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スーパー堤防とは?通常の防波堤との違いについて知ろう

スーパー堤防は、通常の防波堤よりも耐久性が高い防波堤とされています。
東日本大震災において多数の防波堤が破壊または越波したことから、防波堤の見直しも行われています。

本記事では、防波堤の概要やスーパー堤防についてご紹介します。

防波堤の役割

防波堤とは、外洋からの波を防ぐために海中に設置された構造物を指します。
その目的は、波浪などの際に湾内を安静に保つことや、津波や高潮の被害から陸を守ること、海岸の侵食を防ぐことなどが挙げられます。
堤防と同様に細長い形状を持ち、港湾を守るように陸域から海中に向かって、または海中に築造されます。

防波堤の歴史

近代的な防波堤技術が開発されてからは、波浪で破壊されることは少なくなりました。
しかし、2011年の東日本大震災では2008年建設の釜石港湾口防波堤が津波によって破壊されました。

防波堤の種類

防波堤には、さまざまな種類があります。
その中でも、代表的なものは以下のとおりです。

捨石式傾斜堤

海底に石を積み上げて造る防波堤です。
古くから用いられている最も一般的な防波堤の形態です。
傾斜堤とは台形上に成形したもので、波浪があまり強くなく、水深の浅い湾港などで主に採用されます。

捨ブロック式傾斜堤

コンクリートブロックによる防波堤です。

直立防波堤

コンクリートや鋼鉄で造られた垂直な壁状の防波堤です。
波を反射し、港湾内の波浪を減衰させます。
海中で支持するには、強固な海底地盤が必要です。
そのため、海底地盤の置き換えや改良が必要になります。

混成堤

捨石防波堤と直立防波堤を組み合わせた防波堤です。
捨石防波堤のコスト削減と直立防波堤の耐久性向上を両立させることができます。

消波ブロック被覆堤

コンクリート製の消波ブロックを積み上げて造る防波堤です。
堤体前面に消波ブロックを設置し、波のエネルギーを吸収して港湾内の波浪を減衰させます。

スーパー堤防の特徴

スーパー堤防とは、どんな洪水が発生しても壊れることのないとされる幅の広い堤防です。
従来の堤防よりも幅が広いため、洪水時の水圧を分散させ、堤防の破堤を防ぐことができます。
また、地震による液状化現象にも強いため、従来の堤防よりも安全な洪水対策として期待されています。
現在、全国各地でスーパー堤防の整備が進められています。
しかし、費用が非常に高額であるため、整備のペースは遅れています。

災害対策にはスーパー防波堤が必要

スーパー防波堤は、防波堤では防ぎきれない災害から命を守るためのものです。
全国にはスーパー防波堤が必要な場所が数多くありますが、まだまだ設置が間に合っていません。
今後は、費用面の課題などをどのようにクリアしながら、少しでも早く必要な場所にスーパー防波堤を設置できるかが大きなポイントになるといえるでしょう。