Menu

土木施工管理と建築施工管理の違いを解説!キャリアの考え方

土木施工管理と建築施工管理はどちらも施工管理を行いますが、担当する工事が異なります。
資格を取得する際などは、自分がどちらを希望しているのかはっきりとさせておく必要があるでしょう。
本記事では、土木施工管理と建築施工管理の違い、それぞれに向いている人、キャリアの考え方などをご紹介します。

土木施工管理と建築施工管理

土木施工管理とは、橋、ダム、トンネル、高架道路など土木工事を管理する仕事です。
山、森林、河川、海などの自然を相手にし、人間が使いやすいようにする作業を行います。

建築施工管理とは、建築に関する工事の施工管理のことを指します。
商業施設、公共施設、一般住宅などさまざまな建築物の施工管理を行います。

どちらも現場の管理のほか、職人や他社とのスケジュール調整なども仕事です。
工事をスケジュール通りに進め、さらに作業員が安全に作業できるための管理能力や責任感が問われる仕事です。

また土木と建築のなかには、設備工事や電気工事などのその他の工事が含まれています。

土木施工管理と建築施工管理の違い

土木と建築は、建設分野の中でも1番大きな区分けとされています。
主に地面の下が土木で、地面の上が建築と分けることもできます。

土木

土木と建築ではお金の出所が違います。
土木は、基本的に国(税金)によって作られます。

また点と線のような分け方をする場合があります。
建築は作った場所が点となります。
家やビルなどの点をつなぐためには、道路や鉄道などの「線」が必要です。
つまり、建築をつなぐのが土木ということです。

また土木は、基本的に山や川など自然と一緒に作り上げるものです。
ある程度自然と共生するのが土木の特徴といえます。
そのため、土木工事は町中より郊外で工事をする傾向にあります。

建築

建築の場合は、ビルなどを「建てたい人」がお金を払います。
そのため、不動産会社など民間のお金で作られるのが建築です。
建築は基本的に完全な人工物となります。
ビルやマンションなどは、地面などがあれば建てることができるため、そこに山や川などの自然物は必要ありません。

下請け会社の数

また、土木工事は道路を作り、建築工事はビル一棟を作るとすると、下請けに入る会社の数が異なります。
これは工事の種類が異なるためです。

道路を作る場合、下請けの会社は数社で済みますが、ビルを作る場合は基礎を作ったり、型枠を作ったり、内装を作ったりなどさまざまな工事が必要です。
日本は専門工事制となっているため、それぞれ専門の会社が行います。
そのため、土木よりも建築の方が下請け会社の数が圧倒的に多くなります。

図面の数

工事の数が多いということは図面の数も多いということになります。
工事の規模にもよりますが、建築は土木の数倍から数十倍の図面が必要です。
また後から変更される場合もあるため、建築の場合は図面がどんどん変更される可能性もあります。

土木施工管理と建築施工管理に向いている人

土木施工管理と建築施工管理には、さまざまな違いがありますが、どのような人に向いているのでしょうか。
ここでは、土木施工管理と建築施工管理に向いている人の特徴をそれぞれご紹介します。

土木施工管理に向いている人

物事を論理的に考えられる人
土木工事では、現場ごとに用いられる工法が異なることがほとんどです。
そのため、新しい施工現場に行くたびに、未経験の問題に直面することもあります。
そうしたなかで、現場の条件や課題を論理的に整理し、効率的に工事を進める手段を導き出す必要があるでしょう。
課題を地道に検証して答えを導き出せる人に向いているといえます。

人をまとめる能力がある
土木工事は大規模な工事だと複数のチームが構成され、複数の現場監督がいることも珍しくありません。
そのため土木施工管理を行う人が、現場の作業員と所長の間に立つ役割を担うこともあります。
作業員を引っ張るリーダーシップのほか、状況に応じてフォローもできるような、人をまとめる能力がある人は、土木施工管理に向いているといえます。

建築施工管理に向いている人

細かい部分にまで目が行く人
建築分野は○㎜や0.○㎜単位で仕事をすることが多いです。
そのため、細部にまで気づくことができる人は、建築施工管理に向いている人といえるでしょう。

さまざまな人とコミュニケーションが取れる人
建築施工管理は土木と比べて下請け会社の数が圧倒的に多いとされています。
そのため、さまざまな会社の人とコミュニケーションを取らなくてはいけません。
さまざまな会社、立場の人に、伝えたいことをきちんと伝えられる、信頼関係を築けるという人は、建築施工管理が向いているでしょう。

土木施工管理と建築施工管理のキャリア

施工管理職 男性

土木施工管理と建築施工管理は、工事の種類や図面の数など違う部分が多々あります。
そのため、どちらか1つの分野を極める方が多いようです。

土木施工管理職と建築施工管理職の間での転職事情はどうなのでしょうか。
建築から土木へは難しくありませんが、土木から建築へは難しいとされています。
その理由の1つが、建築分野の方が細かい作業が多いためです。
たとえば、土木の工事で道路を作る場合、工事の種類は路盤、舗装、ガードレールなどですが、マンションを作るとなると電気、トイレ、内装、給湯など、さまざまな種類の工事が必要になります。
また図面の数も、土木だと10枚だったのが数十枚に増えるため、驚くことが多いようです。
逆に建築から土木に行く場合は、図面の数もそこまで多くないため、そこまで戸惑うことは少ないとされています。

ただし、やはり向き不向きがありますので、自分のキャリアと土木から建築、建築から土木などと切り替える人は、あまりいないといわれています。

土木施工管理と建築施工管理の違いを知っておこう

土木施工管理と建築施工管理は、まず働く現場に違いがあります。
土木は山や川など自然を相手にするため郊外が多く、建築はマンションやビルなどを建てるため町中が多いといわれています。
また図面の数や下請け会社の数など、さまざまな点で違いがありますので、どちらが自分に向いているのかよく考えて選択することをおすすめします。