「トラフィカビリティ」という単語を聞いたことはあるでしょうか?
トラフィカビリティは、地面を建設機械が走行できるかどうかを判断する際に用いられますが、具体的にどんな数値なのでしょうか。
本記事では、トラフィカビリティの概要や測定方法などをご紹介します。
トラフィカビリティとは
トラフィカビリティは、建設工事を行う際、地面を建設機械が走行するのに耐えられるかを表す数値です。
測定には、コーンペネトロメーターという機器が使われます。
コーンペネトロメータで測定した数値は「コーン指数qc」といい、大きいほど走行しやすいとされています。
数値が小さい場合には、車両を走行させる時に幅広の三角シュー履帯や低圧タイヤなどが用いられることが多いです。
ポータブルコーン貫入試験機の種類
ポータブルコーン貫入試験機は、コーン貫入抵抗値を測るための機械です。
この機械により、地盤の地層構成や厚さ、厚さの分布状況、強度、粘性などが分かります。
機械には大きく分けて「単管式」と「二重管式」があります。
種類1:単管式
単管式は、コーン貫入抵抗にロッド周辺の摩擦を加えて測る方式です。
外径が約16㎜、長さが約50㎝のロッドを継ぎ足して計測を行います。
ロッドには10㎝ごとの目盛があり、どれだけ貫入したのかをミリ単位で測定できます。
ロッド周辺の摩擦抵抗力も含めるため、貫入するのは3~5mが限界とされています。
それ以上計測する場合は、二重管式が用いられます。
種類2:二重管式
二重管式は、ロッド周辺の摩擦を除いてコーン貫入抵抗を計測する機械です。
外管は外径約22㎜、内管は約16㎜、長さ50㎝のロッドを継ぎ足しながら計測します。
先端シュー付きのロッドは約40㎝が一般的です。
深い位置まで測りたい場合は、二重管式がより正確に計測することができるとされています。
トラフィカビリティの測定方法

トラフィカビリティを測るためには、主に以下の手順で行います。
- 機器を組み立てる
- 機器を垂直に立てる
- ダイヤルゲージを合わせる
- 地面に貫入する
- 10㎝間隔で貫入する
- ダイヤルゲージの値を記録する
- 最終の深さにまで達したら引き上げを行う
- 試験場所の近くで2回以上測定を行う
- 平均値を出す
- コーン貫入抵抗の計算を行う
1.機器を組み立てる
まずはポータブルコーン貫入試験機を正しく組み立てます。
先端のコーンをロッドにゆるみがないように接続します。
2.機器を垂直に立てる
ポータブルコーン貫入試験機を地面に対して垂直に立てます。
地面に対して垂直でないと、正しい測定ができないためです。
3.ダイヤルゲージを合わせる
ポータブルコーン貫入試験機のダイヤルゲージの大指針を0に合わせます。
4.地面に貫入する
ポータブルコーン貫入試験機を毎秒1cmの速度で、地面に貫入させます。
衝撃がかからないように注意しながら、垂直に力を加えていきましょう。
5.10㎝感覚で貫入する
ポータブルコーン貫入試験機はロッドに刻まれた10㎝感覚の刻み線を見ながら貫入します。
10㎝の線まで貫入したら一時停止しましょう。
6.ダイヤルゲージの値を記録する
10㎝貫入したら、ダイヤルゲージの値を読みます。
この数値が重要なため、動かないように注意しながら数値を読み取ります。
7.最終の深さにまで達したら引き上げを行う
最終の深さにまで達したら、機械を引き上げましょう。
8.試験場所の近くで2回以上測定を行う
最初に試験を行った場所の近くで、2回以上測定を行いましょう。
地盤の状態によって誤差が出るケースもあるためです。
9.平均値を出す
2回以上計測した結果をもとに、平均値を計算します。
10.コーン貫入抵抗の計算を行う
平均値をもとにコーン貫入抵抗を計算します。
トラフィカビリティについて知っておこう
トラフィカビリティは、建設機械が安全に走行できるかを判断するための大切な情報です。
正しい試験の方法を知っておくことが大切です。