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堤防や護岸などの河川構造物の特徴。水の基本と併せて解説

日本の川は、長さが短く勾配が急なものもあります。
また、世界の平均年間降水量よりも多いため、急流河川によって洪水や土石流などの災害が発生しやすいとされています。

本記事では、堤防や護岸などの河川構造物についてご紹介します。

日本の河川

日本の河川は、傾斜が急で険しい地形と急勾配なことが多く洪水や土砂災害を起こしやすいため、
堤防や護岸などの河川構造物の作り方もこの特徴に合わせています。
日本列島の細かな地表面の形は、複雑な集水域を作りだしました。
雨水は急勾配の河川を流下することから、降った雨は比較的短時間で海に達します。
時間をかけて海にたどり着く勾配の緩い大陸諸国の河川と比べ、
水を地上に留める保水能力や浸透能力が小さいのも特徴の一つです。

堤防の特徴

堤防は川筋を固定し、洪水による氾濫を防止することを目的として作られます。
堤防には、以下の種類があります。

  • 本堤
  • 横堤
  • 背割堤
  • 導流堤
  • 霞堤
  • 輪中堤

本堤
川に沿って連続的に築かれている堤防です。
本堤を保護する小規模の堤防を副堤や控え堤といいます。

横堤
本堤から川の中心側に向けて直角に突き出して築かれるものです。
洪水の際に、川の流れに抵抗して流速を落とす目的もあります。

背割堤
川の合流する場所で下流に向けて伸びる堤防です。
合流した2つの流れを分けることで、逆流を防ぐ役割があります。

導流堤
川の中や河口付近に設けられる堤防です。
流れの方向をコントロールするために設けられます。

霞堤
本堤防の後ろに、断続的な重なりを持たせて築かれる堤防です。
堤防が連続していないことで、増水時に堤内側に逆流させて流れを緩めたり
氾濫した水を川へ早く戻したりする役目を持っています。

輪中堤
人の住んでいる集落や耕地の周りに囲いを設けたリング状の堤防で、
木曽三川の下流域の濃尾平野などに設けられています。

護岸の役割

護岸は、堤防の表面を植生やコンクロートブロックで覆ったりコンクリート枠で補強したりして
堤防本体を直接保護・補強するために設けられます。
また、護岸にかかる水流や波の圧力を低下させる方法を組み合わせます。
水流や波の力を減少させる方法ですが、川の場合は水制工、海の場合は消波工と呼ばれます。
いずれも水の運動エネルギーを吸収し、堤防や岸壁に作用する力を減少することが目的です。

水の基本的な性質

堤防

川を流れる水に対し、水槽や池、貯水池などに貯められている水は動きがなく、静止状態にあります。
そのため、摩擦は作用せずに圧力のみが働き、圧力は水深に比例します。
圧力は水面では0ですが、深くなるのに従い一時的に増加する三角形の分布になります。
水槽の壁に穴をあけた時、浅い所の水よりも深い所の穴から出る水の方が勢いは強くなりますが、
これは水深の水圧の違いをそのまま表しています。

流速と流量

川の流れは、水の性質や水路の条件などによって複雑に変化します。
水に粘性があり、川底や側壁付近では流れが遅く、川の中央部では速くなる傾向にあります。
洪水時の水の流れは時間と共に変化し、河口付近では潮の影響も受けるので複雑な動きをするのです。

川の流れと波速

水路の流れを見ると、さまざまな流れがあるのが分かります。
水深が比較的浅く速度の速い流れは「射流」、深い水深にありゆっくりした流れは「常流」と呼ばれます。

堤防や護岸などの特徴を知ろう

堤防や護岸などの河川構造物は、河川の特徴と密接な関係があります。
堤防にはいくつかの種類があり、川の形や水の流れに合わせて作られます。
それぞれ目的が異なるので、種類や特徴について知っておきましょう。