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鉱山で活躍する無人運行ダンプトラック。ICTの土木工事への関与と併せて解説

鉱山の採掘現場で利用が進んでいる無人運行ダンプトラックは、ICT建機を代表するものです。
また、土木工事ではさまざまなICTの活用が期待されています。

本記事では、建設機械施工管理職の方が知っておきたい無人運行ダンプトラックの概要とICT建機と土木工事の関連性についてご紹介します。

「無人運行ダンプトラック」の特徴とメリット

無人運行ダンプトラックとは、ICT建機の1つであり、
鉱山開発の採掘現場において無人で運行をするダンプトラックです。
無人運行ダンプトラックには、ドライバーシートはありません。

日本の建設機械メーカーであるコマツが開発したダンプトラックは、
遠隔地にあるコントロールセンターからダンプトラックの走行コースや速度を指示しています。

また、日立建機は自立走行ダンプトラックによる作業を開始しており、
鉄道技術を活かした制御システムによって無人運行を実現しています。
ダンプトラック以外の車両や機械も走行する道路を障害物を避けて走行することが可能です。
舗装されていない悪路をダンプトラックが自律的に車体を安定させ、走行させる機能も装備されています。

メリット

無人運行ダンプトラックには、次のようなメリットがあります。

  • 過酷な労働環境で働くオペレーター人員の削減
  • オペレーションミスによる事故の防止
  • 周辺作業員の安全の確保
  • メンテナンス費用と燃料費の低減、排出CO2の低減

作業しやすい現場は掘り付くされてしまったため、現在の採掘現場は危険な場所に移っています。
無人運行ダンプトラックは、危険を伴う採掘現場での人員確保の問題を解消します。
また、危険な場所での運搬作業を担うことにより、労働者の安全性も高めるといったメリットもあります。
さらに、オペレーションシステムによって運行速度も最適化されているため、
省エネ効果や排出するCO2の削減効果も得られます。

ICTと土木工事

ドローン

土木工事は、ICTを活用することによって設計や施工期間の短縮が期待される分野です。
測量時には、ドローンやレーザースキャナーを活用し、測量データを専用ソフトによって処理をすれば、
短い時間で精度の高い3次元の画像を作成することができます。
また、インフラが整備されてから一定の時間が経ち、多くの建築物の老朽化が進んでいることから
現在は新設工事よりも維持修理工事の割合が高まっています。
点検工事の際にロボットを活用して大量の点検データを記録し、3次元モデルと写真、点検データをリンクさせる取り組みも始まっています。

ICTがもたらす可能性

今後、土木工事には維持修理工事や災害対応のニーズが増加すると想定される中、
ICTはより重要性を増すと考えられています。
点検ロボットは、橋梁やトンネルなどの目視・打音検査などの支援・代替を実現します。
また、災害対応においては災害状況の調査や土砂などの計測、土砂崩落等の応急復旧、排水作業の応急対応が期待されています。
災害時のICT建機の活用は、作業員の安全性を確保しながら被害の迅速な把握と復旧を可能にします。

出典:国立研究開発法人土木研究所「インフラ維持管理へのロボット導入推進について

土木工事におけるICT建機の活用は今後ますます加速

無人運行ダンプトラックは、オペレーターの人員不足を解消するだけでなく、
過酷な労働環境における労働者の安全性を高め、作業全体の生産性の向上を実現します。
また、土木工事の分野においては、今後もますますICT建機の活用が期待されています。