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作業中止となる建設現場の基準とは!? 風速・雨量・雪量・震度の目安

建設現場は外での作業が多いため、悪天候の場合は作業中止となります。
作業中止となると工期に影響が出ますが、作業員の安全や資材への影響を考えれば、中止にせざるを得ないことも多いです。
では、作業中止となる天候に基準はあるのでしょうか。
本記事では、施工管理職が覚えておきたい「現場の作業中止基準」についてご紹介します。

悪天候と判断される基準

事故防止や資材への影響を避けるため、悪天候の場合、作業を中止にしなくてはいけません。
悪天候と判断される基準は、労働安全衛生法などにより定められています。

強風/暴風の作業中止基準

  • 強風…10分間の平均風速が毎秒10メートル以上
  • 暴風…瞬間風速が毎秒30メートルを超える

雨量/雪量の作業中止基準

  • 大雨…1回の降雨量が50ミリメートル以上
  • 大雪…1回の降雪量が25センチメートル以上

震度の作業中止基準

  • 中震以上の地震…震度階級4以上

クレーンの強風対策

クレーン

クレーンは、風の影響を受けやすいため、特に強風対策が必要です。
台風だけでなく、季節風、旋風、局地的な突風など、さまざまな強風対策を行う必要があります。
「クレーン等安全規則」や「移動式クレーン構造規格」では、強風時に作業を中止することが定められています。
また、強風時には転倒防止措置を講じることが求められます。

ここでは、移動式クレーンの強風対策の一例をご紹介します。

ボックス構造ジブ

  1. 旋回ロックと旋回ブレーキをかけます。
    また、ジブは最短まで縮めて、フックを渦巻リミットスイッチが作動する手前まで巻き上げます。
  2. フックが人や物に当たらない角度までジブを下げます。
  3. さらに強風が予想される場合は、ジブを走行姿勢にして、キャリア上にセットします。
    そしてフックもキャリアに結束し、アウトリガーを設置します。

クローラクレーン(フロントアタッチメントがクレーン仕様の場合)

  1. 空フック状態にし、フックを渦巻停止位置まで巻き上げます。
  2. ジブ角度を約70度にします(ジブ角度はメーカーよって異なります)。
  3. カウンタウェイト側が風上になるようにします。ジブの背面から風を受けるようにしましょう。
  4. 巻上装置や旋回装置のブレーキとロックをかけて、エンジンを止めましょう。

転倒の恐れがある場合のジブの降ろし方

  1. 空フック状態でフックを渦巻停止位置まで巻き上げます。
  2. ジブを地上まで降ろします。
  3. 巻上装置や旋回装置のブレーキとロックをかけてからエンジンを止めましょう。

高所作業車の強風対策

高所作業

屋外で作業する高所作業車は、天候への配慮が欠かせません。
特に、風は上空ほど吹くため、災害を起こさないために早めに作業を中止することが求められます。
また、雷雲が発生した時にも、早めに作業を注意しましょう。

非常時の作業床の降下方法

高所作業車は、高所で作業する人が直接運転するケースが多いです。
そのため、不慮の事態で操作ができないケースもあります。
その場合、備え付けられている「非常時に作業床上の労働者が地上に降りられる装置または器具」を使用しましょう。

ただし、メーカーや機種によって方式や方法が異なります。
施工管理者や関係者は、作業前に非常時の降下方法を確認しておきましょう。

悪天候時の作業中止を想定しておこう

強風や暴風、大雨、大雪など、悪天候時には、作業員の安全や資材を守るために作業を中止することが求められます。
そのため、作業中止となる天候の基準は覚えておきましょう。
そして、急に天候が悪化した時のため、非常時の対応方法も確認しておくことが大切です。

また、悪天候後に作業を再開する場合は、必ず現場の状況を確認します。
目に見える故障だけでなく、細部まで確認することが重要です。
安全のため、点検は怠らないようにしましょう。