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河川工事とはどのような工事!?種類や工事の流れを解説

河川工事は、台風や大雨から人々の暮らしを守るために必要な工事の一つです。
河川の近くで生活をしたことのある方は、馴染みがあるのではないでしょうか?

本記事では、河川工事の概要や種類、工事の手順などについてご紹介します。

河川工事とは

河川工事とは、水害防止のための堤防を設置したり、床止めをしたりする土木工事のことです。
また、河川の修繕工事なども含まれます。
河川工事は天候によって左右されることが多いため、工事の際には高度な知識と技術が求められます。
そのため、施工管理職の方には施工管理技士の資格が必要です。

河川の等級

河川は等級によって、管理する区域や工事の際に関わる機関が異なります。
等級は河川法などによって以下のように分類されます。

一級河川
経済上最も重要とされる河川で、国土交通大臣が管理しています。

二級河川
一級河川に次いで重要とされる河川で、都道府県知事が管理しています。

準用河川
一級・二級から分かれた末端の河川または河川法の一部を準用する河川を指します。
市区町村が管理しています。

普通河川
河川法が適用されない小河川を指します。
市区町村が管理しています。

河川工事の種類

河川工事は、上流・中流・下流など工事をする場所によっても種類が変わります。
ここでは、主な河川工事の種類をご紹介します。

上流部の工事

砂防工事
砂防工事は、河川や渓流に砂防ダムなどを設置する工事です。
土砂災害防止、斜面崩壊防止、地すべり防止などを目的として行われます。
砂防ダムは通常のダムとは異なり、スリットダム式のものが採用されることが多いです。
また、地すべり防止として抑制工を施工することもあります。

中流部の工事

河道掘削工事
河道掘削工事は、河道を掘り水が流れる面積を広くする工事です。
洪水時の水位を低くするために行われます。
川底の土砂を取り除くことを「浚渫(しゅんせつ)」といいます。
中流部だけでなく、上流部や下流部で行われることもあります。

築堤工事
盛土などで堤防を築く工事です。
中流部など堤防がない場所に行うことで、洪水被害を最小限に抑えることが期待されます。
下流部で行われることもあります。
盛土のほか、コンクリートや鉄の板などを使用する場合も多いです。

下流部の工事

床止め工事
川底の形状の維持を目的として、コンクリートブロックなどを設置する工事を指します。
川底の土質がもろく、水によって変形しやすい場合、河川の形状が変わることで氾濫しやすくなります。
そのため、床止め工事を行うことで河川の勾配を安定させます。
床止めに落差があるものを「落差工」、ないものは「帯工(おびこう)」と呼ばれます。
中流部で行われることもあります。

樋門(ひもん)工事
河川が合流する場所で水位が高くなった場合、逆流しないように樋門を設ける工事です。
樋門は通水路の役割を持っており、下流部や中流部の河川が合流する場所に設置されます。

河川工事の流れ

河川工事

ここでは、河川工事を行うまでの流れをご紹介します。

1.河川工事の許可申請を行う

河川工事を行うには、まず河川管理者の許可を取得します。
河川の等級によって管理者が異なるので、注意が必要です。

2.仮設道路を作成する

許可が取れたら河川で工事用の仮設道路を盛土などで作成します。
河川工事は一般的に水上で作業を行うためです。
仮設道路は河川の水位が高くなってもオーバーフローしないように注意が必要です。

河川工事の概要や種類を知っておこう

河川工事は、景観維持や土砂災害防止のために行われる工事です。
河川工事によって人々の生活は守られているといっても過言ではありません。
施工管理職を目指す方は、河川工事の概要や種類について理解しておきましょう。