Menu

河川環境の悪化に伴う水辺空間の整備。多自然の考え方とは!?

高度経済成長期には、都市化の進展によって生活排水や下水の流入などが起こり
河川環境が大きく悪化しました。
本記事では、高度経済成長期に悪化した河川の整備・回復などについてご紹介します。

河川環境の悪化に対する意識変化

日本では、都市人口が増加した高度経済成長期に生活排水や下水が流入することにより、
河川環境が大きく変化しました。
また、コンクリートによって固められた護岸は川の構造を変化させており、
自然そのままの河川空間は次第になくなってしまいました。
その過程で川と共に生きてきた地域の風土や文化も忘れられるようになり、
人々が身近に感じてきた川の魅力は失われてしまったのです。
人々が親しみ、子供の遊び場としても使われていた川辺は危険な場所となり、
日常生活から隔離されるものとなりました。

自然を活かした川づくり

近年では、自然を活かした川づくりが行われています。
この概念は1980年代の中頃から日本で取り入れられ、
「近自然的な河川づくり」と呼ばれる技術の中に組み込まれました。

日本では「近自然」と「多自然」という2つの方法のうち、多自然が事業の名称として使われました。
「多自然」は自然が多いというわけではなく、自然の捉え方が自由であるという意味です。
生物が生きる河川の多様な自然環境を保全、復元することで、良好な自然景観の保全や創造が目的です。

ドイツで生まれた概念:ビオトープ

ビオトープは、生物の生息場所を意味しています。
都市化や産業活用によって動植物の生息条件が変わってしまうと、生物が住みにくくなってしまいます。
そこで、生息環境を人為的に再構成して作り出した生物の生息場所のことをビオトープと呼びます。

ビオトープは、まちづくりにおける河川、道路、公園、緑地などの整備において、
生物の多様性を維持するために注目されました。
そして、さまざまなビオトープが検討され、実際に施工されるようになったのです。
ビオトープづくりは、生物が暮らす環境に配慮した公園整備や道路整備、河川整備など
行政主体の事業と共に、市民などの人々が参加する活動にまで広がりをみせました。

日本における水辺空間の整備について知ろう

日本は高度経済成長期に生活排水や下水が流水することなどにより、河川環境が大きく悪化しました。
その後、自然環境の悪化や生き物の減少が指摘され、緊急に保護するための整備が進みました。
その一つがビオトープであり、さまざまな場所で実際に施工されていることを知っておきましょう。