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インフラ施設の地盤となる土。土質調査などの基本知識を身につけよう

橋やダム、トンネルなどのインフラ施設は、土や岩で構成されている地盤上に存在しています。
インフラ施設を作るためには、地盤がどのように構造物に支持するか、
急傾斜の斜面をどうやって安定化するのかという知識も必要です。
また、土の性質に関する理解も必要でしょう。

本記事では、インフラ施設の主な地盤となる「土」について
地盤の概要や条件、荷重の地盤への伝達、土質調査の仕方をご紹介します。

「土」の基本と地盤条件

自然材料である土や岩で成り立っている地盤や堤防は、
土の種類や粒子の大きさ、土に含まれている空気や水分量などによって性質が異なります。
インフラ構造物を作る際には、地盤がどれだけの荷重まで安定的に支持できるか確認する必要があります。
土と構造物の力学的な関係を扱う際には、土や岩の物理的性質を解析します。
また、インフラ構造物の設計や施工に応用される土質力学、土質工学、岩盤工学などの知識も必要です。

地盤条件

岩盤や砂利などのしっかりした地盤では、
構造物を直接地盤上に置くだけでも十分安定した建物を建てることが可能です。
一方で、やわらかい堆積土の水底や水辺などやわらかい地盤では、
橋脚や建物などの支持力を確保するための杭が必要です。
たとえば、日本では中世に自重の大きな建造物である石垣を備えた城郭が建設されました。
大きな自重を支えるにはより強固な地盤が必要なため、
城郭の多くは地盤の固い場所を選んで建設されています。
地盤条件は、構造物の立地を選定するための重要な要件です。
さらに、地盤に接する建物の基礎構造も、安定的な支持を受けるために配慮を必要とします。

荷重の地盤への伝達

土木構造物のうち、橋の場合は両端や橋台で橋脚や橋桁を支えることで、荷重を地盤に伝達します。
橋脚の材料は、鉄筋コンクリートが使われることが多いです。
都市部の高架道路や複雑に交差している箇所では、鋼製の橋脚が使われるケースもあります。

橋脚の構造は梁、柱、フーチングや基礎で構成されており、
フーチングが地盤を接する基礎構造部分です。
橋台を構成しているパラペットや堅壁、ウイングは土留障壁の輪クワイを持っており、
橋脚の柱と同様に荷重をフーチングから地盤に伝達します。
地盤が強固であれば、フーチングが地盤上に載っただけの直接基礎が採用されるケースもあります。
地盤が軟弱な場合は、杭やケーソンの基礎が用いられます。

土質調査の仕方

土質調査

基礎を支える土や地盤は、土の性質や地盤の形状によって大きく変化します。
この基礎構造の支え方を考えるには、地盤の調査が必要です。
土質調査では、基礎の計画や設計の前に基礎や設置される地層の配列順序や分布の状態、
各地層を構成している土の物理・力学的な性質の調査が行われます。
また、ボーリング調査を用いるのが一般的です。
設置場所の地盤の土サンプルを取り出したり、固さの調査を行ったりします。
加えて、サンプルは分析試験を行います。

土の性質

土は、土の粒子や水、空気の集合体です。
構造材としての土は、鋼やコンクリートなどとは異なり、
力が加わっても、力に応じた変形が規則的には発生しません。
土を構造材として考えると、擁壁などに作用する土の圧力や支持力を知ることが必要です。
さらに、時間の経過と共に発生する盛土や埋め立て土の圧密や地盤沈下なども考えなくてはいけません。

土の性質や地盤について理解を深めよう

構造物が安定した状態を保つためには、地盤についてしっかり理解・調査する必要があります。
また、地盤を理解するには、土の性質についても知っておかなくてはいけません。
すべての構造物の基本となる部分ですので、ぜひ知識を身につけてみてはいかがでしょうか。