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束石の役割と種類とは!?設置工事の手順を紹介

構造物を安定させる資材は複数ありますが、束石もその1つです。
束石自体にもさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。
では一体、どのようなシーンで束石が使われるのでしょうか。

本記事では、束石の概要や種類、設置工事の手順などをご紹介します。

束石とは

束石(つかいし)とは、床束を載せて安定させる役割を持った資材です。
床束は、床の重量を地面に伝える柱を指します。
木製の柱は湿気に弱いため、水分を含むと腐食するリスクがあります。
さらに柱だと設置面積が小さいため、沈み込む可能性が考えられます。
こうした問題を解決するために、束石が用いられます。

現在では技術の進歩により、建物の基礎部分よりも以下の例で使われることが多くなっています。

ウッドデッキの基礎
ウッドデッキは独立基礎という方法がとられていることが多いです。
独立基礎とは、柱ごとに基礎石を置き、個別に柱を支える構造を指します。
比較的手軽に作れるため、DIYなどで作る方もいます。
外に設置されているウッドデッキは風雨にさらされるだけでなく、
地面からの湿気で腐食しやすい部分です。
そのため、束石などで補強する必要があります。

カーポートの柱の埋め込み部分
カーポートの柱は細いため、設置面積が小さくなります。
そのまま設置すると柱が沈み込む可能性があるため、束石が必要です。
ただし、束石部分が地面から出ていると危険とされており、
基礎の穴を掘ってその中に束石を埋め込む方法がとられることが多いです。

ブロック工事の地中の使用
ブロック工事の基礎工事に使用する方法です。
ブロック工事は、コンクリートブロックを積み上げたあと
フェンスを設置するため、基礎工事がとても重要です。
地中に使用する際には砕石を敷き、転圧して強固な路盤を作ったあと充分な厚さまで充填します。

束石の役割と種類

束石は、一般的には木造建築の床下部分に、一定の間隔で配置されます。
床束を束石に載せることで、木製の柱を地面の水分から遠ざけることができます。
さらに設置面積を広げるのにも役立ちます。
もともとは、石で作られていましたが、現在ではコンクリート製が主流です。

束石の種類

ここでは、束石の種類についてご紹介します。

羽子板付束石
羽子板付束石は、束石の上部にプレートがついたものです。
床束を載せたとき、ビス等で固定できます。
羽子板が付いていない場合、柱の重さによって固定力を得るものになります。

コンクリートブロック
束石だけでなく、多目的に使われるのがコンクリートブロックです。
コストが安いため、手軽に利用することができます。
また穴部分にモルタルを入れることで、強度を増すことも可能です。

ピンコロ
ピンコロは、コンクリートの四角いブロックです。
束石以外にも使用されることがあります。

平板
平板はコンクリートでできた板です。
平らなため設置面積が広く、柔らかい地盤でも沈み込みにくいのが特徴です。

穴あき束石
穴あき束石は、床束などの穴にはめることで固定できる束石を指します。
ただし、穴部分に水がたまると、柱の腐食につながる可能性があります。
そのため、水が抜けるための穴が設けられているものもあります。

束石の設置工事

束石の設置工事

ここでは、一般的な束石の設置工事の手順についてご紹介します。

工事手順1:水盛り遣り方を作る

水平の印をつけ、建物の周りにめぐらす板と杭を設置する作業です。
水盛りは、水平を出す作業を指します。
レーザーはもちろん、水を使って水平を出すこともできます。
バケツに水を入れ、水平になるかどうかと高さを計測します。

遣り方は、水盛りで水杭という水平を出す仮設の杭に墨付けを行い、
水貫と呼ばれる板を墨に合わせて固定した囲いのことです。
建物の角1つに対して、2枚の水貫を固定します。

工事手順2:基礎作業を行う

束石を設置したい場所に穴を掘ります。
穴を掘ったあと、砕石を敷いたり、しっかり叩いたりなど、地盤を固める工事が必要なケースもあります。
また束石が沈み込まないように、モルタルやコンクリートを流し込んで補強する方法もあります。
モルタルやコンクリートは地盤補強のために使用されます。
流し込んだあとは乾くまで放置します。

工事手順3:束石を設置する

モルタルやコンクリートを流し込んだ場合、しっかりと固まっていることを確認します。
問題なければ束石を設置します。
束石を置く際には、水平をしっかり取ることが大切です。
水平器を使いながら水平に設置します。
またゴムハンマーなどを使い、束石を叩きながら、高さを調整します。
他の束石より低い場合は、束石を持ち上げ、モルタルなどを入れて高さの調整を行います。

束石の役割と種類を知ろう

束石は昔から使用されている技術の1つで、建物を支える役割を担っています。
昔は石を設置していましたが、現在ではコンクリート製が主流です。
また住宅の基礎に使われることは少なくなり、ウッドデッキなどの設置がメインとなります。
束石にはさまざまな種類がありますので、それぞれの特徴と役割を理解しておきましょう。