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施工管理職の事務作業を紹介!必要なスキルとは?

施工管理職といえば、現場で指示を出す仕事というイメージを持たれることが多いですが、実際は事務作業も多くあります。
そのため、施工管理職として総合的にスキルを上げていくためには、事務作業に関するスキルも上げていく必要があるでしょう。

本記事では、施工管理職の事務作業内容や事務職に必要なスキルなどをご紹介します。

施工管理職の事務作業内容

ここでは、施工管理職が行う事務作業の一例をご紹介します。

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朝礼準備

朝礼では準備体操の他、その日の作業内容の確認や連絡事項の周知などを行います。
そのため、以下のような事務作業が発生します。

  • 当日の工事に関する資料作成
  • 連絡事項の整理
  • 現場の危険個所の説明資料の作成

施工計画書の作成

施工計画書は、工事のスケジュールなどが記載された書類です。

  • 工程表
  • 施工要領書
  • 品質管理計画表

この中でも特に修正が生じやすのが、「工程表」です。
工程表は、資材が現場に入るタイミングや全体の流れを見ながら、無理のない日程を組みます。
ただし、天候による作業の中断や人員不足などで修正が生じやすいため、適宜調整が必要です。
工期に間に合うだけでなく、安全性を確保できるスケジュールを組むことも、施工管理職には求められます。

原価計算

会社の利益を調べるための計算となります。
品質保持、工程管理を行いながら、会社の利益を最大化するよう目指します。

施工図の作成

建築士が作成した顧客や行政に見せるための図面を、施工図(工事用)に書き直す仕事です。

建築士から受け取る図面は、お客様や行政に見せるためにわかりやすく書かれています。
そのため施工管理職に就いている人が、工事を進められるように、より専門的にかつより詳細な図面へと書き直す必要があります。
施工図の作成は主にパソコン上で図面を描画するCADソフトが用いられます。
施工管理職になるならパソコンとCADのソフトを使いこなせた方がいいでしょう。

写真の整理

工事現場の写真を整理します。
工事の進捗を報告したり、法律を遵守して工事したことを証明するために、施工管理職は多くの写真を撮影します。
膨大な枚数になるため、定期的に写真の整理を行います。

打ち合わせ資料の作成

打ち合わせに必要な資料の作成を行います。
施工管理職は、発注者の要望に応えるために、積極的に打ち合わせを行うことが多いです。
打ち合わせ資料には「業者向け」と「顧客向け」があり、それぞれに合わせた資料を作成します。
また、CADを使用した図面の作成やプラン図の作成も行います。

国や地方へ提出する書類の作成(公共事業に携わる場合など)

公園や公民館の建設など、公共事業に関係する工事に携わる場合は、通常の書類に加えて行政へ提出しなければならない資料や書類があります。
これらの書類作成も施工管理職の仕事です。

発注書類や請求書の作成・提出

原価管理を元に工事に使用する材料や部品の調達を行います。
携わる工事の内容が複雑化し自社では人材が足りない場合は、他社へ依頼し人材や重機を確保します。
工事の工程やスケジュールを見ながら、何をどれくらい発注すればいいのか見定める必要があります。
大きく見誤ると、部品や材料のロスまたは不足が発生し、スケジュールが遅れる場合があります。

報告書類の作成・提出

1日の終わりに、工事の進捗状況を記載する書類を作成します。
公共事業に携わる場合は、行政へ提出するための報告書類を作成する場合もあります。

施工管理職に必要な資格

施工管理職は、お客様の要望を聞き工事を行うチームをまとめる大変重要な役職です。
そのため、施工管理職に就くには国家資格に合格する必要があります。
施工管理職の資格には種類があり、現場に置くことが定められている「主任技術者」や「管理技術者」として、それぞれ携われる案件が異なります。

出典:厚生労働省「建築施工管理技術者

技術検定試験2級

技術検定試験2級に合格すれば、解体工事や大工工事などにおける専任の技術者および建設工事の現場に置く主任技術者を担当できます。
1級を取得すれば担当できる範囲が広がるため、できるだけ1級まで取得することをおすすめします。
第一次検定は17歳以上なら誰でも受験できるため、施工管理職に就くならできるだけ早く合格を目指すといいでしょう。

