建設業界において、施工管理は長らく男性中心の仕事とされてきましたが、現在は女性にも大きく門戸が開かれています。では、女性が施工管理を選ぶことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、施工管理の仕事に向いている女性とは、どのようなタイプなのかも気になるところです。
この記事では、女性が施工管理を仕事として選ぶメリットと向いている女性の特徴のほか、仕事の就き方について解説します。
女性でも施工管理になれる?
人手不足が叫ばれる建設業界において、女性でも施工管理になることは可能です。女性活躍に関しては官民一体となって、今後女性が建設業界で働き、定着できる取り組みを推進しています。具体的には、働きやすい環境の整備や、建設DXによる生産性向上などがあります。
実際に、建設DXによって下記のような生産性向上も報告されています。
<建設DXによる生産性向上の成果>
・施工管理の労働時間を1人当たり1日3時間短縮、19時までには退社可能に
・全データのクラウド化でテレワークを実現可能に
出典:一般社団法人日本建築材料協会「けんざい Vol.277 女性の活躍における業務のデジタル化、DX化の必要性」
ただし、国土交通省が公表した「令和6年度 建設産業における女性定着促進に関する実態等調査結果(アンケート調査)」によれば、施工管理を含む女性技術者は、全体の約10%です。また管理職総数における女性割合は4%に過ぎません。
建設DX推進によって施工管理の仕事が省力化し、柔軟で働きやすい環境が整備されていけば、女性の施工管理が活躍できる場はますます広がっていくことはいうまでもありません。
女性が施工管理を選ぶメリット

女性が施工管理の仕事を選ぶと、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、女性が施工管理を選ぶメリットを解説します。
未経験・未資格でも挑戦できる
施工管理は「施工管理技士」という国家資格を持つ人が多いものの、すべての人に保有義務があるわけではないため、未経験で資格を持っていない女性にとってもチャレンジしやすい仕事です。
近年は、建設業界全体の中でも施工管理の慢性的な人手不足が続いており、各社が入社後研修や教育、資格取得支援制度を充実させています。そのため、初心者の女性でも安心して仕事を選ぶことができるのです。
産休・育休を取っても仕事を続けられる
建設業界では国の旗振りもあって、女性の働きやすい環境づくりに力を入れる企業が増加しています。産休・育休制度の充実もそのひとつです。また、時短勤務やリモートワークの普及も進んでいます。
また、一度施工管理として働き、資格を取得したり経験を積んだりすれば、経験者として重宝されます。産休や育休を取得しても仕事を辞める必要がなく、職場復帰や転職もしやすくなるでしょう。産休や育休を取ったとしても、施工管理として安定的に仕事が続けられるはずです。
高い収入が得られる
施工管理の全国平均年収は、厚生労働省の職業提供サイト「jobtag」によれば632.8万円です。これは勤務先の規模などによって異なるものの、日本人女性の平均的な年収帯よりは高い仕事といえるでしょう。
さらに施工管理は、資格取得や経験を積めば、未経験の女性でも年収アップが期待できる仕事です。現在は人材不足な上に需要も高止まりしている状況のため、手に職をつければ、仕事に困ることはないといえます。
女性の視点が重宝される
女性ならではの視点や感性のほか、細やかな気配りやコミュニケーション能力は、これからの建設業界で重視されていくことでしょう。
施工管理においても、現場の安全管理や品質管理のほか、さまざまな立場の関係者とのやりとりにおいて、男性が見落としたり配慮できなかったりすることに目が行き届くかもしれません。女性の視点が、今後の施工管理の仕事に新しい価値を生み出す可能性もあります。
建設業界的に女性の参入が歓迎されている
建設業界において、女性が活躍できるようにすることは喫緊の課題です。2025年3月には、国土交通省をはじめ官民一体で「建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画」が策定されました。
