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総合建設機械「住友建機」とショベルカー「クボタ」「竹内製作所」の事業戦略を解説

建設機械メーカーは、それぞれの事業戦略と技術によって支えられています。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、総合建設機械の「住友建機」、ミニショベルの「クボタ」「竹内製作所」の事業戦略と技術についてご紹介します。

住友建機の事業戦略と技術

住友建機は、全国に57の自社拠点と140のサービス工場を持っている総合建設機械メーカーです。
住友グループは400年以上の歴史があり、世界最古の財閥とされています。
3代目が銅精錬業を開始し、4代目が1961年に愛媛県の別子銅山を開坑して発展することとなります。
そして1888年、別子鉱業所に機械工場「工作方」を設置し、現在の住友重機械工業が創業されました。

住友建機の経営戦略

住友建機は、油圧ショベルと応用機である林業・解体・金属リサイクル用機械、アスファルトフィニッシャーなどを展開しています。

以下の経営戦略を掲げています。

  • 国内市場の盤石化
  • 中国、ASEANを中心とした海外市場の成長
  • 油圧ショベルと道路機械のICT推進

中国やインドネシアにも生産工場を持っており、差別化した製品と強固な販売網を強みとしています。

クボタ(ミニショベル)の事業戦略と技術

クボタは、ディア・アンド・カンパニー、CNHインダストリアルに次ぐ世界3位の農機メーカーです。
特にミニショベルの分野では、2002年から世界首位を維持しています。

クボタは、1890年に大阪府南区で大出権四郎氏が大出鋳物を創業したことから始まります。
1897年、久保田燐寸器械製造所の久保田夫妻の養子になったことで、久保田鉄工所に改称しました。
1922年に農耕用石油発動機、1947年に耕運機の製造を開始し、経営を多角化させます。
1943年からブルドーザーを生産し、1953年に久保田建機株式会社が誕生します。
そしてパワーショベルやクレーンの製造を開始し、建設機械業界に本格的に進出しました。
1974年に、現在のミニバックホウのベースとなった小型油圧ショベル「KH1」を完成させます。
その後、海外で販売するコンパクトトラックローダーやスキッドステアローダーなどを開発し、世界での地位を確立することとなります。

クボタの経営戦略

クボタの事業は、機械、水・環境、その他と多岐にわたります。
経営戦略としては以下を掲げています。

  • 北米での製品ラインナップの拡充と現地一体運営によるシェア拡大
  • ASEAN地域の新製品投入と小売金融の充実
  • アフターマーケットの事業拡大
  • DXの基盤となるビッグデータ、5G、AIの整備活用

竹内製作所(ミニショベル)の事業戦略と技術

竹内製作所は、世界初の全旋回ミニショベルやクローラーローダーを開発した小型建機メーカーです。
受注生産方式で耐久性、操作性、快適性を追求しており、顧客の満足度が高いのが特徴です。

竹内製作所は、1963年に創業者の竹内明雄氏が長野県に株式会社竹内製作所を設立したことから始まりました。
1971年、世界初の全旋回ミニショベル「TB1000」開発し、建機メーカーとしての一歩を踏み出します。
1975年、ヤンマーディーゼルにOEM供給を開始、1978年には輸出を開始します。
そして自社ブランドの育成のため、海外へシフトすることとなります。
耐久性強化に取り組み、顧客から「建機のベンツ」と呼ばれるまでになります。
さらに、1986年に世界初のクローラーローダーの「TL20」を開発し、現在でも圧倒的な支持を得ています。

竹内製作所の経営戦略

竹内製作所は、海外での販売に力を入れており、海外売上高が98%に上ります。
ミニショベルの分野ではアメリカ5位、ヨーロッパ2位のシェアを獲得しています。
経営戦略として以下を掲げています。

  • アメリカでの子会社の敷地拡張による保守トレーニングセンターの開設
  • ヨーロッパでの保守パーツセンターの開発

建設機械メーカーを知ろう

日本には、国内だけでなく海外に多くのシェアを持つ建設機械メーカーが多くあります。
それぞれ得意な分野と経営戦略がありますので、把握しておきましょう。