建設業の施工管理職は、工事全体の指揮や管理をする職種です。
プロジェクト全体に気を配りながら、工期が守られているか、作業者が安全に仕事をする環境が整っているかなど、多岐にわたって管理をします。
施工管理職は、大変さもありますが、魅力的な部分も多いため、未経験から転職を目指す方も多いです。
ただし、未経験から施工管理職への転職を実現させるためには、履歴書・職務経歴書や面接対策を万全にする必要があります。
そこで本記事では、「履歴書・職務経歴書の書き方」「面接時のポイント」など、未経験者から施工管理職に転職する前に、知っておきたい内容を網羅して紹介していきます。
未経験からでも施工管理職で活躍できる!
資格やスキルは、キャリアアップをしていく中で必要となることが多いですが、未経験から施工管理職への転職時に、必須というわけではありません。
未経験からの転職には、資格や能力よりも、施工管理職としてのキャリアのビジョンや熱意、そして適正のある人物かどうかが重要なポイントとなります。
ここでは、未経験から施工管理職への転職時にポイントとなること、施工管理職に向いている人の特徴などを、詳しく紹介します。
施工管理職としての具体的な目標と熱意を伝える
未経験から施工管理職への転職は、資格やスキルは必須ではありません。
ただし、資格取得を目指したいことはアピールしておきましょう。
施工管理職の業務には、資格保有者でないと対応できないこともあります。
ですので、入社後に資格を取得して、さまざまな業務に携われる人材になることを目指しているとアピールするとよいでしょう。
また、企業によっては入社後に資格取得を奨励し、研修の実施や、その費用を負担してくれる場合などもあるようです。
そして最も重要なことは、「施工管理職として会社に貢献して、自身のキャリアもこの会社で築き上げていきたい」という熱意を持つことです。
一緒に働きたいと思ってもらえるように、この心構えは忘れないようにしましょう。
施工管理職に向いている人
施工管理職に向いている人の特徴は、以下となります。
- 周囲とのコミュニケーションが円滑にできる
- 臨機応変な対応ができる
- 努力が継続できる
施工管理職の仕事は、現場の職人や協力会社など、さまざまな人との連携が必要です。
そのため、立場や年齢が異なる人々の意見を聞きながら仕事を進めなくてはなりません。
周囲と円滑なコミュニケーションができないと、工事の進行が停滞する可能性もあります。
そのため、施工管理職が、主導となり、積極的にコミュニケーションを図ることが大事です。
また、工事の進行状況に応じて、スケジュールの調整をすることもあります。
トラブルが発生することもあり、臨機応変な対応が求められることもあるでしょう。
状況を把握して迅速に行動することも、施工管理職には求められます。
加えて、施工管理職としてキャリアアップしていくには、専門知識の習得や、施工管理技士の資格取得なども必要になります。
未経験からキャリアアップを図るには、継続して努力を続ける必要があるといえます。
試験勉強に限らず、努力を一定期間続けたことのある方は、施工管理職としてキャリアアップしていくことも可能でしょう。
施工管理職への転職の関門「履歴書・職務経歴書」
施工管理職に就くための最初の関門は、履歴書と職務経歴書です。
特に、志望動機は、熱意をアピールする重要な箇所となります。
志望動機を書くときのポイントは、以下となります。
- 結論から書く
- ポジティブな転職理由を具体的に書く
- その企業でないといけない理由
- 独自の内容で書く
- これまでの実績や経験をどう活かすか
履歴書や職務経歴書に志望動機を書くときは、結論から書くことが大事です。
「御社の施工管理職を志望した理由は…。」など、一番伝えたいことを最初に明記すると、採用担当者に好印象を与えやすくなります。
また、転職の理由はポジティブな内容にしましょう。
「現職では希望する業務ができませんでした。」などのネガティブな内容ではなく、「施工管理職に挑戦して●●をしたい。」など、ポジティブな内容にすることで、意欲が評価されます。
さらに、転職を希望する企業について深く調べて志望動機に活かすことも重要です。
「御社の●●という企業理念に共感できました。」という志望動機は、抽象的といえます。
「御社の●●という事業を施工管理職として携わりたい。」など、具体的でオリジナルな内容を考えましょう。
なお、「なぜその会社の施工管理職でなければならないのか」という点も、具体化する必要があります。
「施工管理職で働きたい」という理由では、他社でもその希望は叶えられるでしょう。
「御社が携わる建設業は、私が知っている建設事業が数多くあり、将来は地図に載るような大規模な建設の施工管理をしてみたい。」など、その会社を選ぶ具体的な理由を志望動機に書いてみましょう。
そして最後に、施工管理職にこれまでの経験をどのように活かしていくかを書きます。
ここで重要になってくるのが、自己分析がしっかりおこなえているかということです。
「自分の強みどこで、施工管理職に転職したら、どのように強みを活かしていきたいか」を、しっかり伝えられるようにしましょう。
施工管理職の面接では志望動機を具体的に
施工管理職の面接では、履歴書・職務経歴書に書いた志望動機を、さらに具体的に伝えることが重要です。
より具体的な志望動機が、採用担当者の印象に残ります。
ここでは、面接官に伝えたいポイントと志望理由の例をご紹介します。
面接官に伝えたいポイント
面接で面接官に伝える志望動機は、履歴書・職務経歴書の内容と同じです。
ただし、面接は直接話せる機会ですので、入社後の抱負や、将来的なビジョンなども話すと熱意が伝わります。
他にも、前述で紹介してきたような施工管理職に求められることについて絡めたアピールもしていきましょう。
- 周囲とのコミュニケーションが円滑にできる
- 臨機応変な対応ができる
- 努力が継続できる
こちらの内容は、履歴書・職務経歴書に記載するだけではなく、面接時もしっかりとアピールしましょう。
志望理由の例
ここでは、面接時の志望理由の具体例をご紹介します。
志望理由の例①
「私は施工管理職が未経験です。しかし、学生時代は飲食業で接客を、卒業後はホー
ムセンターで家具等の販売を担当しており、接客という仕事を通じて幅広い世代の
たくさんの方とコミュニケーションをとってまいりました。この経験から色々な方
と連携することを得意としており、職人の方々ともコミュニケーションをしっかり
取り、円滑に働くことができると思います。」
志望理由の例②
「私が御社を志望した理由は、世の中の役に立つ仕事をしたいと思ったからです。
建設の仕事は、なくてはならないものです。
施工管理職として、道路や鉄道、上下水道、電気、通信など、生活に不可欠な
インフラに関わることで、社会に貢献したいです。」
志望理由の例③
「私が御社を志望した理由は、住宅の建築に興味があるからです。
その家に住む家族のライフスタイルに合わせた家を作ることで、よりお客様に喜び
や感動を与えることができると考えました。
施工管理職という仕事を通して、人生で一番大きな買い物であるマイホーム建築に
関わってみたいと思っています。」
以上のように結論を最初に述べて、その会社を選んだ理由、何をしたいかの順番に伝えてみてください。
施工管理職への準備は万全にしておこう
未経験者であっても施工管理職への転職は可能です。
ただし、施工管理職の概要やどのような人が向いているのかを理解しておく必要があります。
また、履歴書・職務経歴書~面接まで、一貫して大事なポイントとなることは「志望動機は、熱意を持って具体的に伝える」ということです。
自分の伝えたいことをしっかりと言語化することが、施工管理職への転職へとつながるでしょう。