この計画の中では、女性の活躍に向けて次のようなことが定められています。
<建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画のポイント>
・建設産業の魅力向上・発信
・働きやすい現場の実現
・女性活躍・定着促進に向けた取組の裾野拡大
具体的には、仕事と家庭の両立ができる環境の整備や女性専用トイレ・更衣室の職場整備のほか、女性でも扱いやすい機械・工具類の開発などが挙げられます。
今後も施工管理をはじめとした仕事における女性の活躍や定着に向けて、さまざまな取り組みが行われていくのは間違いありません。
施工管理に向いている女性の特徴

施工管理には、どのような女性が向いているのでしょうか。ここでは、施工管理に向く女性の特徴を解説します。
マルチタスクが得意
マルチタスクが得意な女性は、施工管理に向いているといえます。施工管理の仕事は、後述する4大管理のように多岐にわたり、同時に複数の業務を並行して進める必要があるからです。
マルチタスクの向き不向きと性別には、直接的な関係はありません。しかし、優先順位を判断しながらてきぱきとタスクを進めるのが得意な女性にとっては、男性向きと思われがちな施工管理の仕事に適しているといえるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高く、さまざまな人と話すのが得意な女性も、施工管理向きです。これは、施工管理が職人や協力業者のほか、発注者や設計者などのさまざまな立場の人と関わるのが理由です。
相手の立場を尊重して話を聞いたり、コミュニケーションで現場の雰囲気を和らげたりできる女性は、施工管理として現場において重宝されるはずです。
細かな点に気づくことができる
施工管理には、細かな違いや変化に気づくことができる女性が適しているといえるでしょう。建設現場では、図面の寸法や材料の品質などに関するわずかな見落としが、大きなトラブルに発展する可能性があります。細部への注意深い観察力はトラブルの防止につながります。
また、豊かな感受性を持っている女性の場合、現場の関係者のちょっとした変化や異常に気づくことができる可能性もあります。現場のコミュニケーション活性化だけでなく、安全管理に大きな貢献ができるかもしれません。
論理的に物事を考えられる
論理的に物事を考えられる女性は、施工管理の仕事向きといえるでしょう。「論理的思考は男性のほうが得意」といったイメージを持たれることがあるものの、それに科学的な根拠はありません。女性の中にもロジカルな考え方を持っていて、問題解決が得意な方はたくさんいます。
施工管理は工程表に従って計画的かつ効率的に進める仕事のため、論理的思考力が求められます。論理的な考え方ができる女性なら、トラブルが発生しても冷静に対処できるでしょう。また、さまざまな関係者に対しては、ロジカルな説明が効果を発揮するはずです。
物怖じしない
さまざまな立場や年齢の関係者が出入りする建設現場では、どんな相手でも物怖じせず、時にはしっかりと主張するといったコミュニケーションを取れる方が施工管理として適任といえます。それは、女性であっても同様です。
男性が多い建設現場において、女性の施工管理は絶対数としてはまだ少なく、経験が浅い場合、立場や意見について軽く見られることもあるかもしれません。男性に対して臆することなく接することができる女性は、むしろ一目置かれる可能性があります。
事務処理能力が高い
施工管理は現場に立つだけでなく、書類の作成・提出や処理など事務作業も多く発生する仕事です。限られた時間で事務処理作業をこなせる能力が求められます。
正確かつ効率的に事務処理を行える女性は、建設現場の業務効率化に貢献するのはいうまでもありません。
体を動かすのが好き
施工管理は季節を問わず、屋内外の建設現場を歩き回って各工程の進捗状況を管理したり、工程ごとに品質をチェックしたりする仕事です。そのため、一定以上の体力が求められます。
身体を動かすのが好きでそれなりの体力を備えている女性は、屋外の現場であっても問題なく、施工管理の業務を遂行できるでしょう。
そもそも施工管理とはどんな仕事?
