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造園施工管理はきつい?転職前に把握しておきたいポイント

造園施工管理は、「自然の緑」に関わる仕事です。
そのため、建築物などの人工物を扱う施工管理とは一味違った魅力があります。

本記事では、造園施工管理の概要や仕事の流れ、経験者がきついと感じたエピソードなどをご紹介します。

造園施工管理とは

造園施工管理とは、公共施設や広場、道路の緑化などを管理する仕事を指します。
植物などの自然が好きな人は、現場での仕事で活かせる場面があるかもしれません。

特に多い案件が、庭園の完備と定期的な点検です。
樹木の剪定や害虫駆除および芝の手入れなどを担当します。
またお客様の要望に沿った庭園を作ったり造形物の配置を考えたりするのも造園施工管理の仕事です。

必須の資格はありませんが、関連する資格としては厚生労働省が認定する「造園技能士」や、国土交通省が認定する「造園施工管理技士」があります。
これらは国家資格で難易度は高いですが、取得すれば造園工事の設計や施工管理に携われ、担当できる仕事の範囲が広がるでしょう。

出典:厚生労働省「造園工

造園施工管理職の1日の流れ

ここでは、造園施工管理職に就いている人の1日の流れについて説明します。

出勤・朝礼(8時頃)
現場に直行する場合と、一度会社に出社してから現場に向かう場合があります。
現場についたら朝礼を行います。

現場確認・巡回(9時頃)
現場を巡回し現場監督との打ち合わせや、作業内容の確認を行います。

昼休憩(12時頃)
昼食と休憩を1時間ほど取ります。

事務作業(13時頃)
事務所に戻り、資材の発注や重機の手配、見積書の作成などの書類仕事を行います。
図面を作成する場合もあります。

終業確認(17時頃)
職人が現場から帰ったのを確認します。
工程に変更があった場合は迅速に連絡します。

退社(18時頃)
翌日の準備や工程の確認などを行い退社します。

造園施工管理のきついこと

造園施工管理

造園施工管理はやりがいと達成感のある仕事ですが、大変な場面もあります。実際に造園施工管理経験者が仕事において「きつい」と感じていることを紹介します。

天気に左右されることが多い

「造園施工管理は自然のなかでの仕事のため、天気に左右されることが多い。
 泥だらけになったり、雨に打たれながら仕事を行うこともあるため体力が必要。」
真夏の炎天下での作業は、常に水分不足と体調を気にしながら工事を進める必要があります。
また、雪が降る日や風が強い日など、真冬の気温が低い時期は寒さを凌げる服装と道具が必要です。
悪天候によりどうしても工事をストップせざるを得ないときは、工事が遅れるため納期直前に残業が続く可能性もあるでしょう。

もちろんきついだけでなく、良い面もあります。
天気によっては工事がストップし待機になることもありますが、そのようなときは無理をせずゆっくり休んで体力を温存できます。
また自然に触れる施工管理のため、天気が良い日はリフレッシュしながら仕事をしやすいでしょう。

お客様や同業者とのコミュニケーション

お客様と打ち合わせをするときに、どれだけ相手が望むイメージを引き出せるかがポイントです。
イメージは言葉で表すには難しいため、考えたプランや製作物がお客様の意向と大きく反する場合もあります。

しかしここでお客様のイメージを多く引き出し意思疎通を図ることができれば、大変喜んでもらえ大きな達成感が得られるでしょう。
また喜んでくれたお客様が、ほかのお客様を紹介してくれることもあります。

また工事内容が複雑な場合は、他社または他業種の人と工事を進める場面があります。
その際、指示したい事がなかなか相手に伝わらなかったり内容とは異なる結果になったりする場合もあります。
すると最悪の場合は工事がストップすることもあるため、常に周りに気を配り積極的に意思疎通を図ることが大切です。
それらを乗り越え工事が計画通りに進めば、大きな喜びと達成感が得られるでしょう。

担当する業務の範囲が広い

造園施工管理の仕事に就いた人のなかには、緑や自然が好きな人もいらっしゃるでしょう。
しかし造園施工管理の仕事は、草木の剪定や芝生のお手入れだけではありません。

主に、以下の仕事を担当することがあります。

  • 打ち合わせ
  • 書類作成
  • 設計図の作成
  • スケジュール作成と管理
  • 他社への協力要請または工事の発注
  • 設備や材料の選定と調達
  • 重機または手作業での造園工事
  • トラブル対処
  • スタッフの仕事量調節

造園施工管理の仕事は、現場作業など体力が必要な仕事から、デスクワークなど多岐にわたります。
さらに工事がストップする可能性があるため、これら一つ一つの仕事に大きな責任があります。
担当する業務の多さにきついと感じる造園施工管理者もいらっしゃいます。

ただし常に案件の前線に立つ経験を積めば、これらの業務が身につくでしょう。
また造園施工管理はほかの施工管理と同様に、まったく同じ業務や工事はありません。
携わる案件が毎回新しく、自分にとっての挑戦に繋がるため、やりがいが感じられる仕事です。

出典:厚生労働省「造園工

造園施工管理をするなら取得しておきたい資格

造園工事の仕事に携わる場合に必須の資格はありません。
ただし、施工管理をしたい場合は国家資格である「造園施工管理技士」が必要です。
また「造園技能士」を取得すれば仕事の幅が広がり、さらに多くの案件に携われるでしょう。

1、造園施工管理技士

造園施工管理技士の資格は、「造園施工管理技術検定」に合格すれば取得できます。
資格取得後は、2級なら造園工事現場に配置しなければならない「主任技術者」として、1級なら「監理技術者」として名乗れます。

認定団体 国土交通省
クラス 2級 1級
受験資格 第一次検定:17歳以上の者
第二次検定:1次試験の免除者または1次試験の合格者で、指定された学歴および実務経験を有していること
第一次検定:指定された学歴および実務経験を有していること
第二次検定:1次試験の合格者または免除者または指定された学歴および実務経験を有していること
受験料 第一次検定・第二次検定:1万4,400円
第一次検定:7,200円
第二次検定:7,200円
第一次検定:1万4,400円
第二次検定:1万4,400円
試験会場 指定された全国各地の試験会場

2、造園技能士

造園技能士は、「造園技能検定」に合格すると取得できる資格です。
造園工事で必須の資格ではありませんが、庭づくりにおける知識と技術を有している事を証明できます。国家資格なため、取得しておくと就職や転職の際に有利でしょう。

認定団体 厚生労働省
クラス 3級 2級 1級
受験資格 特になし 2年以上の実務経験 7年以上の実務経験
受験料 実技試験:1万8,200円
学科試験:3,100円
試験会場 日本全国の指定された会場

造園施工管理は自然との付き合い

造園施工管理では、公園、屋上緑地、遊園地など造園工事全般を引き受けます。
完成した後に多くの人が利用する姿が見られるため、達成感を得やすいかもしれません。

新型コロナウイルスの影響で一時期は全体の企業景気が落ち込み気味でしたが、内閣府・財務省「法人企業景気予測調査(BSI)」によると、今後は右肩上がりになることが予想されています。
また労働者の高齢化や人手不足もあり、造園施工管理への就職者や転職者は非常に重宝されるでしょう。
自然に触れ合いながら施工管理をしたい方は、検討してみてはいかがでしょうか。