建設業界は、人手不足や生産性低下などの課題を抱えています。
これらの課題を解決するために、近年ではデジタルテクノロジーの活用が進んでいます。
本記事では、建設業界の新しいトピックの１つである「デジタルテクノロジー」について、i-ConstructionとIoTの視点からご紹介します。
i-Constructionから分かるデジタルテクノロジー
i-Constructionは、国土交通省が推進する建設現場のデジタル化の取り組みです。
2025年までに建設現場の生産性を2割程度向上させるという目標を掲げ、ICTや3Dデータを活用したさまざまな施策が進められています。
以下のi-Constructionで活用されているデジタルテクノロジーの代表例が挙げられます。
3次元モデル
3次元モデルとは、建物や構造物の形状、寸法を正確に表現したモデルです。
i-Constructionでは3次元モデルを活用することで、設計段階から施工段階までの情報共有を円滑にし、施工の効率化や安全性の向上を図っています。
具体的には、ドローンやレーザースキャナーなどのデバイスを活用して現場の3次元データを取得し、3次元モデルを作成します。
BIM（Building Information Modeling）
BIMとは、建物や構造物の3次元モデルに材料やコスト、施工手順などの情報を付加したモデルです。
i-Constructionでは、BIMを活用することで建設コストの削減や施工期間の短縮、メンテナンスの効率化などを図っています。
ICT（情報通信技術）
ICTとは、情報通信技術の総称です。
i-Constructionでは、ICTを活用することで、現場の状況をリアルタイムに把握したり、遠隔操作や自動化を実現したりしています。
出典：国土交通省「i-Constructionの取組について」
出典：国土交通省「i-Constructionの推進状況」
出典：国土交通省「i-Construction 推進のための基準要領等の制・改定について」
IoTから分かるデジタルテクノロジー
IoT（モノのインターネット）は、あらゆるモノがインターネットに接続され、データをやり取りする技術です。
IoTの活用により、これまでアナログで行われていた作業や管理をデジタル化・自動化できます。
IoTは、建設業界においてもさまざまな活用が期待されています。
具体的には、以下のような活用事例があります。
建設機械の稼働状況のモニタリング
建設機械にセンサーを搭載し、稼働状況や故障の予兆をリアルタイムに把握することで、メンテナンスの効率化や故障による工期遅延の防止につながります。
現場の安全管理
センサーやカメラを活用し、現場の状況をリアルタイムに把握することで、作業者の安全管理や災害の予防につながります。
施工の品質管理
センサーを活用し、施工の進捗や品質をリアルタイムに把握することで、施工の効率化や品質の向上につながります。
遠隔操作や自動化
センサーやカメラを活用し、遠隔操作や自動化を実現することで、作業の効率化や安全性の向上につながります。
出典：国土交通省「i-Constructionの取組について」
出典：国土交通省「i-Constructionの推進状況」
出典：国土交通省「i-Construction 推進のための基準要領等の制・改定について」
IoTを導入するメリット
建設業でIoTを導入する以下のメリットが挙げられます。
業務効率化
IoTを活用することで、これまでアナログで行っていた作業や管理をデジタル化・自動化できます。
たとえば、建設機械の稼働状況をセンサーで監視することで、メンテナンスのタイミングを適切に判断し、故障による工期遅延の防止につながります。
また、センサーやカメラを活用して現場の状況をリアルタイムに把握することで、作業者の安全管理や災害の予防につながります。
生産性向上
IoTを活用することで、現場の状況をリアルタイムに把握し、適切な判断や指示を下すことが可能です。
たとえば、施工の進捗や品質をセンサーで監視することで、施工の効率化や品質の向上につながります。
また、遠隔操作や自動化を実現することで、作業の効率化や安全性の向上につながります。
安全性の向上
IoTを活用することで、作業者の安全管理を強化することができます。
たとえば、センサーやカメラを活用して現場の状況をリアルタイムに把握することで、作業者の位置や行動を把握し、危険を未然に防ぐことができます。
また、作業者の健康状態をセンサーで監視することで、熱中症や疲労などの労働災害の防止につながります。
コスト削減
IoTを活用することで、メンテナンスや工期遅延などのコストを削減することができます。
たとえば、建設機械の稼働状況をセンサーで監視することで、故障による工期遅延を防止し、メンテナンスのコストを削減できます。
また、センサーやカメラを活用して現場の状況をリアルタイムに把握することで、材料や資材のムダを減らすことができます。
新たな価値の創造
IoTを活用することで、新たな価値を創造することができます。
たとえば、センサーやカメラを活用して現場の状況をリアルタイムに把握することで、3Dモデルやビッグデータを活用した新たな施工方法の開発につながります。
また、遠隔操作や自動化を実現することで、新たなサービスの提供につながります。
出典：国土交通省「i-Constructionの取組について」
出典：国土交通省「i-Constructionの推進状況」
出典：国土交通省「i-Construction 推進のための基準要領等の制・改定について」
業務効率化や課題の解決につながる
IoTの活用により建設現場の生産性向上や安全性の向上、新たな価値の創造など、さまざまな効果が期待されています。
さらに、IoTの導入により、建設業におけるさまざまな課題の解決につながるでしょう。
今後、建設業界はさらにデジタル化が進んでいくことが予想されます。
i-ConstructionとIoTを活用することで、建設業界は新たな価値を創造し、社会に貢献していくことができるでしょう。