施工管理は、建設工事全体を監督し、「4大管理」といわれる管理業務を行う仕事です。それぞれの管理内容は下記のようになっています。
<施工管理の4大管理とその内容>
・工程管理:工程表のスケジュールどおりに作業が進んでいるかを確認する業務
・品質管理:図面や仕様書といった設計図書で定められている品質基準を満たしているかチェックする業務
・原価管理:作業員の人件費や建設資材の費用のほか、建設機械のレンタル費用などを計算・把握し、予算内で収まるようにやりくりする業務
・安全管理:建設現場で安全を確保しながら作業できるように、作業員の体調管理をしたり、手すりや消火設備を設けたりする業務
施工管理は安定的に高い収入を得られたり、形に残る仕事で達成感があったりするなど、女性にとってもやりがいのある仕事です。さらに、国家資格の1級または2級を取得することで、よりスケールの大きな仕事を任され、待遇が良くなる場合があります。
施工管理については、以下の記事をご参照ください。
施工管理とは?現場監督との違いや必要な資格、平均年収を解説
女性が施工管理を選ぶ際の注意点

女性が未経験で施工管理の仕事を選ぶ際には、いくつかのポイントに気を付けたほうがいいでしょう。ここでは、女性が施工管理を選ぶ際の注意点について解説します。
女性だからと軽視される現場もある
建設現場は以前から男性比率が高いのが特徴で、施工管理についても、女性は決して多くはありません。
男性社会で女性がマイノリティであることから、女性の施工管理の意見を軽視したり、業務上の指示に対して抵抗感を示されたりするかもしれません。また、女性に対する配慮に欠けた発言を浴びせられる可能性もあるでしょう。
もちろん、女性だからといって軽視することなく、純粋な施工管理としての能力で判断する現場もあります。経験を積み重ね、施工管理としての実力を着実に蓄えていく姿勢で臨みたいところです。
女性専用トイレや更衣室などが整備されていない場合がある
男性が多い建設現場の中には、女性専用のトイレや更衣室などが整備されていない場合があるので、注意が必要です。
ただ、これらの職場環境については、今後女性の施工管理が増えていくにしたがって改善されていくのはいうまでもありません。
屋外での業務は体力的に負荷が高い場合もある
施工管理は建築・土木いずれも、現場の見回りなど屋外での業務が多い仕事です。それは真夏の炎天下や真冬の寒風吹きすさぶ環境でも例外ではありません。
天候や立地によっては体力的な負荷が高くなるため、施工管理は女性に限らず一定以上の体力が求められる点に留意しておきたいところです。
女性が施工管理の仕事に就く方法
女性が施工管理の仕事に就くには、いくつかの手段があります。最後に、女性が施工管理になる手段について解説します。
建設会社の求人に応募する
女性が施工管理になるための手段として、建設会社の求人に直接応募することが挙げられます。人手不足の昨今では、多くの建設会社が施工管理を募集しており、「未経験者歓迎」を掲げる求人も多数見つけられるでしょう。
ただし、未経験で資格のない女性を施工管理として採用しても、教育体制が整っていなかったり、女性が柔軟に働ける環境整備ができていなかったりする建設会社があるのも事実です。求人の内容をよくチェックし、女性が実際に活躍している会社を探す必要があります。
転職エージェントに登録する
女性が施工管理に転職したいと考えた場合、転職エージェントに登録し、建設会社の施工管理の仕事を紹介してもらう方法もあります。キャリアアドバイザーが希望条件やスキルに合った建設会社を提案してくれます。
しかし、転職エージェントのキャリアアドバイザーが、必ずしも建設業界に詳しいという保証はありません。また、現時点で保有するスキルで求職者の市場価値を判断する傾向があるため、未経験者に勧められる求人数が限られる場合もあります。
派遣の施工管理として教育を受けて現場に出る
派遣の施工管理というかたちで建設現場に出るのが、未経験の女性にとっては最も理想的な方法かもしれません。
例えば、「セコカンNEXT」を運営するワールドコーポレーションに正社員として入社し、建設現場に施工管理として派遣される手段が挙げられます。この場合、入社後に施工管理になるための教育体制が整っており、資格取得の支援も充実しています。もちろん、一般的な派遣社員のようにプロジェクト単位で現場に派遣されて働くことも可能です。
さらに、現場に出てからも手厚いサポートを受けられるので、施工管理未経験の女性が抱える不安の多くは解消されるはずです。
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施工管理は女性にとっても安定した高収入が得られる仕事です。これまでは男性社会でしたが、国を中心に女性活躍推進の取り組みがなされており、例えば産休・育休を取っても職場復帰しやすい仕組みが整備されつつあります。
女性が施工管理に就こうとするなら、残業や休日出勤の不安も少なく、遠隔地への出張を希望しない選択もできる派遣の施工管理がおすすめです。ワールドコーポレーションに正社員として雇用されるタイプの派遣の施工管理は、教育体制も整っているので、未経験者でも安心といえます。
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