Menu

安全衛生管理DXの実現に向けて。ヒヤリハットとの関係性

長年、建設現場での労働災害は後を絶ちません。
そんな状況を解消すべく、政府は安全衛生管理DXを推進しています。
また、安全衛生管理DXではヒヤリハットに大きく注目しています。
労働災害に詳しくない方の中には、ヒヤリハットがどのように関係してくるのか
疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

本記事では、安全衛生管理DXの詳細、ヒヤリハットとの関係性について紹介していきます。

安全衛生管理DXの特徴

安全衛生管理DXとは、デジタルを活用して現状より更なる労働災害減少を目指す取り組みです。
安全衛生管理DXでは、新たに「無人化」と「作業員」に注目しています。
具体的には、建設現場にICTを導入することで「無人化」を実現し、
新たなマニュアルである新ヒヤリハット報告を普及させることで「作業員」一人一人の意識向上を目指しています。

安全衛生管理DXが必要となった背景

建設業界は全産業の中でも労働災害が多い業界でした。
昭和36年の全産業で起こった労働災害による死亡数が6,712人であり、この内建設業は2,652人と全体の約40%を占めています。
昭和47年に労働安全衛生法が施行されて以来、年々この数は減少を続け、現在はかなり落ち着いています。
具体的には、令和2年における全産業で起こった労働災害による死亡数が802人であり、建設業は258人です。

しかし、上記の数字を見ても分かる通り、依然として労働災害が発生していることは無視できません。

また、近年労働災害の減少率が鈍化している点も問題視されています。
平成元年から平成10年の間では1,075人から725人まで減少しているのに対し、
平成20年から平成30年までは430人から309人までしか減少していません。

このままでは、さらなる労働災害減少が見込めなくなっています。
そのため、新たな仕組みを組み立てることで、今後の労働災害減少を目指すのが安全衛生管理DXです。

出典:建設業労働災害防止協会「「新ヒヤリハット報告」のデジタル化と安全衛生管理DX

新ヒヤリハット報告とは

新ヒヤリハット報告では、ヒヤリハット事例を事故や災害を起こしそうになったものの
「無事故、無災害」に抑えた事例と位置づけし、以下の点に着目しています。

  1. ヒヤリハットが事故や災害に至らなかった理由
  2. 事故や災害を回避できた能力
  3. その能力を育成するのに役立った日頃の活動
  4. ストレスなど職場環境がどのような影響を与えているか

そして、建設現場で起こったヒヤリハット事例を収集するとともに、
これらの点を把握、作業員に共有するマニュアルへ反映します。
これにより、労働災害防止や働きがいのある職場環境づくりに役立てていくのが
新ヒヤリハット報告の仕組みです。
また、この新ヒヤリハット報告という仕組みを更に進化させて「新ヒヤリハット報告DX」とする取り組みも見受けられます。

新ヒヤリハット報告DXの特徴

新ヒヤリハット報告の仕組みをICTやAIといった最新デジタル技術を用いて
アップデートする試みが新ヒヤリハット報告DXです。

従来の新ヒヤリハット報告では、現場で起こったヒヤリハット事例を収集する際に紙の資料を用いていました。
一方で、新ヒヤリハット報告DXでは、作業員がスマホでヒヤリハット事例の報告を行います。

さらに、全ての支店におけるヒヤリハット事例を収集した後、
ビッグデータとAIを用いてヒヤリハット事例の分析を行います。
そうしますと、人だけでは見抜けなかった年齢や性別、職種、経験、時間帯、曜日、天候、体調、
コミュニケーションなどの複雑な要因の絡み合いも分析できるようになります。

新ヒヤリハット報告を活用した新たな可能性

新ヒヤリハット報告を実践することで、現場と綿密なやり取りが可能となります。
さらに、新ヒヤリハット報告DXにまで発展させ、収集した膨大なデータをAIによって分析すれば、
これまで見落としていたヒヤリハットの要因にも気づけるようになり、
具体的かつ的確な対策も可能となるでしょう。
こうすることで、安全かつ健康に働ける現場を実現し、最終的には建設現場の従業員全員が幸せに働くことができる毎日になるかもしれません。

出典:建設業労働災害防止協会「「新ヒヤリハット報告」のデジタル化と安全衛生管理DX

BIM/CIMとVR/AR技術との組み合わせ

BIM/CIM

がいし引き工事は、配線が見える工事のため、使用電圧に関係なく防護措置を行う必要があります。
鉄塔や電柱の電力用や電信用として使用されることもありますが、
人が簡単に触れられないような措置を取る必要があります。

また、高圧屋内配線でも利用されます。
その場合、支持点間距離や離隔距離は低圧と規定が異なるため注意が必要です。
また、電線や電線が造影剤を貫通する際も、高圧がい菅の使用も規定されているので必ず確認しましょう。

がいし引き工事について理解しよう

がいし引き工事は、電気の施工方法の一つです。
昭和時代に使われていた方法で、現在ではあまり使用されていません。
がいし引き工事を行う場所は限られていますが、配線の美しさを求めるのであれば適している方法です。