石工事と聞いたとき、どのような工事をイメージされるでしょうか?
公園やお城まわりの石積みで作られた塀、石積みの地面など、石によって作られているものは数多く存在するので、身近な工事の1つといえるでしょう。
本記事では、石工事の工事例、工事に使用する道具や工法、石工事と間違いやすい工事について紹介していきます。
石工事とは
石工事とは、石材もしくはコンクリートブロック、および擬石(ぎせき)の加工や積方により、工作物を築造、工作物に石材を取り付ける工事のことをいいます。
具体的な工事例としては、主に以下となります。
石工事に使用する道具
ここでは、石工事で主に使用される道具の種類と特徴、使用方法などをご紹介します。
1、セリ矢
石材を削るための道具です。
主に、御影石などを削るために使われます。
さまざまな形状やサイズのものがあります。
2、金じめ
柄の底部が金属製になっている道具です。
石材を加工する際に使用します。
3、ハツリノミ
石工用のノミです。
石を彫る時やコブを取り除く時に使用します。
4、目地ゴテ
モルタルを詰める際に使う道具です。
石敷き、石積み、ブロック積みなどの際に良く使われます。
5、コヤスケ
石材の角を揃えるために使う道具です。
刃先を石に当て、ハンマーなどで叩いて使います。
石工事の工法
ここでは、石工事で使われる工法をご紹介します。
乾式工法
乾式工法とは、石膏ボードや合板など水やモルタルを使わずに仕上げる工法です。
天候に左右されず、養生期間も必要ないのが特徴です。
工期短縮、剥離防止、軽量化のために開発されました。
湿式工法
湿式工法とは、水を混ぜて作った材料を使う工法です。
モルタルや漆喰(しっくい)、塗り壁などを使う作業は、湿式工法に分類されます。
乾式工法より工期は長くなりますが、モルタルや漆喰ならではの味わいのある質感が楽しめるのが特徴です。
ただし、現在では石材が剥落する可能性があるため、外壁コンクリート面への施工はほとんど行われていません。
外壁面への工法
ファスナーと呼ばれる金物で下地を組み、石材を張る方法が取られることが多いです。
石材とファスナーの強度で、石材自体を支えるため、事前に強度計算が必要です。
施工の高さや石厚などを定める基準があるため、専門知識が必要となります。
内壁面への工法
内壁面で使用する場合は、石材を張り付ける下地によって工法が変わります。
外壁に張る場合と比べ、比較的高さが低い場合が多いため、外壁よりも基準が少し緩くなります。
ただし、強度計算はしっかり行う必要があるでしょう。
主に、以下のような下地が使われています。
石工事と似た工事
石工事には、石工事に含まれるかどうかの区分が難しい工事がいくつか存在します。
施工管理職に携わる方は、知識として覚えておきましょう。
石工事における「コンクリートブロック積み(張り)工事」
石工事としての「コンクリートブロック積み(張り)工事」は、建築物の内外装として擬石などをはり付ける工事や法面処理、擁壁(ようへき)としてコンクリートブロックを積む・はり付ける工事が該当します。
タイル・れんが・ブロック工事における「コンクリートブロック積み(張り)工事」
コンクリートブロックにより建築物を建設する工事などが、タイル・れんが・ブロック工事における「コンクリートブロック積み(張り)工事」に分類されます。
エクステリア工事として、これを行う場合も含まれます。
とび・土工・コンクリート工事における「コンクリートブロック据付け工事」
とび・土工・コンクリート工事における「コンクリートブロック据付け工事」は、根固めブロック、消波ブロックの据付けなど、土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事や、プレキャストコンクリートの柱、梁(はり)などの部材の設置工事を指します。
出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正))
石工事は身近な工事の1つ
石工事では、使う道具や工事の工法が多種多様です。
また、石材を使うほとんどの工事が石工事となりますが、前述したように石材を使っていても他の専門工事に該当する工事も存在します。
施工管理職の方も知識として覚えておき、現場では適切な施工管理をできるようにしましょう。