清掃施設工事とは、29種類ある建設業の1つです。
具体的にどのような施設が「清掃施設工事」に該当するか、イメージできない方もいるかもしれません。
本記事では、清掃施設工事の概要や特徴、工事の流れなどをご紹介します。
清掃施設工事とは
清掃施設工事とは、し尿処理施設、またはごみ処理施設を設置する工事を指します。
具体的な工事には、以下のようなものがあります。
公害防止施設を単体で設置する工事は、清掃施設工事ではなく、それぞれの公害防止施設ごとの工事に分類されます。
たとえば、排水処理設備であれば「管工事」、集塵設備であれば「機械器具設置工事」などに区分されます。
また、し尿処理に関する施設工事の「管工事」、「水道施設工事」、「清掃施設工事」の区分は、以下のように分けられます。
- 管工事:浄化槽による、し尿を処理する施設の建設工事
- 水道施設工事:公共団体が設置するかつ、下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事
- 清掃施設工事:公共団体が設置し、汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事
出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正))
「ごみ処理施設工事」と「し尿処理施設工事」
ここでは、「ごみ処理施設工事」と「し尿処理施設工事」について、工事開始までの流れをご紹介します。
ごみ処理施設工事
以下は、ごみ処理施設工事までの流れの一例となります。
- 一般廃棄物処理計画などの策定
- 施設の方式選定
- 施設整備事業計画の策定
- 生活環境影響調査・アセスメント・都市計画決定
- 施設建設工事提案条件書の策定
- 有資格業者の募集・審査・選定
- 提案図書の技術審査
- 建設工事費の積算・決定
- 発注仕様書の決定
- 入札参加有資格業者の決定
- 入札・仮契約・本契約
- 実施・詳細設計の承諾
- 工事監督、試運転・性能試験立ち会い
- 竣工検査・竣工
し尿処理施設工事
以下は、し尿処理施設工事までの流れの一例となります。
- 計画敷地
- 合理的な全体配置計画
- 全体作業動線の適正化
- 定期点検・補修整備スペースの確保
- 作業環境・機器配置の決定
- し尿などの量的・質的変動の対応策の策定
- 本工事
出典:環境省「ごみ処理施設建設工事の一般的フロー」
清掃施設工事は私生活に直結した工事
清掃施設工事にあたる「し尿処理施設」「ごみ処理施設」の工事は、人々の生活に必要不可欠な工事といえます。
他の工事と区分が難しい部分もありますので、区分の考え方についてもしっかり理解しておきましょう。