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巻尺の1つ「スチールテープ」について解説!選び方や使用方法を知ろう

建設現場で用いられる道具の中に「スチールテープ」が存在します。
建築物を建設するうえで重要な道具であり、現場では重宝されています。

本記事では、スチールテープの概要から種類、選び方、使い方について紹介します。

スチールテープとは

建設工事の現場などで用いられるスチール製の距離測定用の巻き尺です。
通常のスケールやメジャーでは5メートル程度までしか測量できませんが、
スチールテープでは30mや50m、100mなどの長距離を図るときに用いられます。

長距離を測定する巻き尺として、多くの人は学校などで用いられるガラス繊維素材の巻き尺を想像されるかもしれません。
これらの巻き尺は柔らかく伸縮性があるため、測量の精度が落ちるというデメリットがあります。

一方、スチール製の巻き尺の場合、ガラス繊維よりも伸縮性が小さいため、より正確に測量できるのが特徴です。

トータルステーションとの比較

スチールテープ以外の距離を測量できる機器として、トータルステーションが挙げられます。

トータルステーションでは計測する目標地点にレーザー光を照射し、
反射される光から目標地点までの距離を測定します。
つまり、スチールテープよりも素早く距離を測定でき、またその精度も高いとされています。

しかし、トータルステーションは非常に高価であり、安くとも30万以上から
精度の高いハイエンドモデルになると200万円近くする製品もあります。

こうした点から、全ての現場にトータルステーションを配備するのは現実的ではなく、
建設工事の現場ではスチールテープを用いることが一般的です。

スチールテープの種類①:張力の異なるスチールテープ

ひとえにスチールテープと言っても様々な製品が販売されており、
使用する現場によって適したスチールテープが用いられます。
例えば、同じスチールテープでも張力の違いによって明確に区別されています。

スチールテープで測量を行う際、2人が測量開始地点と目標地点に立ち、
テープが緩まないよう互いに引っ張りながら測量します。
この時、いくらスチール製といえど、強い力で引っ張られると、ある程度の伸びが生じてしまいます。

そのため、スチールテープではあらかじめ引っ張られることによる伸びを考慮して「標準張力」が設定されています。

スチールテープごとに標準張力は異なり、異なる種類として販売されていますので注意しましょう。

スチールテープの種類②:ステンレス製

また、スチールテープの中には、ステンレスを素材にした製品も販売されています。

そもそもスチールとは通常の鉄から炭素の含有量を減らした金属であり、鉄よりも強度が高いのが特徴です。
一方、ステンレスはスチールにニッケルやクロムなどを加えた合金であり、錆びに強いという特徴があります。

そのため、ステンレス製のスチールテープは、通常の製品に比べて錆びにくい特性を持っています。

スチールテープの選び方

工事現場ではまだまだ使用されるスチールテープですが、販売されている製品は多く細かい規格が異なります。
ここでは、スチールテープの選び方について紹介していきます。

選び方①:どのような現場で使用するのか

スチールテープごとの種類によって異なる特徴があるため、
どのような現場で使用するのかを考慮するのも良いでしょう。

例えば、降水量が多く、水にぬれた現場で使用することを考慮するのであれば
錆びにくいステンレス製のスチールテープがおすすめです。

また、どの程度の長さを測量するのかによってスチールテープの選び方は異なります。
30m程度を測量する場合、100mまで測れる大きなスチールテープを購入する必要はありません。

選び方②:作業員の使い勝手を考慮する

スチールテープを選ぶ際には、作業員の使いやすさを考慮するのも重要です。
スチールテープは製品によって張力や幅、厚さなど細かい違いがありますが
それらによって価格が大きく異なることはありません。

しかし、どれが使いやすいのかは作業員によって異なります。

仮に、作業員が使いにくいと感じるスチールテープであれば、測量の精度が落ちるだけでなく
工事全体の効率も下がる恐れがあります。
そのため、現場で従事する作業員の意見を聞き入れて、スチールテープを選ぶのも良いでしょう。

スチールテープの使用方法

スチールテープ

ここでは、スチールテープの使用方法について見ていきましょう。
スチールテープを使用する際は、2人の作業員が協力して距離を測定します。

  1. 1人の作業員が始点を抑える
  2. もう1人の作業員がスチールテープを伸ばしながら、目的地点まで引っ張る
  3. 目的地点まで引っ張った作業員がテープに記された数字を読み距離を測定する

この時、スチールテープに緩みが存在していた場合、精度の高い測定ができないため
作業員が互いに強く引っ張り合います。

作業員2人の協力と経験が無ければ、精度の高い測定ができないため注意して行いましょう。

スチールテープを適切に扱い、間違いなく測定しよう

安全な建築物を建設する上で、精度の高い測定を行うのは非常に重要です。
そのため、引っ張っても誤差が生まれにくいスチールテープは建設現場には欠かせません。
また、スチールテープを使用する場合、作業員2人が重要な役割を担います。
しっかりと協力し合わなければ、精度の高い測定を実現することが出来ないため注意が必要です。