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平均照度と非常用の照明。計算するうえで知っておきたいポイント

照明は設置場所などによって、適した商品が異なります。
照明の計算をきちんと行うことで、労働災害の防止や作業効率の向上にもつながります。

本記事では、照明の計算方法についてご紹介します。

平均照度

平均照度とは、床面や作業面全体の明るさの平均値で、照明の明るさを表す指標の1つです。
平均照度を求めるには、まず室指数を求めなくてはいけません。
その室の間口X(m)と奥行きY(m)、そして高原からの作業面(照度測定の対象となる机上部)までの距離Hから求められます。
計算によって得た数値を「室指数記号表」に当てはめ、いずれに該当するかを調べます。

平均照度計算法による計算
平均照度は、室内照明の明るさを示すものとして使用されています。
平均照度が低いと作業に必要な明るさが確保できないため、作業効率が低下したり、労働災害の原因になったりする可能性があります。
平均照度計算法は最も一般的な方法で、室内照度は以下の照明計算式で表されます。

E (照度/lx)= 合計照度 / 面積

合計照度とは床面や作業面全体に照射される光の量の合計で、面積とは床面や作業面の面積です。

室内照明の設計条件
室内の照明を設計する際に、必要な条件は以下の通りです。

  • 室名:部屋の用途ごとにJISが「照明基準」を定めている
  • 照度E:照明基準を目安にする
  • 光束F:光源によって光束が異なるため、カタログを参照
  • 保守率M:年に1回程度ランプを清浄する場合、一般的に0.7が用いられる
  • 反射率:天井、壁、床の仕上げ材の色調によって異なる
  • 照明率U:照明器具の計上によって特性表があるが、メーカーによって異なるので注意が必要

国土交通省の「設備設計基準」などのデータを参考にしましょう。

照明の計算例
照明器具が何台必要になるか計算する場合、まず「ランプの個数」を求めます。
ランプの個数が算出できたら、器具が何灯用なのか確認しましょう。
たとえば、必要なランプの台数が25個、器具が2灯用の場合、13台必要です。

非常用の照明

非常用照明

非常用の照明の計算方法には、逐点法があります。
点光源(白熱電球)の場合、配光は円を描きます。
1lxの範囲を実線、0.5 lxの範囲を点線にすることで、図面説明どおりに設計できます。
白熱電球のW数や形状によって円の大きさが変わるため、メーカーのカタログなどを参照しましょう。

配置表法による照明設計
照明器具のランプのW数や形状によって配光特性が異なります。
そのため、照明器具取り付け間隔表などを用いて、取り付け間隔値以下になるように配置しましょう。

廊下や小部屋の照明設計
「廊下における器具の配置例表」の寸法を参照にし、1lxの範囲を配置します。

階段の照明設計
幅3m、階高3.5m程度以下の場合は、F20W1灯もしくはF40W1灯のブラケット型非常用照明器具を設置します。

住宅・建築物の省エネルギー基準と低炭素建築物の認定基準について

2010年4月1日以降、床面積の合計が300㎡以上の建築物については、新築・増改築時の省エネ措置の届け出と維持保全の状況の報告が義務付けられています。
また、2013年1月に公布された「住宅・建築物の省エネルギー基準」と2012年12月に交付された「低炭素建築物の認定基準」では、住宅・建築物ともに外皮性能と一次エネルギー消費量を指標として、省エネルギー性能が評価されます。
さらに、建築物の一次エネルギー消費量は、従来の設備システムエネルギー消費係数が廃止されました。
そして、建物全体の一次エネルギー消費量による評価になり、算定方法も変更されました。
住宅では、「住宅事業建築主の判断の基準」によって、一部に対して一次エネルギー消費量による評価がされていましたが、今後はすべての住宅が対象になるとしています。

部屋に適した照明を算出しよう

平均照度が低いと、作業効率が低下する可能性があります。
反対に、平均照度が高すぎると眩しさの原因になったり、電気代が高くなったりする可能性があります。
そのため、用途や作業内容に応じて、適切な平均照度を設定することが重要です。
照度計算は照明器具の選定や設置位置の決定に役立ちますので、計算に慣れていきましょう。