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契約電力容量の算定方法。契約の種類や具体的な計算方法を解説

建物内に設置した電気設備は、契約容量を算定する必要があります。
契約容量は、契約の種類などにより計算方法が異なります。

本記事では建築電気設備の実務計算前に知っておきたい、契約電力容量についてご紹介します。

低圧引込みの契約容量の算定

低圧引込みの契約容量は、各電力会社の約款などを確認して算定します。
ここでは、従量電灯契約と低圧電力契約時の策定方法を解説します。

従量電灯契約

従量電灯契約は、電灯コンセント負荷設備に関する契約です。
6kVA以上50kW未満の契約容量は、従量電灯Cになります。
6kVA未満の場合は、従量電灯BもしくはAです。
電灯コンセント負荷と合算した容量が50kW以上になる場合は、業務用電力契約となります。

容量の算定
設計図面の負荷の詳細をもとに、入力換算して容量を算出します。
負荷の内容が不明確な場合は、想定容量に分電盤の分岐回路を乗じて求めます。

低圧電力契約

低圧電力契約は、動力負荷設備に関する契約です。

入力換算法
三相200Vの電動機は、入力換算表を用いることが推奨されています。
その他の場合は、kW表示に1.25倍、電熱器は1.0倍したものを入力換算値にしてkWで表示します。
ただし、定格消費電力が表示されている場合は、それを入力します。

容量の算定
たとえば、15kW、11kW、5.5kW、3kWの電熱器という負荷があったとします。
入力すると、18.75kW、13.75kW、6.88kWと3kWになり、入力換算表に応じて計算すると合計41.89kWになります。

業務用電力の契約容量の算定

電力会社から受けた電力の最大値が50kW以上になった場合、「業務用電力契約」になります。
50kW以上2,000kW未満の場合は高圧の引込み契約、2,000kW以上になると特別高圧の引込み契約になります。
ただし、電力会社によっては弾力運用可能(2,000kWを超えた高圧引込み)になるケースもあります。
一般的なビルでは、最大電力が50kW以上になる場合、業務用電力の契約を行います。

契約負荷設備による方法(500kW未満の計算例)

契約電力の算定方法は、電力会社発行の「電気供給約款」に明記されています。
ここでは、東京電力管内の計算方法を例にします。

電灯の場合、電気供給約款取扱細則に基づいた入力換算値を確認します。
コンセントは、1受口を50VA(住宅、病院、学校などの場合)、その他は100VAについて合計します。
また、分岐回路数×平均負荷設備容量から求めたものを、ひとつの契約負荷設備にする場合もあります。
動力については、入力換算した容量を契約負荷設備にします。
さらに、全体の最大容量から圧縮、低減する係数を乗じたものを契約電力にします。

契約受電設備による方法(500kW未満の計算例)

契約負荷設備にした場合、負荷の容量に増減が起こるたび、契約電力の変更手続きが必要になります。
そのため、「契約受電設備」により契約電力を決めるのが一般的です。
契約受電設備によって契約電力を決める場合、まず変圧器の総容量を求めます。
単相変圧器のV結線、△結線に寄る場合は、その群容量にします。
高圧電動機は入力換算します。
これらを合計したものが契約受電設備です。
契約受電設備の総容量は、1(VA)=1(W)となり、圧縮係数を乗じて求めます。

契約電力容量の算定方法を知ろう

契約電力容量は、契約の種類によって計算方法が異なります。
最初は複雑に感じることも多いですが、ルールを覚えてしまえば数字を当てはめるだけで計算できます。
ぜひ、計算方法について理解を深めていきましょう。