Menu

準大手ゼネコンの事業領域と戦略。各社の特徴を知っておこう

建設業界において、大手ゼネコンに次ぐ規模を誇るのが準大手ゼネコンです。
近年は多様化するニーズに対応するため、事業領域の拡大や新たな技術の開発など、積極的な取り組みを進めています。

本記事では、準大手ゼネコンの動きや戦略についてご紹介します。

躍進した準大手ゼネコンの共通点

近年、躍進した準大手ゼネコンには、以下の共通点があります。

事業領域の拡大

大手ゼネコンに比べて事業領域が幅広いことが、準大手ゼネコンの強みの一つです。
近年は、海外進出や新技術の開発など、新たな事業分野への進出を積極的に進めています。

地域密着型の強み

準大手ゼネコンは、大手ゼネコンに比べて地域密着型の強みを有しています。
地域のニーズを把握した提案や地元企業との連携などを通じて、地域の発展に貢献しています。

ESG経営の推進

ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進も躍進した準大手ゼネコンの特徴とされています。
環境に配慮した工法の開発や地域社会への貢献などを通じて、社会課題の解決に取り組んでいます。

ゼネコンの調達

ゼネコンの調達とは、ゼネコンが工事を行うために必要な資材や労務を調達する業務です。
これは工事費を抑制し、工事の品質や安全性を向上させるために重要な役割を果たしています。

エンジニアリング調達

ゼネコンのエンジニアリング調達とは、ゼネコンが工事を行うために必要な機械や設備などのエンジニアリング製品を調達する業務です。
エンジニアリング調達は、工事の品質や安全性、工期の短縮を実現するために重要な役割があります。
ゼネコンのエンジニアリング調達は、主に以下の3つのステップで行われるのが一般的です。

1.調達計画の策定
ゼネコンは、工事の前にエンジニアリング調達計画を策定します。
エンジニアリング調達計画では、必要な機械や設備の種類や数量、納期などを明確にします。

2.調達の実施
調達計画に基づいて、機械や設備の調達を行います。
調達では、メーカーや販売店から見積もりを取り、最適な価格で調達します。

3.調達の管理
調達の実施後、調達した機械や設備が計画通りに納品されているか、品質や安全性の適正を管理します。

準大手ゼネコンの生き残り戦略

施工管理職の男性

ここでは、競争の激しい準大手ゼネコンの生き残り戦略についてご紹介します。

デジタル化
デジタル化とは、ITやAIなどのデジタル技術を活用して、業務効率化や経営の高度化を図ることです。
準大手ゼネコンは大手ゼネコンに比べて規模が小さいため、デジタル化を積極的に推進することで、競争力を高めて生き残りを図れると考えられています。
デジタル化を活用することで、新たなビジネスの創出が可能になります。
たとえば、BIMを活用した設計・施工の受託やIoTを活用したリモート監視などのビジネスが考えられます。

独自のビジネスモデル
独自のビジネスモデルを構築することで、生き残りをかけている企業もいます。

具体的な戦略事例

長谷工コーポレーション
長谷工はマンション事業を主力としていますが、近年は、戸建住宅事業や介護事業など、新たな事業分野への進出を積極的に進めているようです。
また、独自の「特命受注方式」を取り入れています。
これは、長谷工が自社で仕入れた土地情報を事業者に知らせ、提案営業を行う方式です。
自社で仕入れた情報を基にプランを作成し、デベロッパーに対して提案営業を行います。
そして、自ら仕入れた土地情報を事業者に持ち込み、プランとともに提案営業を行う受注方式です。
また、マンション事業において、「ゼネコン」の枠にとどまらず「デベロッパー」としての面もあります。
この特命受注方式は、長谷工のデベロッパーとしての強みを活かした独自の受注方式です。

五洋建設
五洋建設株式会社は、海洋土木(マリコン)を強みとした会社です。
近年では、土木や建築なども行っていますが、マリコンというイメージは強いままです。
こうした自社にしかないノウハウを蓄積することで、生き残りをかけている会社もあります。

フジタ
準大手ゼネコンは大手ゼネコンに比べて規模が小さいため、国内市場では競争が激しく、生き残ることが困難となっています。
そのため海外事業を強化することで、新たな成長の機会を創出することが重要です。
たとえば株式会社フジタでは、業界内でもいち早く海外事業に進出したとされています。
南米、中国、東南アジアなどをはじめとして、インドや中東、アフリカなどにも拠点を持っています。
海外で長年蓄積したノウハウや人材と、日本ならではの高度な技術とサービスを提供することで、高い評価を得ています。

組織図から見えること

準大手ゼネコンは、大手ゼネコンに比べて事業領域が幅広いのが特徴です。
そのため組織図では、事業領域ごとの部門や部署が設けられていることが多くなっています。
物流やエネルギーなどの用途や領域別に再編する動きも出ているとされ、全方位型の経営方針からの転換を図っています。
また、新規事業部門もただ「流行に合わせる」だけでなく、明確にテーマ設定を行う企業も増えてきました。
これには、国内事業が頭打ちになっており、新しいビジネスモデルを立ち上げなくてはいけないという意識が各社にあります。

準大手ゼネコン戦略を知ろう

準大手ゼネコンは大手ゼネコンに比べて事業領域が幅広く、地域密着型の強みを持つ企業が多いのが特徴です。
近年は、海外進出や新技術の開発など、新たな成長戦略を打ち出している企業も増えています。
各社の特徴を理解することで、準大手ゼネコンの事業展開や今後の展望をより深く理解することができるでしょう。