Menu

S造建築の階段の構造。ポイントを解説

S造建築の階段は、鉄骨の柱や梁で構成されますが、その構造にはいくつかのポイントがあります。
階段の強度や耐久性を高めるためには、柱や梁の配置や構造を適切に設計することが重要です。

本記事では、S造建築の階段についてご紹介します。

S造建築の階段の構造

S造建築の階段の構造は、大きく分けて以下の2つに分けられます。

直線階段
直線階段は、最もシンプルな構造の階段です。
柱や梁を直線に配置して、階段を支えます。

曲線階段
曲線階段は、直線階段に比べて複雑な構造になります。
柱や梁を曲線に配置して、階段を支えます。

どちらの構造の階段でも、柱や梁の配置や構造を適切に設計することが重要です。

柱や梁の配置

柱や梁の配置は、階段の強度に大きく影響します。
柱や梁を適切な間隔で配置することで、階段の強度を高めることができます。

階段の段板を支える側桁とは

階段の段板を支える側桁とは、階段の両側にある斜めの板のことです。
段板や蹴込み板を差し込んで固定し、階段の強度や耐久性を高める役割があります。
側桁は、大きく分けて以下の2種類に分けられます。

通し側桁

通し側桁は、階段の両端から始点まで、1本の板でつながっている側桁です。
最も一般的な側桁の形式です。
ささら桁階段に比べて、強度が高い傾向があります。
また、段板と側桁が密着しているため、防音性が高い傾向があります。
ただし、ささら桁階段に比べて施工が複雑なため、コストが高くなる傾向があります。

ささら桁

ささら桁は、階段の踏み板の幅に合わせて、短い板を連続して並べた側桁です。
蹴込み板がない階段によく用いられます。
ささら桁階段は、通し側桁階段に比べて施工が簡単なため、コストを抑えて階段を設置できます。

また、シンプルながらもデザイン性の高い階段を実現することができます。
ただし、通し側桁階段に比べて強度が低い傾向があります。
そのため、多くの人が利用する階段や、重量物の荷重を受ける階段には適していません。

側桁の材質

側桁の材質は、鉄骨や木材など、さまざまなものがあります。
鉄骨は強度や耐久性に優れているため、公共施設や商業施設など多くの人が利用する階段によく用いられます。
木材は温かみのある雰囲気を演出できるため、住宅や店舗など個人的な空間の階段によく用いられます。

側桁の施工方法

組み立て溶接を行ったあとに、隅肉溶接を行います。
組み立て溶接で全体を組み立て、調整後に本溶接が行われます。
段板と側桁、段板と段板は隅肉溶接で留めます。
通常溶接で行われることが多いですが、小さい階段の場合は断続溶接を行う場合もあります。
搬入が困難な場所では、現場で溶接して階段が作られることもあります。

階段を建物に留める方法

穴を空けた鋼板や山形鋼を梁や柱に溶接します。
その後、側桁を高力ボルトなどで留めます。
下に梁がない場合は、コンクリートに埋め込んだボルトに上から通すか、鋼板を埋め込んで横からしっかりと留めます。

また、柱に留める場合は、柱にガセットプレートなどを溶接します。
強度が足りない場合は、小さい鋼板を追加します。

階段部分の梁の構造

S造建築の階段部分の梁は、階段の荷重を支える役割を担っています。
階段の形状や荷重により、梁の形状や配置が異なります。

一般的に、階段の梁は以下の2つのタイプに分けられます。

直梁
直梁は、階段の両端から始点まで、1本の梁でつながっている梁です。
最も一般的とされる梁の形式です。

曲梁
曲梁は、階段の曲線に合わせて曲がっている梁です。
直梁に比べて、複雑な形状になります。

また、階段の荷重が大きくなる場合、梁を2重に配置することもあります。
階段部分の梁の施工は、階段の形状や荷重によって異なります。
直梁の場合は階段の両端に柱を立て、その上に梁を固定します。
曲梁の場合は階段の曲線に合わせ、梁を曲げて固定します。
階段部分の梁は、階段の強度や耐久性を高める重要なパーツです。

手すりの設置方法

手すり

S造建築の階段の手すりは、階段の側面に設置される安全性やデザイン性を高めるパーツです。
手すりの材質は鉄骨や木材など、さまざまなものがあります。

手すりの高さの決め方

S造建築の階段の手すりの高さは建築基準法で、以下のとおりに定められています。
踊り場や上階の床部分では1,100mm以上

この高さは、大人でも手を伸ばさなくてもつかめる高さとなっており、転落を防止する効果があります。
階段部分の高さの規定はなく、一般的に900mm程度の高さの手すりがつけられてることが多いです。
壁で囲まれた階段の場合は、一般的には750mm程度とされています。

S造建築の階段の構造上のポイントを理解しよう

S造建築の階段は、構造上、いくつかのポイントに注意する必要があります。
これらのポイントを理解し、適切な設計や施工を行うことで、安全性や耐久性の高い階段を実現できるでしょう。