造園施工の際には、庭石などの石についての知識も必要です。
その場所に合った庭石の種類や置き方を知っておく必要があります。
本記事では、造園施工管理に携わる方が知っておきたい「庭石などの石」についてご紹介します。
つくばいの組み方
つくばいは、もともとも茶道のならわしとして、客人が身を低くし、手を清めたのが始まりです。
茶室という特別な空間に向かう結界としての意味合いもあります。
つくばいは、「手水鉢(水鉢)」を中心に、「前石」「手燭石」「湯桶石」があり、この3つを「役石」と呼びます。
さらに、「水門(海)」で構成されます。
手水鉢
茶事の際に客人がここから柄杓で1杯の水を取り、手と口をすすいで身を清めます。
前石
手水鉢の手前正面の石で、手水を使う際に乗ります。
手燭石
手水鉢の左側の石で、夜の茶会時に灯りなどを置きます。
湯桶石
手水鉢の右側の石で、冬など寒中の茶会時に置かれます。
水門
海とも呼ばれており、手水鉢と役石に囲まれた低い部分です。
こぼれた手水を受けるため、砂利などを敷き詰めます。
手燭石と湯桶石の左右は、茶道の流派により異なるので注意しましょう。
- 水鉢の据え付けは、中に水を張り手前が少し流れ出るようにします
- 前石は飛び石より約1〜2㎝高くします
- 手燭石、湯桶石は前石より高くしましょう
- 海の周りの石は、尖った部分の上にしないようにします
- 海部分には五郎太石や砂利・砂などを用います
飛び石について
飛び石には以下の種類があります。
飛び石の間隔は足が入る程度の、約10㎝くらいにします。
据え付け高さは、地面より3〜10㎝程度です。
関守石について
関守石は、庭の飛び石の上に置かれているものです。
「結界」を示すために置かれたりして、ここから「進入禁止」と言いう意味があります。
「結界」とは、聖なる領域と俗なる領域を分け、秩序を維持するために区域を限ることとされています。
本来は仏教用語ですが、古神道などでも概念として用いられています。
関守石の作り方
- シュロ縄を結び、輪を作ったら石の裏側に置きます
- 石の表を通り、左へ縄を置きます
- 裏に戻り輪に引っ掛けて折り返します
- もう一方を横に引きます
- 石を返し表側にします
- 左のロープを右側にし、右のロープを左へやります
- 中央で交差して上下にします
- 石を返して表側にします
- 右側のロープを縦ロープの下に通し、左にやります
- 左側のロープも縦ロープの下に通し、右にやります
- 左右のロープを男結びで固定します
石の知識を身に付けよう
庭石として使う石にはそれぞれ意味があります。
そのため、施工する場所に合った石を置けるように、意味を知っておきましょう。