技術検定試験1級

技術検定試験1級に合格すれば、ほぼすべての一般建設業や特定建設業において、営業所ごとに必ず置くことが定められている専任の技術者および主任技術者や監理技術者を担当できます。
受験するにはある程度の実務経験が必要で、試験の難易度が高く合格までの道のりが長いです。しかし合格すれば、それだけ仕事の幅が広がり給与アップにもつながります。

2021年4月に施工管理技士制度が改正された

現場の負担軽減と施工管理職の人材不足から、2021年4月に施工管理技士制度が改正され、以下のように変更されました。

  • 試験の名称が変更され「学科試験」と「実地試験」から「第一次検定」と「第二次検定」になった
  • 第一次検定に合格すれば「技士補」として認められる試験基準が変更された
  • これまで現場を専任できなかった「監理技術者」が、「技士補」がいれば専任できるようになった
  • 学科試験に合格した場合、翌年までに実地試験に合格しなければ再び学科試験を受けなければならなかったが、今回の改正により翌年までに合格しなくても実地試験(第二次検定)がいつでも受けられるようになった

これらの改正のおかげで、施工管理職へのハードルが大きく下がりました。

事務作業に必要なスキル

施工管理職の男性

ここでは、事務作業に必要な「PCスキル」と「CADスキル」をご紹介します。

PCスキル

事務作業を効率的にこなす上で、基礎的なPCスキルは必須とされています。
施工管理職は書類作成などが多いことからPCを使う頻度が高く、PCがスムーズに使えないと仕事が進みません。

具体的には、以下のソフトは使えるようにしておきましょう。

  • ワード
  • エクセル
  • パワーポイント

これらは、資料作成や写真整理などを行う際に必須とされるソフトです。

CADスキル

施工管理職に就くなら、CADソフトを使いこなすスキルも必要です。
CADとは、コンピュータを使って建物や物の設計をすることです。
2DCADと3DCADがあり、2DCADは平面上の設計図を書くことができ3DCADは立体の設計図を書くことができます。
CADをするには、CADソフトと呼ばれる専用ソフトが必要で、無料で利用できるものから本格的な有料ソフトまであります。
施工管理職は施工図の作成も仕事の一つのため、CADを使うことが多いです。
CADは入社後に勉強する方も多いですが、就職前・転職前に学んでおくことをおすすめします。
インターネットで無料ソフトをダウンロードすることも可能なため、一度練習してみるのもよいでしょう。

コミュニケーション能力

施工管理職が担当する業務は多く、事務作業だけでも覚えたりこなしたりするのが大変です。
また一つ一つが責任重大な仕事のため、少しでも疑問や不明点があれば、詳しい人にたずねる必要があります。
また施工管理職に就いたばかりのときや新しい現場に配属されるときも、慣れた人から仕事を教えてもらい、できるだけ早く仕事を覚える必要があります。
事務作業は一人で黙々と取り組むイメージがありますが、周りの誰かに適切なタイミングで頼るためのコミュニケーション能力が必要です。

施工管理職の将来性

施工管理職は、試験の難関さもあり人手不足と高齢化が深刻化しています。
工事現場または営業所に必ず一人以上は配置させる必要があるため、工事の仕事が無くならない限りは需要が減ることは考えにくいでしょう。

その証拠に、人材不足と現職の施工管理者の負担を軽くするために2021年4月に施工管理技士制度が改正され、受験におけるハードルが下がりました。
また令和3年 厚生労働省「労働経済動向調査」によれば、建築施工管理技術者が属する産業において、人手不足の度合いが年度が経つにつれて深刻化することが予想されています。
このように需要が高いにも関わらず人手不足な状況が続いているため、施工管理職はやりがいと安定性を求めるにふさわしい役職だといえます。

出典:厚生労働省「建築施工管理技術者

施工管理職は事務作業スキルも必須

施工管理職はさまざまな書類作成を行うため、事務作業も仕事の一つです。
膨大な数の資料を作成することも多いため、施工管理職を目指すのならPCスキルやCADスキルはなるべく早い段階で身に付けておきましょう。