積による負荷設備の概算容量の算定
これらは、「一般社団法人 電気設備学会」と「一般社団法人 日本電設工業協会」が年度ごとに電気設備データベース「D&Dデータ」として蓄積しているので、最新データを使用しましょう。
電気関係諸室のスペース算
電気関係諸室のスペース算定では、以下の2点の算定をします。
その他の概算容量
ここでは、その他の電気設備の概算容量についてご紹介します。
分電盤の受持面積
- 1面の受持面積はその階の床面積を300〜700㎡程度にする
- 分電盤から端末負荷まで最大30m程度の距離にして、電圧降下を小さくする
電話用端子盤の受持面積
- 端子盤は半径20m以内に1面程度にする
- 端子盤から20m以上の配管になる際には、途中に配線の改修工事が行いやすいようにボックスを設置する
光アクセス装置の設置面積
光ファイバーを引き込む場合、光アクセス装置の設置面積は、収容回線数に応じる。
また、通信会社と協議する。
中央監視室・防災センター
ビルの規模が大きくなると、設備機器の監視制御点数が多くなる。
コンピュータによるコントロールシステムと防災監視システムの中枢機関には、中央監視室と防災センターを同じスペースにすると機能的で経済的である。
また、一般的に位置は避難階、2階または1階にし、消防車の停まる位置から30m以内にする。
電話交換機械室および中継台室
- 電話交換機はキャビネット内に収納する。
延べ面積が3,000㎡以下の場合は事務所に設置する
- 交換手が必要な際は専用の中継台室を設置する
電気設備関連コスト
ビルの計画、設計、運用においては、常にコスト感覚を失わないことが重要です。
建設工事費に占める電気設備工事費の割合
電気設備工事費は建設工事費全体に対して、以下の割合が推奨されています。
- 大規模事務所ビル(10,000~45,000㎡) 約11.5%
- 中規模事務所ビル(5,000~10,000㎡) 約11.5%
- 病院(2,000~20,000㎡) 約12.3%
- 学校棟別(2,000~20,000㎡) 約9.4%
- 店舗・スーパー(8,000~35,000㎡) 約11.8%
- アパート・マンション(10,000~40,000㎡) 約8.5%
さらに、維持管理費用なども必要です。
電気設備の概算容量について知ろう
電気設備は、設備ごとに容量が定められています。
それぞれ計算方法がありますので、基本的なことを知っておきましょう。